菅総理の経済ブレーンの一人「アトキンソン」氏が成長戦略会議のメンバーになりました。
成長戦略会議とは経済の持続的な成長に向け、成長戦略の具体化を推進するための会議でここで決まったことは今後の経済政策に大きな影響を及ぼすでしょう。
「アトキンソン」氏の主張は個人的には賛同するところもあれば、どうなんだ・・・って思うところもありますが・・・
今後の日本経済はもちろん株式市場にも大きな影響がありそうな話になりそうですから、「アトキンソン」氏の主張はぜひ知っておきたいところですね。
アトキンソン氏とは
「アトキンソン」氏ってだれ?って方も多いかもしれません。
まずはどんな方なのかをみていきましょう。
「アトキンソン」氏は菅氏が内閣官房長時代から様々な提言を行ってきたようです。
金融会社から文化財の修復企業の社長に
デビット・アトキンソン氏はイギリス出身で元々アンダーセンコンサルティング、ソロモン・ブラザーズ、ゴールドサックスマンなど名だたる金融系会社を歴任したあと、日本の国宝や重要文化財の修復をしている小西美術工藝社社長に就任しています。(別荘の隣の家が小西美術工藝社の社長宅だったことがきっかけとか)
高齢・高給職人に対する賃金カットや若年職人に対する正規雇用化などユニークな方法で経営を立て直します。
その後、文化財政策・観光政策・経済政策に関する提言を行うようになり、今回成長戦略会議のメンバーになったのです。
アトキンソン氏の主張
アトキンソン氏の主張を具体的に見ていきましょう。
生産性向上が最も重要
アトキンソン氏の主張は簡単に言えば企業の生産性向上が最も重要なことというものです。
日本は世界的に見ても企業の生産性は低いことは昔から指摘されてますからね。
さらに少子高齢化時代ですからこの主張は私も賛成できます。
ただし、その手段が個人的には論理の飛躍にしか感じられないんですよ・・・
ちなみに成長戦略会議はまだ議事録とかはでていませんが、配布資料は公開されています。
アトキンソン氏が提出した資料は以下のもので生産性向上が最も重要視しているのがわかりますね。
出典:内閣官房「成長戦略会議(第1回) 配布資料より
中小企業の淘汰・統合
まず、アトキンソン氏の主張で最も有名なのが中小企業批判です。
日本の生産性が低いのは中小企業のせいで、生産性が低い中小企業は淘汰・統合しなさいというのです。
全企業をそのまま守るよりは、変革をして成長する企業を中心に応援するべきとしています。
この点については私も賛成できます。
具体的な方法として上記の成長戦略会議アトキンソン氏が出した配布資料にも中小企業の定義拡大(全業種500人、1億円規制廃止)、M&Aの促進という文言がありますね。
中小企業の定義拡大することのメリットなどは実際の会議の議事録が出てこないとわかりませんが・・・
今回の成長戦略会議でもアトキンソン氏はその根拠資料として大企業と比較して中堅企業、小規模企業の生産性が圧倒的に低いという資料を提出していますね。
出典:内閣官房「成長戦略会議(第2回) 配布資料」より
最低賃金を上げろ
また、もう一つアトキンソン氏が主張するのが最低賃金を上げることです。
最低賃金を上げたら、経営者はそれを払うだけの努力をするようになり、生産性が自然と上がってくるはずだと・・・・
逆にそれができない企業は淘汰されるはずだと前述の中小企業の淘汰に繋がっている話となります。
実際にアトキンソン氏は自分の会社でも若年職人に対する正規雇用化を実現しています。
ただし、「アトキンソン」氏の会社である小西美術工藝社の昨年出ていた求人の履歴を調べてみると年収例で350万円/30歳とそこまで高くないという・・・
逆に高齢・高給職人に対する賃金カットを実施しています。
日本式の年功序列ではなく、アメリカ式の仕事に給料が紐づく形式が目指すところなのでしょうね。
私の意見としては・・・
この点について私はなんだかな。。。って思っています。
私の個人的には意見としてですが、最低賃金を上げたからといっても生産性が向上するとは思えません。
たしかにそれにより中小企業の淘汰は進みますので間接的に中小企業の平均的な生産性はあがるのでしょうが・・・
それよりも解雇を自由にできるような解雇法制を整備すべきだと思いますけどね・・・
年功序列で使えない給料の高い社員がたくさんいることが生産性向上の妨げになっていると思っています。
おもてなしなんて優先度低いぜ
また、興味深い主張として東京オリンピックの時に話題となった「おもてなし」なんて観光客からみたら優先度低いぜ。
それが生産性下げてる原因だと指摘してます。
主張もわからなくはないですが、「おもてなし」があることで価格に反映することができそれにより生産性を向上させている効果もあるとおもうんですけどね・・・
他の成長戦略会議メンバーの主張も知っておこう
今回は「アトキンソン」氏の主張のみをみてきましたが、他のメンバーの主張も同様に知っておきたいところです。
成長戦略会議メンバーは以下のとおりです。
- 議長 加藤勝信 内閣官房長官
- 副議長 西村康稔 経済再生担当大臣
- 副議長 梶山弘志 経済産業大臣
- 有識者 金丸恭文 フューチャー会長兼社長
- 有識者 国部毅 三井住友フィナンシャルグループ会長
- 有識者 桜田謙悟 SOMPOホールディングス社長
- 有識者 竹中平蔵 慶応義塾大学名誉教授
- 有識者 デービット・アトキンソン 小西美術工藝社社長
- 有識者 南場智子 ディー・エヌ・エー会長
- 有識者 三浦瑠麗 株式会社山猫総合研究所代表
- 有識者 三村明夫 日本商工会議所会頭
毎度おなじみの竹中平蔵氏や意外なところでは三浦瑠麗氏なんかもメンバーに入っていますね。
竹中平蔵氏、三浦瑠麗氏、南場智子氏あたりはたくさん本を執筆されていますのでそれらを読めば主張もわかると思いますよ。
竹中平蔵氏著書
三浦瑠麗氏著書
南場智子氏著書
まとめ
今回は「菅総理ブレーン「アトキンソン」が成長戦略会議入りで中小企業淘汰?。株式市場にも影響がありそうな主張を知っておこう」と題してアトキンソン氏の主張について見てきました。
おそらく成長戦略会議で決まったことの多くは実際に実行されるでしょうから「アトキンソン」氏をはじめ各メンバーの主張は知っておきたいところです。
これにより株式市場にも大きな影響があるでしょう。
実行される政策に合致する会社の株は大きく上がるでしょうし、逆は大きく下がるでしょうからね。
「アトキンソン」氏の詳しい主張はこちらの本がわかりやすいと思います。
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