8月9日に東証マザーズに新規上場しますトランザスの財務分析をしてみたいと思います。
トランザス8月9日上場
トランザスが上場する8月9日はその前の新規上場が8月3日と間が空きます。また、次の上場企業は今のところ発表されていませんので資金が集中する可能性が高そうです。
一方で北朝鮮問題やトランプ関連、安倍政権の忖度問題などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいます。
また、夏、しかもお盆前で商いがあまり活発でないと言う要素もあります。このあたりがどうでるかも注目ですね。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
トランザスのビジネスモデル
トランザスは通信機能を持った端末であるIOT端末や機器装置(ターミナル)の製造販売及びそれを利用したシステム・サービスの提供を主要な業務としています。具体的には各種ソフトウェア(ファームウェア、ミドルウェア及びアプリケーションソフトウェア)の開発からターミナルの製造、システム・サービス提供、メンテナンスまでワンストップで行っているとこのと。
人気の出やすい時流のIOT銘柄ですね。
出所:トランザス目論見書
ビジネスの流れとしてはIOTは下記のようになっています。
出所:トランザス目論見書
また、IT業務支援サービスは下記の用になっています。
出所:トランザス目論見書
強みとしては下記の3点があげられていました。
1.垂直統合
ソフトウェア開発だけでなく、端末開発、サービスまでを可能とする垂直統合型ビジネスを展開しているためワンストップで提供可能であること。
2.小ロット生産
小ロット生産が可能で小規模のものから取扱が可能であること。
3.ソフトウェアの横展開
ソフトウェアの知的財産を社内蓄積していることで短期間で安定稼働を実現する開発が可能となっていること。
ということでした。
実際素人にはトランザスの技術水準はわかりませんが目論見書を見る限りビジネスモデル面で問題はないでしょう。
トランザスの収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度43.08%
28年度44.11%
となっています。少しだけ良くなっていますね。
ソフトウェアの開発業界はここは高めとなっています。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度 18.85%
28年度 16.92%
となっています。
2%近く悪化していますね。
この要因は販売費及び一般管理費の増加にあります。
販売費及び一般管理費の内訳は公開されていませんので詳細はわかりかねますが
上場前によるあるケースとしては上場に絡む費用(監査法人や管理部門増員)が大きく影響を与えている等ですね。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度 19.68%
28年度 17.54%
こちらも売上高営業利益率と同様になっています。
少し気になるのが両年とも受取和解金が多額にあることですね。
なんの和解金なのでしょうか・・・
売上伸び率
次に売上の伸びをみてみます。
27年度 29.84%
28年度 2.28%
売上の伸びは大きく鈍化しているようです。
このあたりをどうとるかは判断が分かれそうです。
収益性まとめ
売上の伸びは少し鈍化傾向、利益率は高いが伸び悩み
とても収益性の高い企業ですが直近でちょっと伸び悩みが目立ちます。
このあたりをどう判断するかでしょうね。
トランザスの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年 2534.52%
28年 379.39%
となっています。
流動比率はかなり高い水準で問題はないでしょう。
また、現金預金も多く有るため資金繰り面で問題になることは当面なさそうです。
キャッシュフロー
キャッシュフローは営業活動がプラスとなっています。
投資活動と財務活動がマイナスとなっています。
本業で儲けたお金を将来の投資と返済等に回す。
理想的とも言えるお金の流れです。
こちら側からみても資金繰り面で問題は当面大丈夫そうです。
安全性まとめ
安全性は高めです
また、今回の上場で得た資金を返済に回すとのことですので安全性は高くなりますのでそこまで心配ないでしょう。
トランザスの株価
PER、PBR
双方とも同業と比べても問題ありません。
IOTなので人気となりやすい業態ですし株価は期待できそうです。
ロックアップのかかっていない株がそれなりにあるのでそのあたりがどうなるかがポイントを分けそうです。
ロックアップがかかっている株も1.5倍での解除となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はトランザスの財務を中心に分析してみました。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
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