マネーフォワード9月29日上場
9月28日に東証マザーズに新規上場するマネーフォワードの財務分析をしてみたいと思います。
マネーフォワードが上場する9月29日は、壽屋が26日、ロードスターキャピタルが28日と連続し、
同じ29日は西本Wismettacホールディングス、テックポイントインクが上場するという資金が分散しそうなタイミングとなります。
また、北朝鮮問題やトランプ関連、安倍政権の忖度問題などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいますので注意が必要です。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
マネーフォワードのビジネスモデル
マネーフォワードの事業内容は自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の提供を行うPFM事業、法人・個人事業主向けのクラウド型サービス『MFクラウド会計・確定申告・請求書・給与・消込・マイナンバー』といった6つのバックオフィス向けMFクラウド事業等となっています。
主なサービスとしてはクラウド会計の「MFクラウド」、家計簿ソフトの「マネーフォワード」があります。
ちなみに私は両方課金ユーザーで重宝しています。
詳しくはこちらを御覧ください。
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マネーフォワードのビジネスモデル
マネーフォワードは2本柱の商品展開となっています。
1つは法人や個人事業主、会計事務所向けの「MFクラウド」これには会計ソフトや給料など派生するシリーズがいくつかあります。
もう一つが個人向けの会計簿ソフトである「マネーフォワード」です。
使うとよく分かるのですが双方とも自動取得というノウハウがありその点に強みがありそうです。
この点についてはライバルであるfreeeと裁判がありましたがそちらも勝訴し特に問題にはならなそうです。
家計簿ソフトの「マネーフォワード」は利用者500万人を突破し家計簿アプリのシェア25%でトップとなっています。
出所:マネーフォワード目論見書より
マネーフォワードの強み
マネーフォワードの大きな強みはすでにユーザーを確保していることでしょう。
こういうビジネスはスピードの経済とも言われますが速くビジネス展開を行いユーザーをたくさん確保したほうがどんどん有利となります。
現在会計ソフト分野ではfreeeにシェアで負けていますが、家計簿ソフトはトップとなっておりその点強いでしょう。
また会計ソフトのように対企業向けのサービスは上場しているということは大きなアドバンテージになる傾向にあります。
その点、freeeよりもはやく上場できたことはシェア争いの点でも大きいかもしれません。
マネーフォワードの収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度2.53%
28年度52.42%
と大きく上がっています。
売上げも4倍近くなっていますしなんとも言えませんが大きな成長段階にあるのはたしかでしょう。
売上原価に入っている項目の半分以上は開発者の人件費です。
そして人件費は固定費です。
売上げが増えても減っても同じくらいしか掛かりません。(人が増えればかかりますが)
そのため売上げが増えればどんどん利益率は改善していく傾向にあります。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度ー253.64%
28年度ー56.83%
となっています。
かなり大きなマイナスとなっています。
まだ売上規模が利益化できるには足りないということです。
ただし、課金型のストックビジネスなので売上は上がりやすいです。
どこに損益分岐点があるのかが注目点ですね。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度ー256.69%
28年度ー57.23%
こちらも売上高営業利益率と同様です。
大きなマイナスとなっていますね。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
27年度 +480.24%
28年度 +249.14%
売上げの伸びはすざましいです。
まだ設立5期が終わったところなのもありますが・・・
収益性まとめ
売上げがかなりの勢いで大きく伸びている。収益性はまだマイナスである。そのため損益分岐点を見極める必要があるだろう。
マネーフォワードのの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年426.8%
28年443.78%
とかなり高くなっています。
また殆どが現金及び預金で資金繰り面ではまったく問題ありません。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
27年77.0%
28年60.4%
と少し悪化しています。
しかし、かなり高い水準でまったく問題ありません。
キャッシュフロー
キャッシュフローは営業活動、投資活動ともマイナスです。
そして財務活動でプラス化しています。
つまり、借入と株式発行で回している状況です。
黎明期にあるベンチャーによくある体系ですね。
どのタイミングで営業活動でプラスにできるかがポイントとなるでしょう。
安全性まとめ
安全性はキャッシュ・フローの改善が必要です
また、今回の上場で得た資金得ることで安全性は改善します。
まずは利益が出る体質にすることが重要でしょうね。
マネーフォワードの株価
PER、PBR
PER、PBRは赤字なので見ても意味はありません・・・
そのため割安感とかはなんとも測れません。
既存株主
ロックアップは基本的に180日ときついしばりがあります。
しかし、ベンチャーキャピタルの持ち分もそれなりにありそちらは1.5倍ではずれまずのでそのあたりは考えておく必要があります。
また、ストックオプションをかなり広く浅くばらまいてるのは気になります。
とくに社員だけではく外部の税理士にも・・・
MFクラウドの提携先とかなんでしょうか・・・
社員はともかく税理士の方とかすぐに売ってきそうなイメージはありますので注意が必要でしょうね。
ちなみに知り合いの税理士も名前があってびっくり(笑)
まとめ
今回はマネーフォワードの財務を中心に分析してみました。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
また、マネーフォワードについてはユーザー目線でも語っていますのでこちらも御覧ください
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