MENU

ファンディーノが上場承認(IPO)|株式投資型クラウドファンディング最大手のビジネスモデル、過去の上場実績などを分析

当ページのリンクには広告が含まれている場合がございます。
ファンディーノが上場承認(IPO)|株式投資型クラウドファンディング最大手のビジネスモデル、過去の上場実績などを分析

2025年10月31日、株式会社FUNDINNOが東京証券取引所より上場承認を受け、12月5日にグロース市場への上場が決定しました。証券コード462A、想定時価総額約132億円のIPO案件です。

今回は、ファンディーノの事業内容、上場実績、投資家が気になる「怪しい」との評判の真相、そして株価見通しまで、すべてを包括的に解説していきます。

目次

ファンディーノとは何か

まずはファンディーノとはなにか?という部分から見ていきましょう。

株式投資型クラウドファンディングの国内最大手

ファンディーノは、2015年11月に設立された株式会社FUNDINNOが運営する、日本初にして最大の株式投資型クラウドファンディング(ECF:Equity Crowdfunding)プラットフォームです。

従来、個人投資家がスタートアップ企業に直接投資することは、ベンチャーキャピタルや一部の富裕層に限られていました。

しかし、ファンディーノは1社あたり10万円程度から未上場企業の株式に投資できる仕組みを構築し、個人投資家にスタートアップ投資の門戸を開いたのです。

2017年4月に第1号案件を実施して以来、累計400社以上のスタートアップ企業の資金調達を支援してきました。

ビジネスモデルを分解

ファンディーノのビジネスモデルは、単なる資金調達プラットフォームに留まりません。

投資家がリターンを得られる環境を整備するため、以下の3つの領域で包括的なサービスを提供しています。

同社は、未上場企業と投資家をつなぐ「未上場エクイティ・プラットフォーム」を運営。

資金が集まる(プライマリー)→育てる(グロース支援)→売買機会(セカンダリー)という循環を作るのが柱です

収益は、案件成立時の手数料や、制度対応したプロ投資家向け商品(FUNDINNO PLUS+ / J-Ships対応)などからも発生します。

具体的には以下のとおりです。

FUNDINNO(個人向け株式投資型CF):約10万円から未上場株に投資できる入口。
FUNDINNO PLUS+(特定投資家向けの大型調達):J-Ships活用により数十億円規模の資金調達を支援。
セカンダリー(FUNDINNO MARKET / MARKET PLUS+):未上場株の売買機会を順次拡充

上場実績はあるのか?

投資家として最も気になるのは、ファンディーノを通じて投資した企業が実際にどのような成果を上げているかです。

ファンディーノの公式サイト数字でわかるFUNDINNO(2025年11月1日時点)によると、以下の投資回収実績が公表されています。

TOKYO PRO Market上場企業

  • 琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社:リターン1.4倍
  • 株式会社NPT:リターン1.2倍

M&A・事業会社による買収

  • 株式会社ハーバルアイ(旧社名:株式会社漢方生薬研究所):投資回収期間1年5ヶ月、リターン1.5倍
  • 株式会社nommoc:投資回収期間1年9ヶ月、リターン1.5倍
  • Innovation Farm株式会社:投資回収期間2年11ヶ月、リターン1.1~4.4倍
  • Trim株式会社:投資回収期間5年1ヶ月、リターン2.15倍

その他の投資回収事例

  • 社名非公開3社:リターン1.2倍~1.57倍

上場実績まとめ

上場に成功したのは2社

東証ではなく、TOKYO PRO Marketですが・・・

投資回収に成功した企業が10社程度です。

しかし、ファンディーノを通じて資金調達した企業は累計で400社以上存在します。

かなり割合が低いんですよ。

倒産した企業も24社あるようです。

かなりのハイリスクなのがわかるでしょう。

また、気になるのが投資回収に至った場合でもそこまで大きな利益となっていないのが現状です。

一番リターンが良かったTrim株式会社でも投資回収期間5年1ヶ月、リターン2.15倍・・・・

5年で2倍程度なら通常の株式投資でも達成する銘柄は多くあり、リスクとリターンが見合っていないというのが正直な感想でしょうか。

情報の非対称性が非常に高いスタートアップ投資の難しさを物語っている結果と言えるかもしれません。

ファンディーノが怪しいと言われる理由

「ファンディーノは怪しいのではないか」という質問を受けることがあります。

この懸念の背景を分析してみましょう。

まず、株式投資型クラウドファンディング自体が比較的新しい仕組みであり、一般の投資家にはなじみが薄いことが挙げられます。

未上場企業への投資というと、詐欺的な投資話と混同されがちです。

しかし、ファンディーノは金融商品取引業者として関東財務局に登録されており(登録番号:関東財務局長(金商)第2957号)、法令に基づいて運営されています。

これは、無登録で投資を募る詐欺業者とは明確に異なります。

ですのでその点では問題ありません。

もう一つ大きいのは、投資家がスタートアップ投資のリスクを十分に理解していないという点です。

未上場企業への投資は、上場企業株式への投資と比較して、格段にリスクが高い投資です。

企業が倒産すれば投資金額の全額を失う可能性があります。

また、流動性が極めて低く、売りたいときに売れないリスクもあります。

ファンディーノ自体は正規の金融サービスですが、投資する商品の性質上、損失を被る投資家が一定数存在することは避けられません。

前述のように投資回収に至った投資先がそもそも少なく、exitできた銘柄もそこまで儲かってないという点で損を被る方が多いというのが「怪しい」と言われる最大の原因でしょう。

ハイリスクであるのは間違いないのですが、ハイリターンになっていないのが現状なんですよ。

まだ東証市場に上場できた銘柄がないってのが大きいのでしょうね。

投資先より先にファンディーノが東証に上場することへの皮肉を書いている方をSNSでは見かけました

あわせて読みたい
未公開株詐欺に気をつけて。上場準備中の会社が実際にIPOできる確率はどれだけあるのか? 最近、また未公開株詐欺が増えてきているそうです。 また、上場準備中の企業がかなり増えている感じがします。 上場準備中の企業というとなんか夢がある気がしますが、...

ファンディーノ新規上場(IPO)の基本情報

それではファンディーノの新規上場の基本情報を見ていきましょう。

上場日:2025年12月5日
証券コード:462A
市場:東証グロース
想定価格:570円
想定時価総額:約132億円
吸収金額:約15.8億円
公募・売出株数:2,780,300株(オーバーアロットメント含む)

公開株数は当選本数ベースで約27,803枚(100株単位換算)。

想定時価総額は約131.7億円、吸収金額は約15.8億円と整理されています。

規模は「小型寄り〜中型手前」となります、。

ブックビルディング期間と想定価格

ブックビルディング(需要申告)は11月19日(水)〜11月25日(火)の予定。

想定価格は570円と報じられています(最終的な仮条件・公募価格は今後決定)

主幹事、幹事

主幹事証券:野村證券
幹事証券:SBI証券、松井証券、岩井コスモ証券、楽天証券、マネックス証券、東海東京証券、三田証券、今村証券、東洋証券、岡三証券、フィリップ証券

抽選で当選確率が高いのは主幹事の野村證券ですね。

業績から見る株価評価

2024年10月期の連結業績は、売上高11億8,480万円、経常損益はマイナス10億7,601万円でした。

前期比で売上高は約2倍に拡大していますが、営業損失も10億円を超えており、赤字が継続しています。

なお、2025年10月期の会社計画では、売上高38億9,200万円(前期比+228.5%)、経常利益11億3,100万円と、大幅な増収増益を見込んでいます。

第3四半期時点で売上高18億3,200万円、経常利益1億6,600万円となっています。

会社計画に対する進捗状況は数字だけを見るとあまりよくないのが気になるところです。

それでもプラットフォームの裾野が拡大していることは確認できますね。

案件の性質上、成功と失敗の差は大きいので、ここを履き違えないことが大切かもしれません。

ただし、損失を出す投資家が多ければ「怪しい」という評判がさらに広まりプラットフォームの拡大も止まってしまう恐れもあります。

想定価格570円で計算すると、PSR(株価売上高倍率)は約11.1倍、PBR(株価純資産倍率)は約3.1倍です。

成長期待を織り込みつつも、未上場株式のセカンダリー整備J-Ships領域の伸長を、実数でどこまで積み上げられるかが見どころです。

あとは現在検討されている準特定投資家(仮称)ができた場合の影響も考えておく必要はありそうです。

あわせて読みたい
準特定投資家制度で非上場株が買いやすくなるかも。未上場株リスク完全ガイド 近年、日証協(日本証券業協会)が主導する非上場株式の取引・資金調達ルールの整備が進み、個人投資家がアクセスできる場面が拡大しています。 とりわけ、株式投資型ク...

初値予想

ファンディーノの初値は以下がポイントになりそうです。

ポジティブ要因

  • 想定価格が570円と1,000円以下で、個人投資家が買いやすい
  • ECF市場の国内トップ企業という独自性
  • ダウンラウンドによる割安感
  • 公募・売出合計で約2,780万株と当選本数が多く、多くの投資家に分散される
  • 主要株主にはロックアップがあり(解除条件はバラバラ)

ネガティブ要因

  • 直近期まで赤字が続いている
  • 公開株数が多く、売り圧力が強い
  • ECF市場全体の成長性に対する不透明感

個人的にはロックアップの設定をせず「継続保有」という説明になっている株主が複数存在しているのもちょっと引っかかりますね。

総合的に判断すると、初値は想定価格から小幅なプラスになる可能性はありますが、大きな値上がりは期待しにくいと考えます。

個人的にはSBI証券のIPOポイント狙いで応募すると思いますが、積極的に買いたいとは思わない感じですね。

まとめ

今回は「ファンディーノが上場承認(IPO)|株式投資型クラウドファンディング最大手のビジネスモデル、過去の上場実績などを分析」と題してファンディーノの新規上場について見てきました。

ファンディーノの売上自体は大きく伸びています。

しかし、投資家から見るとファンディーノ経由の投資先の実績がかなり不安材料ですね。

この状況が続けば利用者も増えていかないような気がしますが・・・

爆発的に儲かる投資先が出てこれば「怪しい」というイメージは変わるんでしょうけどね。

IPOに応募する前に一度ファンディーノにどんな銘柄があるのかチェックしたり、実際に投資をしてみるのも良いかもしれません。

以下から投資家登録できます。

>>【FUNDINNO】株式投資型クラウドファンディング

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
にほんブログ村
記事が参考になりましたらシェアお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次