SYSホールディングス財務分析

6月30日にジャスダックに新規上場します。SYSホールディングスの財務分析を行ってみたいと思います。

SYSホールディングスが上場する6月30日は他にツナグ・ソリューションズ、GameWithも上場します。

SYSホールディングス6月30日上場

資金が分散する可能性も少なからずありますが注目を浴びるきっかけになるかもしれません。

 

一方で北朝鮮問題やトランプ関連、ブラジルの問題などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいます。

なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。

SYSホールディングスのビジネスモデル


SYSホールディングスの事業内容として目論見書には下記のように書かれています。

ITシステム開発(グローバル製造業、社会情報インフラ、モバイル)及びITソリューション・サービスの提供を中核とする総合情報サービス事業

どうやらITシステムの開発中心とした企業のようです。IT系は株価が上がりやすいので期待したいところです。

SYSホールディングスは「私たちは、グローバルな情報技術で、情報社会にたくさんの笑顔を創ります」という経営理念をもっています。

グルーバル製造業向けのソリューションがメインの企業のようです。

SYSホールディングス

出所:SYSホールディングス目論見書

SYSホールディングスの収益性


売上構成比

売上構成比(受注状況)

28年度で

グローバル製造業ソリューション 45.35%

社会情報インフラソリューション 51.46%

モバイルソリューション 3.18%

となっています。どちらかというとIT系といってもお硬い業種向けの仕事が多そうな感じすね。

売上高総利益率

次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。

売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。

27年度18.45%

28年度21.79%

と少し改善していますね。

IT系ですが昔からあるソフトウェアの開発企業なのでこんなもんでしょう。

売上高営業利益率

次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。

27年度 0.88%

28年度 4.60%

とこちらも少し改善しています。

販売比および一般管理費はそれほど変わりませんので

売上高総利益の改善(売上原価の削減)の効果が大きいです。

売上高経常利益率

次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。

27年度 1.67%

28年度 4.63%

こちらも売上高営業利益率と同様に改善しています。

27年度に売上高営業率との間にある差は助成金や補助金によるものです。

売上伸び率

次に売上の伸びをみてみます。

28年度1.35%

となっています。

SYSホールディングスはそれなりに社歴がある会社ですから

売上の伸びは落ち着いてきているといえます。

今後の大きな伸びもそれほど期待できないでしょう。

自己資本利益率(ROE)

27年度 5.5%

28年度 18.7%

利益が改善したことによりROEは大きく良くなっています。

収益性まとめ

売上の伸びは止まっています。

利益の改善はありますが成長性には期待が薄そうです。




SYSホールディングスの安全性


自己資本比率

総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?

27年 35.3%

28年 44.8%

となっています。比較的高い水準です。

流動比率

次に短期的な支払能力をみる流動比率です。

27年 171.87%

28年 202.42%

となっています。かなり高い水準です。

流動資産に占める現金比率も高く基本的に資金繰りは問題ないでしょう。

キャッシュフロー

キャッシュフローは営業活動がプラスとなっています。

投資活動と財務活動がマイナスとなっています。

長期借入金の返済分が結構あるので全体でも28年度はマイナスとなっています。

ただ、流動比率も高く当面の資金繰りで問題はないでしょう。

安全性まとめ

安全性は特に問題ないようです

また、このあたりは上場することで更に改善しますので当面の資金繰り等で問題は起きにくいと想定されます。

 

その他事項


役員をみるといろいろな企業とつながりがあるようですね。

他の会社の社長を兼務している取締役や

元公益財団法人あいち産業振興機構の理事長

などなど。

このあたりはプラスに働く場合と逆の場合がありますので長期的な投資を考えられる方は確認しておくのもよいでしょう。

また、個人的には確定拠出年金をやっているところは好感がもてました。

 

SYSホールディングスの株価


PER、PBR

双方とも同業と比べて割安感はそれほどありません。

ただ、インターネット系という人気となりやすい業態ですし株価は期待できるかもしれませんね。

売上の伸びが止まっているのは気になりますが・・・

 

まとめ


今回はSYSホールディングスの財務を中心に分析してみました。

次回は初値予想をしてみたいと思います。

読んで頂きありがとうございます

SYSホールディングス
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