携帯電話が普及して「固定電話」って必要なのか疑問に思う方が増えています。
固定電話も月々それなりのお金が掛かりますので家計の節約を考える際にカット候補に当然あがってくるでしょう。
そこで今回は携帯電話やスマートフォンが一人一台時代に固定電話の必要性、また固定電話があることでのメリット、ないことでのデメリットを考えていきます。
固定電話を解約する人(固定電話じまい)が増えている背景
スマホの普及、家計・経費の見直し、通信のIP化が進む中で、固定電話の役割は大きく変化しました。
かつては家庭やオフィスの“連絡の要”でしたが、今は携帯回線・クラウド電話・LINEなどのチャットが主役。
一方で、災害時の連絡手段・FAX・取引先からの信用・番号の継続性など、固定電話にしかない価値もまだ残っています。
結論から言えば
メリット・デメリット・後悔しやすい落とし穴・代替策・解約前のチェックを体系的に解説します。
固定電話を解約するメリット
まずは解約するメリットから見ていきましょう。
料金・コストの削減
まずは当然ながらコスト面です。
月額の基本料・オプション料・通話料をまとめて削減できます。
使っていない留守電・ナンバーディスプレイ等の“惰性オプション”の見直し効果も大。
事業者の場合は回線管理・機器保守・回線トラブル対応の工数も減らせます。
ただし、代替手段の費用アップの部分も比較してみる必要はあるでしょう。(携帯電話の通話料など)
かんたん試算(例)
固定電話:月1,800円(基本)+ナンバーディスプレイ440円+留守電330円=月2,570円
年額:約3.1万円が使っていないなら、解約でそのままコストダウン。
固定電話でもひかり電話などだと月々500円くらいで済みます。
固定電話を完全に廃止するのではなく、ひかり電話へ移行するというのも手です。
スマホで代替可能
家庭:家族のメイン連絡先=各自のスマホで十分というケースが多数。
事業:会社代表番号はスマホ転送・クラウド電話(050/0AB-J)・IVRに置き換え可能
SMSやビデオ通話など、固定電話ではできない柔軟な連絡が可能となっています。
光回線やネット環境との関係がシンプルに
光回線+“ひかり電話”は“オプション”のことが多く、ネットはネット、電話は電話と切り分け可能。
Wi-Fi通話やメッセージアプリの普及により、固定番号に固執しない選択肢が増加。
固定電話を解約するデメリット
当然デメリットもあります。
災害時・停電時の通信手段
旧来のアナログ固定電話機は停電時でも通話可能な場合がありました。
しかし、IP電話(ひかり電話)やコードレス機は宅内電源(ONU/ルーター)が止まると不通になります。
災害時は携帯網も輻輳することがあるため、連絡手段を多重化しておく設計が大切かもしれません。
FAXの利用
医療・建設・行政手続きなどFAX文化が根強い領域が現実に存在しています。
また、書類原本・押印・図面など、FAX特有の運用が一部で残っています。
事業をやっている場合はそのあたりがデメリットになりそうです。
ただし、最近はeFAXなどFAXをメールで送受信できるサービスなどもありますので、そういうものに乗り換えれば問題はなさそうです。
法人登記・審査・信用面
代表電話は対外的な信頼の“記号”になり得ます。
取引先・与信審査・求人応募・営業窓口で固定番号の提示が求められるケースはまだあります。
個人でも就職や受験の際の履歴書を提出した時に、固定電話が書いてある方と携帯電話の方を比較すると固定電話の方が有利になるなんてケースもありえます。
完全モバイル化でも問題ない業種も増えていますが、担当者や会社の考え方で判断が分かれます。
同一番号の再取得が難しい(番号の不可逆性)
解約すると元の番号に戻れない可能性が高いです(番号は再割り当ての対象)。
長年使った番号=資産を活かしたいなら、転送・休止・クラウド移行など「番号を活かす撤退戦」を設計しておきたいところ。
携帯電話番号を教える必要性が出てくる
書類など様々な場面で電話番号を書く必要がある場面もあるでしょう。
固定電話があればそれを書けばよいのでしょうが、携帯電話しかない場合は書かざるえません。
特に女性の方などはあまり携帯電話の番号を知られたくないという方も多いでしょうから、そういう際に固定電話があればそれを回避できますね。
携帯電話を教えてしまうとこちらの都合や時間等関係なく掛けてきてしまうような常識ない会社や人もいますしね・・・
個人的にも極力電話してほしくないです。(メールやLINEで済む話はそっちにしてほしい)
ただし、この場合、当然電話が掛かってくるのは固定電話になりますので面倒というのはありますが・・・
固定電話がまだ必要なパターン、解約して後悔のパターン
必要なパターンと解約して後悔なパターンをみておきましょう。
「固定電話がまだ必要」な典型ケース
以下のようなパターンがまだ固定電話が必要なケースです。
- 高齢の家族が固定電話の操作に慣れている/迷惑電話対策機能つき固定機が有効。
- スマホを持たせていない子どもの留守番(家ルールとして“家の電話にかける”運用)。
- 事業用途:受付・代表窓口・コールログ管理・録音・回線分離・FAX(個人スマホと業務電話を分けたい)。
- セキュリティ・監視機器:古い通報装置・FAX、エレベーター・火災報知器の通報回線など物理回線が前提の設備。
- 審査・信用:与信・登記・補助金・官公需対応など固定番号の記載が“無難”な場面。
- 電波事情:屋内・地下で携帯電波が弱い/社屋の構造上モバイル通話が安定しない。
- 地域の連絡網:自治会・学校・PTA・管理組合の固定宛連絡が残っている。
「固定電話を解約して後悔」ありがちなパターンと回避策
解約して後悔するパターンは以下のようなケース
後悔パターン | 具体例 | 事前回避策 |
---|---|---|
番号を失ってしまった | 長年の番号を解約→再取得不可 | 番号休止や番号転送、クラウド電話への移行で番号を活かす |
FAXが必要だった | 取引先がFAX前提、急ぎの発注 | eFax/クラウドFAXを先に準備。スキャン運用やメール提出の合意取り |
停電で連絡不可 | ひかり電話+コードレス機のみ | 非常用電源(モバイルバッテリー/ポータブル電源)や有線電話機の用意、連絡手段の多重化 |
審査で不利 | 代表番号の有無を問われる | クラウドPBXで固定番号(0AB-J)を確保、コーポレートサイトと整合 |
家族が混乱 | 連絡先が分散、着信見落とし | 家族連絡ポリシーを一本化(代表者のスマホへ、家族グループ通話、留守電共有) |
ライフスタイル別:「解約すべき人/残すべき人」早見表
タイプ | 結論 | 理由・補足 |
---|---|---|
家族全員スマホ、固定はほぼ鳴らない | 解約推奨 | コストだけが発生。番号は休止・転送など安全策を |
高齢家族が固定に慣れている | 継続または段階的移行 | 迷惑電話対策機能付き固定機+将来はeFax等へ |
FAX運用が多い(医療・建設他) | 継続 or eFax化 | 相手方がFAX前提。eFax併用で紙を減らす |
信用・審査がシビアなB2B | 継続 or クラウドPBX | 代表番号の“形式知”。録音・IVRで品質アップ |
携帯の電波が弱い建物 | 継続検討 | 回線冗長化の一部として残す価値あり |
完全オンライン・モバイル完結の事業 | 解約検討 | クラウドで十分。KPIで品質担保 |
うちの例:固定電話は必要性皆無だが・・・
ちなみにうちの例をみていきましょう。
私の場合はFAX回線が必要でしたので、FAX兼用で固定電話をもっていて使っています。
しかし・・・・下記のとおり固定電話の機能としてはまったく必要性はありません。FAX文化がなくなれば解約しても何ら問題ないですね。
掛かってくる電話はセールスばかり
固定電話に掛ってくる電話はセールスばかりなんです。
要件のある方からの電話は当然、携帯電話にかけてきますしね。
最近多いのは通信回線の見直しと電気代の見直し・・・
電話に掛ってくるセールスは大抵あまり良いものではありませんし、しつこいので話も基本聞きません。
またオレオレ詐欺などもほとんどが固定電話を狙ったものとなります。
詐欺対策で高齢者向けにはナンバーディスプレイが無料なんてサービスもやってたりします。

ずっと留守電でFAX専用機として利用
そんな状況ですから最近は固定電話は常に留守電にしてFAX専用機として使っています。
着信があれば履歴が残ります。(番号通知をオプションで申し込み)
そのため、留守電が入っていなければ履歴に残っている番号を検索して調べるようにはしてますが・・・
調べてもほとんどが評判の悪いセールス電話ですね。
早くFAX文化もなくなってしまえば固定電話排除できるのに・・・ってところですね。
固定電話で掛けることもない
また、固定電話で電話を掛けることもありません。
多少電話代は携帯電話からかける方が高いですが、手間暇を考えるとわざわざ固定電話ではかけないですね。
多くの携帯電話会社が同様のサービスやっていますから、携帯電話料金が高いからと固定電話を使うということもすくなくなっていると思われます。
また、昔は固定電話しか掛けられない電話(フリーダイヤルなど)も存在していましたが今ではほとんどそういうことはなくなっています。(一部あり)
最近はサポートセンターなどでも有料のナビダイヤルも多いですしね・・・
そういった意味でも固定電話の存在意義は薄くなっているんですよ。
よくある疑問
よくある疑問も見ていきましょう。
固定電話を解約しても、光回線インターネットは使えますか?
多くのケースで利用可能です。
固定電話は“オプション扱い”のことが多く、ネット契約そのものは継続できます。
ただし、セット割の条件変更や機器返却の有無は要確認。
ADSLや特殊回線の場合は?
旧来のADSLの多くは固定電話とセットでした。
現在は光回線への移行が一般的です。心当たりがある場合は回線事業者に確認を。
ひかり電話を外すと料金は下がる?
電話オプション分は下がる一方、セット割が外れてトータルでは横ばいということも。
Before/Afterを必ず試算しましょう。
050や0800番号だけで大丈夫?
BtoCや軽接触の業態では問題ないことが増えました。
BtoBの初回接触や登記・審査では市外局番が安心という相手も。
業態に合わせ併用が現実解。
ちなみに私は050や0800からの電話は基本的に出ません笑
番号は残してコストだけ下げたい
休止(番号保留)、番号転送、クラウド移行の順で検討。
同じ電話番号が再度取得できなくなる可能性が高い不可逆な解約は最後に。
解約すると電話加入権はどうなる?
固定電話を解約すると、電話加入権は消滅します。
つまり、一度解約すると、同じ電話番号で再度契約することはできませんし、支払った加入権の費用も戻ってきません。
電話加入権は電話を引くために必ず必要な権利で、昔は7万2千円したんですよ。
現在は光回線など、電話加入権が不要なサービスも増えていますので、価値はほぼなくなっていると言われています。
実際、電話加入権を買い取ってくれる業者もあるようですが、買取価格は1,000円しないくらいだとか
まとめ
今回は「固定電話は必要?固定電話の必要性、メリット、デメリットについて考えてみた」と題して固定電話の必要性について考えてみました。
基本的な機能としては携帯電話やスマートフォンが一人一台時代になっていますので、固定電話の必要性はほとんどないでしょう。
しかし、信用度の問題など未だに影響がありますのでそのあたりも考慮の上で検討してみてくださいね。