2025年9月7日、石破茂首相が辞任を表明しました。
自民党は10月4日前後に総裁選を実施する方向で動いています。。
マーケットはすでに為替・金利・政策の行方を一気に織り込み始めました。
報道各社は次期自民党総裁の有力候補として高市早苗、小泉進次郎、茂木敏充、林芳正の名を挙げています。
この局面で注目されるのが、いわゆる「国策銘柄」です。
例えば菅さんが総理になったときは携帯電話への値下げを強行するだろうという推測の元にNTTドコモやソフトバンク、KDDIの株価に大きな影響がでてその通りになりました。
そういったことを考えると次の総理が誰なのかを予想し、あらかじめ株を買う、売っておくのはかなり有効な手段なんですよ。
今回は有力候補と言われる4人の関連銘柄について考えてみましょう。
石破総理の辞任と総裁選の構図
9月7日、石破首相が引責辞任。
与党は議席を減らし、物価高・生活コストへの不満が背景とされます。
市場は円安・超長期金利上昇、株価高騰で反応し、「次の政権の財政拡張」思惑も交錯しました。
総裁選は10月4日前後が目安と報じられ、すでに有力候補の政策色がテーマ株の短期物色を誘発しています
主要候補として高市早苗(財政拡張・利上げ慎重)、小泉進次郎(環境・規制改革)、茂木敏充(党内調整と通商・成長戦略)、林芳正(外交安定・政策の継続性)が取り沙汰されています
国策銘柄の見つけ方
それでは各候補ごとの具体的な話を見る前に投資家の作法として国策銘柄の見つけ方を簡単に解説しておきましょう。
政策の「実行確度」を積み上げて評価
具体的には以下の部分をチェックしましょう。
- 政策方針・公約(記者会見・政策パンフ・党決議)
- 制度設計の前進(法改正案・パブコメ・基本方針)
- 予算・補助スキーム(概算要求、交付要綱)
- 入札・補助採択(実需の発生)
- KPIのモニタリング(設備投資、雇用、稼ぐ力への寄与)
たとえば政府はGX(グリーントランスフォーメーション)の柱として排出量取引(GX-ETS)を2026年度から本格稼働、関連制度の整備を2025年に前進させています。
これは電力・素材・装置などの価格・投資判断に直接効きます。
国策=気候・安保・成長戦略の三位一体
現在の国策と言われるのは以下の項目ですね。
- 気候・エネルギー:2035年▲60%、2040年▲73%の温室効果ガス削減目標を政府が国際公約化。再エネ・送配電強靭化、原子力の扱い、需要側(データセンター等)まで連鎖します。
- 経済安保:半導体・AI・防衛・宇宙・海洋など、サプライチェーンの国内強靭化。
- 成長戦略:「新しい資本主義」改訂版(2025)は賃上げ・投資・スタートアップを軸に官民投資の予見可能性を高める設計
候補別:「政策×セクター×関連銘柄」
それでは具体的に候補者別に政策、セクター、関連銘柄を見ていきましょう。
高市早苗 銘柄――経済安全保障×防衛力強化の色が濃い
政策の骨子(公的発言・報道)
経済安保の厚み付け(重要物資の国内生産、AI・半導体・量子・宇宙の底上げ)。
台湾・欧米との連携強化を重視する発言も。
金融面では利上げに慎重、財政拡張寄りとの評価が優勢。
想定セクター
- 防衛・宇宙・サイバー:艦艇・エンジン・誘導弾・宇宙インフラ・SOC運用
- 半導体・製造装置:装置・材料・EDA、国内製造の支援
- 電波・衛星通信・量子:安全保障用途の基幹技術
例示銘柄(政策テーマ連想)
三菱重工、川崎重工、IHI、東京エレクトロン、NEC、日立製作所、信越化学工業、浜松ホトニクス ほか。
高市銘柄では防衛関連が特に強いですね。
仮に財政拡張×利上げ慎重なら長期金利の上昇テンポは鈍化しやすく、内需ディフェンシブや公共投資関連への資金循環が速い局面も。
銀行など利上げで利益を得る銘柄には逆風になりそう。
為替の円安継続リスクが輸入コスト・食料価格に波及するし、インフレが加速する可能性も織り込みが必要かも・・・

小泉進次郎 銘柄――GX・規制改革・雇用/生活者目線の色
政策の骨子(実績・発言)
環境相経験から脱炭素・資源循環(プラ削減等)に継続コミット。
水素やカーボンプライシングの議論にも積極的。
農相としてはコメ価格など生活コストに配慮したメッセージも。
想定セクター
- 水素サプライチェーン:製造・輸送・ステーション、金属・配管
- 再エネ・蓄電池・送配電:系統増強・蓄電池需要
- 資源循環・日用品:プラ使用量削減・紙化・衛生材
- 人材・DX:規制緩和での人材流動化・就活支援
例示銘柄(政策テーマ連想)
ENEOS、岩谷産業、レノバ、ユニ・チャーム、リクルートHD、アサヒG、資生堂、さくらインターネット、旭化成、積水化学工業、さいか屋 等。
地元のさいか屋や名前が似ているということから勤次郎が、すでに上がり始めていますね笑
GX-ETSの本格稼働(2026)は設備投資の強制力を高める可能性。
電力・素材は負担と機会の両面、省エネ機器・高効率設備は需要増が読みやすい一方、実需の立ち上がりは制度詳細待ち。
茂木敏充 銘柄――通商・成長投資の実務派
政策の骨子(経歴・発言)
経産相・外相の経験から通商交渉・規制改革・投資促進に強み。
緊急総裁選で党の結束を訴えつつ、為替・金利・物価への慎重な配慮が想定されます。
想定セクター
- 商社・海運・ロジ:通商の再編・関税動向の影響
- FA・建機・自動車:輸出主力の価格競争力
- 金融:金利・為替の変動耐性と国際業務
例示銘柄(政策テーマ連想)
三菱商事、三井物産、商船三井、小松製作所、トヨタ、みずほFG、トレンドマイクロ 等。
林芳正 銘柄――外交安定×GX・スタートアップの促進
政策の骨子(経歴・発言)
外相・官房長官としての外交安定と、GX・新産業(スタートアップ)への資金循環を重視するトーン。
BOJの独立性尊重を示す報道も。
想定セクター
- スタートアップ×大企業連携:SaaS、セキュリティ、生成AI
- エネルギー移行:送配電・蓄電・効率化
例示銘柄(政策テーマ連想)
三菱商事、SHIFT、富士通、ソフトバンクG、三菱重工、トヨタ、GMO等。

シナリオ別:マーケットの押さえどころ
今回の総裁選は今の時点では以下の3つのパターンが予想されています。
シナリオごとに考えてみましょう。
シナリオA:高市政権(財政拡張×経済安保濃厚)
- 短期:防衛・半導体・サイバーがテーマ化。金利は上昇テンポ鈍化観測で内需ディフェンシブ物色、銀行には逆風も。為替は円安バイアスが残る局面。
- 中期:補助→設備投資→稼ぐ力の実現性を四半期決算で検証。
シナリオB:小泉政権(GX・規制改革)
- 短期:水素・再エネ・資源循環関連が物色。データセンター・省エネ投資も連想。
- 中期:GX-ETSの制度詳細・賦課金・オークション導入ロードマップに沿って勝ち筋を選別
シナリオC:茂木・林政権(通商・外交安定)
- 短期:商社・海運・輸出主力に資金回帰しやすい構図。
- 中期:通商再編・対米関税環境の最終合意待ちで、為替と金利の基調変化に注目。
まとめ
今回は「次期総理有力候補の国策銘柄は?高市・小泉・茂木・林の政策×関連株を総点検」と題して各総理候補の政策と関連株をみてきました。
国策になるとその銘柄は長期でも強くなりますので、そういう点も含めて総裁選に注目したいところですね。

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