国民年金の「督促状」、「特別催告状」、「最終催告状」が届いたら。無視は絶対ダメ!!差し押さえまでの流れ

先日、知り合いの方から国民年金の「年金特別催告状(ねんきんとくべつさいこくじょう)」が届いたと相談がありました。

どうしてよいのかわからなかったようです。

確かに名前からしてかなり怖い書類ですよね・・・「差し押さえ」の言葉も書いてありますし。

国民年金はサラリーマン(第2号被保険者)やその妻(第三号被保険者)にならない人が加入する年金です。

主には自営業の方や無職の方、社会保険未加入の会社に勤めて見える方が加入しています。

サラリーマンの場合には給料から厚生年金が天引きされますので未納というのは基本的におきませんが、国民年金の場合自分で納付なので未納が多くなってしまっています。

最新のデータの平成29年度(2017年度)の国民年金の年金保険料の納付率は「66.3%」となっています。

つまり、34%近くの方が年金を払っていないのです。

ただし、勘違いしないでもらいたいのが34%のうち多くの方は納税免除であることです。

つまり、何かしらの事情で払わなくてもよいという方なのです。

実際に未納状態にある方の割合がでていませんので比率はわかりませんが・・・

そんな未納が多い制度ですし、年金不安が叫ばれていますし、支払わないという方も実際います。

しかし、最近はそれも通用しなくなってきているのです。

今回はそんな国民年金の差し押さえまでの流れについて見ていきます。

※追記、加筆を行いました。

国民年金の支払は義務である

まず押さえておかなければならないことが国民年金の支払いは義務であるってことです。

年金は不安だからって支払わないという選択肢はそもそもないのです。

また、国民年金には連帯納付義務もあります。

連帯納付義務とは世帯主や配偶者の片方は連帯して国民年金を納付しなければならないのです。

それでは義務を怠るとどうなるのでしょう?

これは簡単です。最終的には強制執行されます。

つまり、自分の預金や給料などの財産が差し押さえされちゃいますよってことですね。


国民年金の未納から差し押さえまでの流れは?

それでは国民年金が未納の状態が続くとどうなるのでしょう?基本的に下記の順番に事が進みます。

催告状

特別催告状

最終催告状

督促状

差押予告通知書

差し押さえ

催告状

まず届くのは催告状です。

こちらははがきで届きます。

年金払ってないですよ。

払ってくださいって感じの案内ですね。

忘れてませんか?というレベルで日本年金機構からしてもまだそれほど緊急度は高くないです。

ただし、そのまま放置をしておくとこちらでも年金事務所の人が訪問に来ることもあるようです。

とりあえず届いたら払ってない年金を払うか、払えないなら相談に行ってくださいね。

特別催告状

次に届くのは特別催告状です。

記載された日時までに支払いなさいということが書かれています。

支払いや相談がない場合には保険金に延滞料が上乗せされ、本人もしくは前述の連帯納付義務のある世帯主、配偶者の片方の財産を差し押さえますよ的なことが書かれています。

かなり怖い内容ですね。

特別催告状が届いたら

特別催告状に書いてあるとおり、支払えるならすぐ支払いましょう。

また、支払うのが大変な経済状態にあるならば年金事務所もしくは市役所の年金課に行って相談してみてください。

分割払いなどの相談に乗ってくれたり、支払い猶予期間をくれたり、全部もしくは一部免除ができる可能性もあります。

これらは相談しないと引き出せません。

早めに行きましょう。

相談に行くときは特別催告状を持っていくと話が早いと思います。

特別催告状は色がある

特別催告状はその段階により色が変わってきます。

青色→黄色→赤色(ピンク)

信号みたいなもんですね。

だんだん日本年金機構側としても重要度が高い状況になっているということです。

最終催告状

特別催告状を無視していると最終催告状が届きます。

内容はほぼ特別催告状と変わりません。

対処も同じです。支払うか相談にいってください。

民間業者からの電話や訪問

また、特別催告状を無視していると年金事務所から委託を受けた民間団体が電話や手紙、中には訪問して催促してくるようになります。

別に裏稼業の方が来るわけではありませんが対応するのが面倒でしょうからその前に支払うか相談しておきたいところですね。

督促状

最終催告状の期限までになにもしないと督促状がきます。

督促状までくるとかなり悪質な滞納者という扱いがされるようになります。

基本的に督促状まで来るようになると相談に行っても分割払いが認められなくなります。

また延滞金が発生するようになります。

また、連帯納付義務のある世帯主、配偶者の片方にも通知がいきます。

延滞金はいくらなの?

督促状には納付指定日が記載されます。その指定する期日までに納付がなく、督促状の指定する期日以降に納付がされたときは延滞金がかかってきます。

延滞金は納付期限の翌日から、納付の日の前日までの日数に応じ、保険料額(保険料額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切捨て)に一定の割合を乗じて計算されます。

具体的な延滞金は下記の金額となります。かなりの利率ですね。

延滞金の計算は少々ややこしいのですが、以下の通り。
スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
期間延滞税特例基準割合(※)延滞金の割合A
(納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日まで)
延滞金の割合B
(納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日の翌日以降)
平成21年12月31日まで14.6%14.6%
平成22年1月1日から平成26年12月31日4.3%4.3%14.6%
平成27年1月1日から平成27年12月31日1.8%2.8%9.1%
平成28年1月1日から平成28年12月31日1.8%2.8%9.1%
平成29年1月1日から平成29年12月31日1.7%2.7%9.0%
平成30年1月1日から平成30年12月31日1.6%2.6%8.9%
平成31年1月1日から令和元年12月31日1.6%2.6%8.9%
令和2年1月1日から令和2年12月31日1.6%2.6%8.9%
令和3年1月1日から令和3年12月31日1.5%2.5%8.8%
令和4年1月1日から令和4年12月31日1.4%2.4%8.7%

1.平成22年1月1日から平成26年12月31日までは、納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの期間について、特例基準割合と同じ割合となります。

2.平成27年1月1日以降については、納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの期間は年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低いほう、納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低いほうとなります。

出所:日本年金機構(延滞金について

差押予告通知書

「督促状」に記載された期限までに支払わないと、「差押予告通知書」が届きます。これは財産の差押や公売によって滞納保険料を強制的に徴収することの予告です。

差し押さえ

十分な所得や貯蓄がある国民年金未納者には、実際に強制的な徴収が行われます。

対象者は年間所得300万円以上で7か月以上の滞納者とかなり厳しくなっています。

経済的に苦しいなら免除申請しよう

経済的に苦しく国民年金を支払う余裕がないなら年金事務所もしくは市役所の年金課に相談に行きましょう。経済的状況次第ですが全額免除や一部免除を受けられる可能性があります。

また、分割での支払いなどにも応じてくれることがあります。

放置するのではなく相談することが大事です。

また、学生の場合も相談にいけば学生納付免除が可能です。(年金への反映はありませんが)

免除の条件等はこちらの記事を御覧ください。

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ちなみに国民健康保険もルールは違いますが同様に免除や減額してくれる制度があります。

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免除なら年金にも反映も

免除でも将来の年金に一部反映されたり、障害基礎年金や遺族基礎年金をもらえますが、未納の場合その権利も生じなくなります。

スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

老齢基礎年金障害基礎年金
遺族基礎年金
(受給資格期間への算入)
受給資格期間への算入年金額への反映
納付
全額免除○※2
一部納付※1○※3
納付猶予
学生納付特例
××
未納×××

※1 一部納付の承認を受けている期間については、一部納付の保険料を納付していることが必要です。
※2 平成21年4月分以降は、2分の1が国庫負担されます。
(21年3月分までは3分の1が国庫負担)
※3 4分の1納付の場合は「5/8」が年金額に反映します。
(21年3月分までは1/2)
2分の1納付の場合は「6/8」が年金額に反映します。
(21年3月分までは2/3)
4分の3納付の場合は「7/8」が年金額に反映します。
(21年3月分までは5/6)

厚生年金加入しているはずだけど届いた場合

ちょっと注意したいのが厚生年金に加入しているはずなのに国民年金関連の督促や納付書が届く場合です。

この場合には給料から厚生年金が天引きされているのか確認してみてください。天引きされているのに書類が届くようならもしかしたら会社が加入手続きをやっていなかったりする可能性が考えられます。

詳しくは下記記事を御覧ください。意外と多かったりするんですよ。

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まとめ

今回は「国民年金の「督促状」、「特別催告状」、「最終催告状」が届いたら。無視は絶対ダメ!!差し押さえまでの流れ」と題して国民年金の未納についてみてきました。

まずは特別催告状や最終催告状が届いたら未納を支払うか相談にいくことが重要であることを押さえておきましょうね。

国民の義務ですから免除以外で支払わないという選択肢はありませんよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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