【カチタス】新規上場株式(IPO)財務分析

12月12日に東証1部に新規上場するカチタスの財務分析をしてみたいと思います。

カチタスが12月12日上場

カチタスが上場する週は一家プロジェクト、カチタス、ヴィスコ、SGホールディングス、グローバルリンクマネジメント、エルティエス、アルヒ、イオレ、HANATOURJAPAN、と9社上場します。

カチタスも規模がかなり大きめですがSGホールディングス(佐川急便)などは今年最大の上場となります。

そのため資金が分散する可能性があります。

また、カチタスは新規上場といってももともと「やすらぎ」という名前で名古屋証券取引所のセントレックスに上場していた会社です。

上場廃止後に名前を変更しカチタスとしています。

なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。

カチタスのビジネスモデル

カチタスの事業内容は戸建の空き家を中心に買取り、リフォームにより再生して販売する中古住宅再生事業となっています。

それでは詳しく見ていきましょう。

カチタスの具体的なビジネス内容

カチタスはリフォーム済みの中古再生住宅を主なビジネスとしています。

家に価値タス→カチタスという会社名からもわかりますね(笑)

時流にあっているのか物件仕入ルートの確保、知名度の工場による買い取り仕入れ件数が大きく伸びています。

カチタスビジネスモデル

出所;カチタス目論見書より


カチタスの収益性


売上高総利益率

次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。

売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。

27年度25.75%

28年度21.20%

と大きく下げています。

これは株式会社リプライスを完全子会社化したことによる影響が大きそうです。

売上げもかなり大きくなっていますしね。

そのため単純に比較することはできません。

売上高営業利益率

次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。

27年度9.66%

28年度8.11%

こちらも大きく下げています。

これはそれなりに高い水準にありますので問題無いでしょう。

上場前は販売費及び一般管理費は大きくなりがちですがそれがおさえられた感じはあります。

売上高経常利益率

次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。

27年度8.49%

28年度7.77%

こちらも微減です。

こちらも水準としては高めで問題ありません。

むしろ業界の中では高い水準となっています。

売上伸び率

売上げの伸びはこんな感じです。

27年度+1.80%(単独)

28年度+57.17%(連結)

と直近で大きく伸びています。

これは28年度から株式会社リプライスを完全子会社化したことによる影響が大きいです。

収益性まとめ

合併により大きく売上、利益を伸ばした、収益性は合併により低下傾向

カチタスの安全性


流動比率

次に短期的な支払能力をみる流動比率です。

27年357.75%

28年500.87%

とこちらも大きく増加して推移しています。

流動比率の目安は100%ですから全く問題ありませんしむしろかなり良さげです。

ただし、そのうちのかなりの割合が販売用不動産や仕掛販売用不動産となっていますので数字よりはよくないのが実際です。

棚卸資産を省いた当座比率でみると普通レベルです。

自己資本比率

総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?

27年29.9%

28年36.9%

と大きく伸びています。

もともと悪くはないですから自己資本の面ですしこの面は問題ないでしょう。

キャッシュフロー

キャッシュフローは27年度は

営業活動がプラス

投資活動がマイナス

財務活動がプラス

28年度は

営業活動がプラス(少しだけ)

投資活動がプラス

財務活動がマイナス

となっています。

フリーキャッシュフローは27年がマイナス、28年がプラスです。

資金面がどうしてもたくさんいる業種ですからある程度お金に余裕がほしいところです。

当面問題なるになることは少なそうな感じはありますが・・・

安全性まとめ

ちょっと気になる点はありますが資金面で問題になることそんなになさそう。

カチタスの株価


PER、PBR

PER、PBRをみると割安感はそんなにありません。

株価的には美味しさはそんなになさそうな感はあります。

既存株主

全数が売出しのベンチャーキャピュタルの出口案件です。

そのため人気はでなさそう。

また、筆頭株主にニトリがいるのがおもしろいところです。

ロックアップはきつめの180日となっています。

ストックオプションもそれなりにありますのでこのあたりがどう動くかで上場後の株価に大きな影響がありそうですね。

株数も多いため初値はそれほど期待できないかもしれません。

まとめ


今回はカチタスの財務を中心に分析してみました。

そもそもの規模が大きめ、再上場、全数ベンチャーキャピュタルの売出しとあまり上がる感じはなさそうですね・・・

次回は初値予想をしてみたいと思います。

また、IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。

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