【エル・ティー・エス】新規上場株式(IPO)財務分析

12月14日に東証マザーズに新規上場するエル・ティー・エスの財務分析をしてみたいと思います。

エル・ティー・エスが12月14日上場

エル・ティー・エスが上場する週は一家プロジェクト、カチタス、ヴィスコ、SGホールディングス、グローバルリンクマネジメント、エルティエス、アルヒ、イオレ、HANATOURJAPAN、マツオカコーポレーションと他に9社上場します。

エル・ティー・エス自体はそこまで規模はおおきくありませんが、同じ週に上場するSGホールディングス(佐川急便)などは今年最大の上場となります。他にカチタスやアルヒなどはかなり大きめです。

そのため資金が分散する可能性があります。

なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。

エル・ティー・エスのビジネスモデル


エル・ティー・エスの事業内容はRPA・AI・ビジネスプロセス可視化等を活用し、企業変革と働き方改革を推進するプロフェッショナルサービスの提供及び企業のIT人材不足を解消するマッチングプラットフォーム「アサインナビ」の提供となっています。

それでは詳しく見ていきましょう。

エル・ティー・エスの経営理念

エル・ティー・エスの経営理念をみていきましょう

経営理念

お客様の成長に貢献する

個人の創造性と個性を尊重する

誠実に徹する

ミッション

人の持っている可能性を信じ、

その可能性を十分に発揮できるように支援することで

自由で活き活きとした人間社会を実現する

ビジョン

日本初、正解に通用する

プロフェッショナルサービス会社として

100年以上輝き続ける

バリュー

学びまくる

言ったことはやる

考え抜く、思い尽くす

まずやってみる

驚かせる

エル・ティー・エスのビジネスの内容

エル・ティー・エスは働き方改革の会社と言えるでしょう。

外部のリソース活用及びデジタルトランスフォーメーションによる事業構造の進化、テクノロジー活用に寄る生産性向上の重要性が増す中でプロフェッショナル事業とプラットフォーム事業を展開しています。

今後はIT領域を上手く絡めて事業拡大を図っていくとのこと。

エル・ティー・エスビジネスモデル

出所;エル・ティー・エス目論見書より

プロフェッショナル事業

ビジネス・プロセスマネジメント、コンサルティング、デジタル活用サービスの3つを顧客企業の課題やテーマに応じて組み合わせて提供

プラットフォーム事業

課題を抱える企業と解決手段を持つ企業・人材を結びつけるITをビジネスプラットフォームサービス「アサインナビ」を提供しています。



エル・ティー・エスの収益性


売上高総利益率

次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。

売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。

28年度40.20%

29年度39.28%

と少し下げていますね。

もともとかなり高い水準ですから問題はないと思われます。

売上高営業利益率

次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。

28年度5.45%

29年度0.62%

こちらは大きく下げています。

上場前は販売費及び一般管理費が上場費用などで嵩む傾向にありますのでその影響が大きそうな感じです。

売上高経常利益率

次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。

28年度5.33%

29年度0.55%

こちらも大きく下げています。

この下げが一時的なのか今後も続くのかで判断が分かれそうな感じです。

売上伸び率

売上げの伸びはこんな感じです。

28年度+26.60%(単独)

29年度+4.16%(連結)

と推移しています。

一応増収は続けていますが直近の伸びがいまいちなのはちょっと気になりますね。

収益性まとめ

売上の伸びが直近で止まり気味、利益も直近で大きく下げおり気になる所

エル・ティー・エスの安全性


流動比率

次に短期的な支払能力をみる流動比率です。

28年度242.43%

29年度260.66%

とこちらは少し良くなっています。

流動比率の目安は100%ですから全く問題ありません。

資金面で問題のある企業ではなさそう。

自己資本比率

総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?

28年度61.4%

29年度54.7%

と大きく下げています。

しかし、もともとかなり高い水準であり自己資本比率はなんら問題ありません。

キャッシュフロー

キャッシュフローは28年度は

営業活動がプラス

投資活動がマイナス

財務活動がマイナス

でトータルマイナス

29年度は

営業活動がマイナス

投資活動がプラス

財務活動がマイナス

でトータルマイナス

となっています。

フリーキャッシュフローは28年度、28年度ともマイナス

キャッシュフロー計算上で資金面ではちょっと気になる点が多いです。

28年度の流れを簡単にいえば本業でお金が足りず、定期預金の払い戻しなどで資金を得たがそれでも足りず借入などでなんとかまとめた・・・といった感じです。

あまり良い状況とはいえませんね。

営業キャッシュフローがマイナスの時点で個人的には投資しないかな。

キャッシュフロー計算書の読み方はこちらからどうぞ

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安全性まとめ

キャッシュフロー計算書でちょっと気になる点があります。

エル・ティー・エスの株価


PER、PBR

PER、PBRをみるとそれなりです。

クラウド系や働き方改革関連ってことを考えればぜんぜんありな水準です。

既存株主

既存株主にはベンチャーキャピュタルの保有はありますがロックアップがあります。

ただし1.5倍でハズレますのでそれを超えるようなら要注意です。

ストックオプションもそれなりの枚数があります。

小型で初値はそれなりに期待できそうですがその後の株価はちょっと怖いところもあり。

まとめ


今回はエル・ティー・エスの財務を中心に分析してみました。

株価的にそれなりに割安で業種的にも注目されそうな小型株。

初値はそれなりに期待できそうですが

ちょっと気になる点もあり私は抽選外れたらパスかな・・・

次回は初値予想をしてみたいと思います。

また、IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。

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