最近はインターネットの発展もあり、いろいろな統計や情報がかなり簡単にみれるようになっています。
しかし、今までなかなか素人ではわかりにくかったのが政府が税金をどんなことにいくら使っているのかです。
それをかなりわかりやすくデータベース化してくれるサービスが7月11日から始まりました。
それがJUDGIT!です。
JUDGIT!を使えば政府がどんな事業にいくら、どこに払っているのか簡単にわかるようになるのです。
また、進捗状況やその事業の評価まで確認できます。
つまり、税金の無駄使いが簡単にチェックできるのです。
結構、衝撃的な内容もありますのでぜひチェックしてみてくださいね。
今回はJUDGIT!について見ていきましょう。
「個人型確定拠出年金」関連事業の支出先を調べてみた
それではこのサイトを見ていただいている方に興味のある事業である個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を例に実際にみてみましょう。
JUDGIT!で「個人型確定拠出年金」の支出先を検索した結果がこれです。
国民年金基金連合会が443百万円で圧倒的に多く支出されていますね。
次いでアイネットが12百万円、日立公共システムが7百万円、日本経営データセンターが2百万円と続きます。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)加入者から毎月手数料をとっている国民年金基金連合会が税金でもなにかやっているってことがわかります。
それぞれの支出を詳しく見てみましょう。
ちなみに毎月の手数料もちょっとおかしなところがあるのですけどね・・・詳しくはこちらを御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の手数料は大きく分けて3つの機関に支払います。一つは運営管理機関と言われるイデコの窓口となる金融機関に対しての手数料。もう一つは事務委託先金融機関といわれる「資産管理サービス信託銀行」[…]
国民年金基金連合会の443百万円の内容
国民年金基金連合会に443百万円支払われた事業は「国民年金基金連合会事務費補助金」として以下を目的として支払われています。
事業の目的
実施されたのが2016年と2017年ですからどうやら個人型確定拠出年金制度がサラリーマンに解禁されるときですね。
その広報が主な理由のようです。
事業概要
具体的な支出内容は以下の通りとなっています。
(1)普及促進シンポジウムの開催事業
個人型確定拠出年金制度の普及促進のためのシンポジウム開催に係る事業経費
(2)メディア・インターネットを通じた周知広報事業
個人型確定拠出年金制度の普及促進のためのインターネット広告、テレビCM等のメディア公告等を通じた周知広報事業
(3)普及促進に伴うシステム開発事業
個人型確定拠出年金制度の加入者範囲の大幅な拡大に伴うシステム開発事業
実施期間
それぞれの事業の実施期間は以下のとおりです。
広告(新聞・インターネット)
2016年 81日
CM(テレビ・ラジオ)
2016年 31日
体験型シンポジウム
2016年 1日
特設サイト・HPコンテンツ作成
2016年 90日
2017年 90日
発送業務
2017年 7日
まるまる博報堂へ委託
それぞれの具体的な支出金額まではわかりませんが、上記事業のすべてを博報堂へ委託しているのです。
厚生労働省から国民年金連合会に補助金が交付されそのまま随時契約で博報堂に丸投げされていますね。
このあたりの細かい内容もレビューシートの原本をみて確認することができます。
アイネットの12百万円の内容
次にアイネットへ支出した12百万円の中身を見てみましょう。こちらは「企業年金等の健全な育成に必要な経費」のうち「個人型確定拠出年金の周知広報用品の印刷梱包発送に係る業務」と「個人型確定拠出年金の周知広報用品の印刷梱包発送に係る業務」という名目になっています。
事業の目的
報告のとりまとめや関係者との意見交換を行う費用のようです。
これって事務方がやるレベルの話だと思うのですが、国民年金基金連合会がやっていないのですね・・・意味がわかりません。
具体的な実施された事業は以下のとおりです。
事業概要
事業概要は企業年金等の健全な育成に必要な経費全体のものしか提示されていませんので具体的にはわかりませんが以下の通りとなっています。
実際になにをやっているのかはこの内容だけではわかりませんがそこまで高度なことはやっていないようです。金額もそれほど多くはありませんけどね。
○企業年金等の業務報告書等集計
法令に基づき、基金又は事業主から提出される業務報告書等の集計を行う。
○企業年金制度等の調査研究
将来の企業年金制度等のあり方について検討を行う。
○企業年金制度等の周知
企業年金制度等の改善事項について事業主等に周知を行う。
○企業年金統計情報集計システムの構築
企業年金統計情報の集計・分析のためのシステム(データベース)を構築する。
成果実績、活動実績
成果実績と活動実績として以下が提示されています。
成果目標、成果実績
確定拠出年金、確定給付企業年金及び国民年金基金の加入者数
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2015 | – 万人 | 1412 万人 |
2016 | – 万人 | 1492 万人 |
2017 | – 万人 | 1671 万人 |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
企業年金統計情報集計件数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2015 | 37186 件 | 54312 件 |
2016 | 51928 件 | 47769 件 |
2017 | 55501 件 | 52786 件 |
日立公共の7百万円の内容
次は日立公共へ支出した7百万円の中身を見てみましょう。こちらは「企業年金等の健全な育成に必要な経費」のうちの「企業年金(確定拠出年金)統計情報集計システム構築一式」という名目になっています。
事業概要や事業の目的は企業年金等の健全な育成に必要な経費全体のものしか提示されていません。そのため事業の目的、具体的な実施内容や成果実績、活動実績はアイネットとほぼ同じですから省略します。
日本経営データセンターの2百万円の内容
最後は日本経営データセンターの2百万円です。こちらも「企業年金等の健全な育成に必要な経費」のうち「確定給付企業年金及び厚生年金基金における報告書データ電子化等業務」という名目になっています。
事業概要や事業の目的は企業年金等の健全な育成に必要な経費全体のものしか提示されていません。そのため事業の目的、具体的な実施内容や成果実績、活動実績はアイネットや日立公共とほぼ同じですから省略します。
他にも・・・
確定拠出年金で検索すると出てきませんでしたが「企業年金等の健全な育成に必要な経費」に関わる経費は以下のように支出されていることもわかりますね。
かなり多くの企業が関わっていますね。
しかし、ちょっと疑問が生じてきます。これだけ委託ばかりだと国民年金基金連合会ってなにやっているの??ってことです。
まとめ
今回は「税金の無駄使いをチェック。政府がどんな事業にいくら、どこに払っているのか簡単にわかるようになった件。」と題してJUDGIT!で税金がどのようにつかわれているか簡単に見えるようになったことをご紹介しました。
今回は「個人型確定拠出年金」で調べて見ましたが検索キーワードを変えれば様々な事業が調べることができます。
例えば「東京オリンピック」とか「東日本大震災」などで検索すればそれらに関連する予算がどのように配分されて執行されているのか、またどの企業が実施しているのかをチェックできるのです。
まずは気になる事業からチェックしてみるとよいでしょう。
ちなみにこれ政府がやっているサイトではなくて下記の民間が運営しているサイトなんですよ。
- 政策シンクタンク 構想日本
- 日本大学文理学部情報科学科 尾上洋介研究室
- Visualizing.JP
- ジャーナリズムNGO ワセダクロニクル
まずは使ってみましょう。
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