最近、各社が立て続けに「ポイント投資」なるサービスを展開し始めました。ポイント投資とは簡単に言えば貯まったポイントを使うのではなく運用して増やそうよってサービスです。(もちろん減る場合もあります)
投資の敷居を下げることにつながる面白いサービスですが、もちろんデメリットもあります。
今回はそれらも含めてポイント投資についての仕組みや攻略法、各社の違いなどについて考えてみていきます。
ポイント投資とは
ポイント投資は、簡単に言えばお手持ちのポイントを使って投資体験ができる新しいサービスです。実際の運用方法などは各社多少違いますが、基本的にポイントで運用する投資信託を選択し、(実際に買うわけではない)基準価額に連動しポイントが毎日変動します。運用して増えたポイントは、引き出して通常のポイントとしてとして使うことができるのです。
各社のポイント投資を徹底比較してみる
それでは各社のポイント投資について比較してみたいと思います。今の所確認できるだけで下記のポイント投資があります。
順番に見ていきましょう。
NTTドコモ dポイント
SBIネオモバイル証券 Tポイント
SBI証券 Tポイント
クレディセゾン 永久不滅ポイント
インヴァスト証券 ポイント自動売買積み立て投資
トラノコ ポイント投資
StockPoint ドットマネー
楽天証券 楽天スーパーポイント
まずは楽天証券のポイント運用からみていきましょう。対象となるのは日本で一番使っている方が多いと思われる「楽天スーパーポイント」です。楽天スーパーポイントは楽天市場や楽天トラベルなど楽天グループはもちろん最近はコンビニやミスタードーナツなどでも使ったり貯めることができるようになっていますね。
そんな楽天スーパーポイントのポイントはポイント運用とポイント投資という方法で運用することができます。
ポイント運用
まずは純粋なポイント運用です。こちらは口座開設不要で「アクティブ」と「バランス」から選択肢あとは運用するだけです。運用して増えたポイントは、引き出して通常ポイントとして使うことができます。
アクティブは日々の動きが大きく、積極的な運用を目指すコース。楽天投信投資顧問(株)が運用する、日本を含む全世界の株式および投資適格債券に70:30の配分で分散投資する楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)の基準価額の値動 きを原則反映することで、運用ポイント数が増減します。
バランスコースは日々の動きが小さく、安定的な運用を目指すコース。楽天投信投資顧問(株)が運用する、日本を含む全世界の株式および投資適格債券に30:70の配分で分散投資する、楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)の基準価額の値動きを原則反映することで、運用ポイント数が増減します。
となっています。つまり、この2つの投資信託と同じ動きで運用をする形となります。2つとも評判はよい投資信託ですから問題ないでしょうね。
運用は100ポイント単位となります。
ちなみにこのポイント運用は運用が疑似体験できるサービスですから実際に投資信託をポイントで買っているわけではありません。
ポイント投資
楽天証券ではもう一つポイントで運用する方法があります。それは楽天スーパーポイントで実際に投資信託を買う方法です。こちらは前述のポイント運用と違い実際にポイントをつかって投資信託を買いますから楽天証券の口座開設が必要となります。
ちなみにこのポイント投資はSPU(スーパーポイントアップ)の対象となっております。以下の条件で楽天市場の買い物のポイントが+1倍となります。私もこれが始まってから毎月実施しています。
月に1回、500円以上のポイント投資をする
楽天証券の設定を楽天スーパーポイントコースにする
前述のポイント投資と違い、投資先の投資信託は自由に選択することが可能です。(こちらは実際に投資信託を買いますしね)
NTTドコモ dポイント
次にNTTドコモの「dポイント」です。こちらも最近は使えるところが増えてきましたね。こちらは楽天証券のポイント運用と同じく擬似的に運用する仕組みです。そのためこちらも証券会社の口座等は不要です。
具体的にはロボアドTHEOで有名な「お金のデザイン」が設定・運用する投資信託の基準価額に連動した形で増減します。こちらもアクティブコース、バランスコースを選択となります。
アクティブコースは債券よりも株式に大きく比重を置き、高いリターンを目指すコースです。
バランスコースは株式よりも債券にやや比重を置き、安定したリターンを目指すコースです。
THEOも評判のよいサービスですから問題ないでしょうね。楽天とは違い具体的なアセットアロケーションは公開されていません。THEO自体がAIを使って運用する仕組みですから定期的に変更しているためでしょう。
ちなみにこちらもdポイントは、100ポイント単位で運用となります。また、運用中のポイントは、1ポイント単位で引き出すことができます。引き出したポイントは、dポイントとしてご利用いただけます。
SBIネオモバイル証券 Tポイント
SBI証券とTポイントのCCCマーケティングが共同設立した「<SBIネオモバイル証券>」は「Tポイント」の運用を行います。開始が2019年春ということですからまだ詳細まではでていませんが、ドコモと同様にロボアドを使った投資サービスになるようです。こちらはTHEOのライバルWealth Navi(ウェルスナビ)を使うようです。
SBI 証券と CCC マーケティングは、本日付で合弁会社である株式会社 SBI ネオモバイル証券を設立し、若年層のお客さまをメインターゲット、スマートフォンをメインチャネルとした金融サービスを提供いたします。SBIネオモバイル証券では、T ポイントプログラムを導入し、お客さまのお取引に応じた T ポイントの付与およびT ポイントを使って金融商品が購入できる「T ポイント投資」を実現します。また、CCC マーケティングがこれまで培ってきたマーケティングノウハウを活かし、投資経験が少ないお客さまにもご利用いただきやすいサービスを提供する予定です。さらに、T カードの購買データを活用して、ビッグデータ解析に基づいた投資情報サービスの提供も検討してまいります。
出所:SBIネオモバイル証券 プレスリリース
※SBIネオモバイル証券及びSBI証券のTポイントポイント投資の概要が出ました。
詳しくは下記記事をご覧ください
日本初のTポイントで株が買えるサービスが先日始まりました。ネット証券NO1のSBI証券が「Tポイント」を運営するCCCマーケティング(カルチャア・コンビニエンス・クラブ)と合弁して興した会社「SBIネオモバイル証券」によるものです。[…]
日本最大のポイントサービスである「Tポイント」。ネット証券NO1のSBI証券が「Tポイント」を運営するCCCマーケティング(カルチャア・コンビニエンス・クラブ)と合弁して興した会社「SBIネオモバイル証券」が日本初のTポイントで株が[…]
クレディセゾン 永久不滅ポイント
次はクレディセゾンの発行しているセゾンカードのクレジットカードを使うと貯まる「永久不滅ポイント」を運用することができるサービスです。こちらも楽天のポイント運用やドコモと同じく擬似的体験であるため証券口座の開設は不要です。
こちらの特徴は選べるコースが多彩であることです。
アメリカ株(VOO)コース:米国市場の主要500銘柄(大型株)の株式指数に連動するコース
アクティブコース:外国株式・外国債券を中心に積極的にプラスを狙うコース。
バランスコース:国内債券を中心に安定的な運用を目指すコース。
株式コース:実際の株価に連動する個別の株式に投資できるコース。
日本株コースとアメリカ株コースは実在するETFに連動する形となります。ただし、配当金をもらうこととができなくなっています。変わりに信託報酬が無料となっているのです。この2つの配当利回りが1.8%くらいですから通常に投資をする場合と比べて手数料がかなり割高と言えなくもありませんが・・・
また、アクティブコースとバランスコースはMSV LIFE(マネラップ)というマネックス証券のラップ口座で運用を行います。こちらはアクティブコース・バランスコースの投資信託はどちらも、年率0.925%+税の信託報酬がかかります。こちらもちょっと手数料が高めかな・・・
株式コースは後述するStockPointと連携することで投資ができます。個別株への投資は、保有期間中に手数料はかかりませんが、永久不滅ポイントとストックポイントを相互交換する場合に、実質的なコストが発生します。この差が手数料といえるでしょう。
個人的にはこのサービスはちょっと実質的な手数料が高いのでパスかな・・・
インヴァスト証券 ポイント自動売買積立投資
次はインヴァスト証券です。こちらはインヴァストカードというクレジットカードで貯まるポイントを投資に回す仕組みです。こちらは擬似的ではなく実際に購入をする形となります。
クレジットカードの利用で貯まったポイントが1ポイント1円としてインヴァスト証券の口座に振り込まれます。それを元にETFの投資が行われますのでインヴァスト証券のトライオートETF口座開設が必要となります。
運用は下記のトライオートETFという仕組みで投資することになります。ちょっと難しことが書いてありますが自動で売買できる仕組みということです。
ETFでの自動連続注文を可能にした史上初の自動売買機能を備えています。自分の投資スタイルに合わせて選ぶだけのカンタン自動売買セレクトや、銘柄を選んで自分で自動売買の設定を作ることができる機能など、初心者や投資経験者にもご利用いただけます。自動売買手数料は何度取引しても無料です。国内だけでなく、海外ETFへの運用も重要になります。海外の重要性は理解していても、どの銘柄を選べばいいんだろうと迷ってしまう方のために世界中から優れた国内外トップクラスのETFを厳選して用意しています。 海外銘柄選びで困る必要もありません。信頼性の高い26銘柄から自由に選ぶことができます。海外に投資するときの最大のネックは元本に対する為替リスクです。相場が上がるか、下がるか不安な中さらに為替リスクも考えると海外投資は難しく感じます。元本に対する為替リスクの影響をゼロにして、投資に専念することができます。
出所:インヴァスト証券
トラノコ ポイント投資
次はおつりで投資トラノコです。こちらはTORANOTEC株式会社が提供するフィンテックアプリです。具体的には登録したクレジットカードや電子マネーでショッピングする際に端数など「おつり」に相当する金額を決めて、そのお釣り部分で投資をするサービスです。
昔からよくある豚の貯金箱みたいなのをクレジットカードでもやってみましょうってことですね。こちらも擬似的ではなく実際に買う仕組みですから口座開設が条件となります。
具体的な運用は下記の3つから選択します。
バランス重視の「中トラ」(トラノコ:ファンドⅡ(愛称:中トラ)
リターン重視の「大トラ」(トラノコ:ファンドⅢ(愛称:大トラ)
小トラはリスクを押えることを重視し、比較的リスクが低い債権等の割合が高くなる傾向のファンド
中トラはリスク/リターンのバランスを重視し債権等に加えて比較的リスクの高い株式等がある程度高い割合になる傾向のファンドです。
大トラはリターンを重視し、比較的リスクの高い株式等の割合が高くなる傾向のファンドです。
運用報酬は年0.3%となっています。
おつりは5円から1円刻みで投資が可能となっています。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
【おつりで投資トラノコ】というおつり投資アプリの評判がとてもよいです。株式市場でも話題となるフィンテック関連のサービスの1つですね。今回はこのトラノコについて始め方や使い方、メリット、デメリットについてみていきたいとおもいま[…]
StockPoint ドットマネー
最後はStockPointのドットマネーで個別株に投資できるサービスです。こちらはドットマネーというポイント交換サイトのポイントを使って個別株式やETFに疑似投資できるサービスです。
こちらは個別株に投資できるというのがポイントですが、ちょっと気になるのが手数料が高いこと、配当がでないことです。配当がでないのに株価にポイントが連動しますので配当落ちなどを考えると普通に株を買ったほうが良さそうが気がします。
個人的にはこのサービスも実質的な手数料の高さを考えるとちょっとパスかな・・・
ポイント投資の攻略法
まず考えたいのがポイント投資といえども投資信託などに連動しているので普通の投資と基本は同じであるってことです。
そのため時間の分散(買う時期を分けること)や投資金額の分散(買う金額を分けること)はこころがけるといいでしょう。つまり、一気に使わないってことですね。これは資産運用の基本中の基本ですが、なかなか面倒ですからやらない方が多いんですよ。
例えば1000ポイントあるとして一気に投資をするのではなく、例えば100ポイントずつ10回に分けて買うとかするのがおすすめです。ポイントが少ないと面倒ですけどね(笑)
まとめ
今回は「ポイント投資の仕組みや攻略法を各社比較検討してみた【楽天】【Tポイント】【dポイント】」と題してポイント投資についてみてきました。
今まで見てきたようにポイント投資でもいろいろなパータンがあります。実際に購入するものもあれば、擬似的に購入するものもあります。また、運用方法や運用先も違います。
擬似的に売買するものは手数料が高いものや配当がないものがほとんどです。そのあたりを考えると普通に株式や投資信託を買う場合と比べて損ですね。
ですから個人的にはあまりおすすめしません。
ただし、いきなり投資を始めるのが怖い人が練習でやる分にはありかもしれません。
また、実際に購入することができる楽天証券のポイント投資やインヴァスト証券のポイント自動売買積立投資あたりはありですけどね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
フェイスブックページ、ツイッターはじめました。
「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです