マネックス証券が2021年6月上旬(予定)より、米国株取引において、定期買付サービス(配当金再投資・毎月買付)の取扱いを開始すると発表しました。
特に配当金再投資に興味をひく方も多いと思われます。
ただし、この配当金再投資サービスはアメリカのDRIP制度ではありません。
今回はマネックス証券の配当金再投資サービスとアメリカのDRIP制度の違いについて解説していきます。
早く日本のネット証券大手でDRIP制度が使えるようになると良いのですが・・・
マネックス証券の配当金再投資サービスとは
それではまず、2021年6月上旬(予定)より開始される配当金再投資サービスから解説しておきましょう。
配当金再投資サービス概要
「配当金再投資サービス」は、お客様がご指定した保有銘柄で配当金が支払われた場合、配当金の金額を上限に、同銘柄の買付注文を発注するサービスです。配当金はいったんお預り金に入金された後、配当金額を上限にお預り金を使用して注文を生成いたします。
また、オプションの機能を利用いただきますと、配当金額だけでは買付株数に端数が出る場合、整数部分に不足する金額をお預り金から自動で充当して発注を行います。たとえば、配当金額が1株の買付金額に満たない場合、お預り金を充当して1株の発注を行います。
本サービスをご利用いただくことにより、配当金を自動で再投資することが可能となります。出典:マネックス証券 米国株定期買付サービス(配当金再投資・毎月買付)開始予定のお知らせより
つまり、サービスの名前の通り出た配当金で株に再投資をするサービスです。
配当金だけでは足りない場合には預かり資産から充当もしてくれるということですから、同時期に開始される毎月買付と合わせれば米国株式投資の自動化が可能となるというわけです。
これはかなり魅力的なサービスとなりそうですね。
配当金再投資サービスの取引ルール
なお、以下の配当金再投資サービスは以下の取引ルールとなっています。
NISA(非課税口座)、課税口座どちらでも利用可能
配当金再投資サービスはNISA(非課税口座)だけでなく課税口座(特定、一般)でも利用可能とのことです。
未保有の銘柄でも設定可能
設定時点で保有されていない銘柄でも、配当金再投資の設定は可能とのこと。
まだ購入しておらずこれから買う予定の銘柄でも設定ができるんですね。
ただし、設定以降未保有の状態で6回以上配当金が出て注文が生成されないこととなった場合、設定は無効となるとのことですからお気をつけください。
預り金を追加可能
配当金の金額によっては1株の購入金額に届かないケースがあります。
その場合オプション機能を使うと外国株取引口座のお預り金を自動で充当し、1株未満の株数を切りあげて購入することが可能とのこと。
こちらも便利な機能ですね。
アメリカ株は日本と違って1株単位ですから配当金の再投資がやりやすいですが、この仕組によってさらに利用のハードルが低くなっています。
手数料が必要
また、配当金再投資サービスでの取引は所定の買付手数料が必要とのこと。
具体的な金額は明記されていませんので、おそらく通常のマネックス証券の米国株買付手数料と同様なのでしょう。
ちなみにマネックス証券の米国株の買付手数料は以下のとおりです。
1取引あたり約定代金の0.45%(税込:0.495%)、最低手数料0米ドル、最大20米ドル(税込22米ドル)
具体的にはこんな感じで計算されます。
- [約定代金] = [約定単価]×[約定株数]
- [国内取引手数料(税込)] = [約定代金]×[国内取引手数料率(0.495%)(税込)]
- [国内取引手数料(税抜)] = [国内取引手数料(税込)]÷(1+0.1) <小数点第3位を四捨五入>
- [国内取引手数料(消費税)] = [国内取引手数料(税込)]÷(1+0.1)×0.1 <小数点第3位を切り捨て>
米国株のDRIP制度とは
次にアメリカ株のDRIP(Dividend Reinvestment Plan)制度について解説してきましょう。
ちなみに今回のマネックス証券の配当金投資サービスは以下のとおり、DRIP制度ではないことが明記されています。
「配当金再投資サービス」は、米国のDRIP(Dividend Reinvestment Plan)制度には該当いたしません。
出典:マネックス証券 米国株定期買付サービス(配当金再投資・毎月買付)開始予定のお知らせより
おそらくマネックス証券はこちらの制度を導入したかったのでしょうが、税金の兼ね合いもあるため金融庁や財務省の許可が得られなかったのかもしれませんね。
DRIP制度の概要
DRIP制度とは簡単に言えば保有株式の配当金をそのまま自動的に投資をする仕組みです。
保有株式の配当金を現金で受け取らず自動的に再投資する仕組み(Dividend Reinvestment Plan、DRIP)。米国の株式発行企業によって提供されている制度で、配当金は税引き後、そのまま株式の買い増しに充当される。一般的に単位株の購入に足りない分は端株で買い足され、買付(売買)手数料はかからない。なお、日本では本制度は導入されていない。
出典 野村證券 証券用語解説集より
ここまではマネックス証券の配当金投資サービスと同じですね。
違いはここから。
まず、買付手数料は掛かりません。
手数料の存在は塵も積もれば山となるではないですが、1回で考えればそこまでではないですが、長い期間を考えると大きいですね。
また、もう一つの特徴が配当金が発生した時点では課税されないのです。
株式市場では配当金を受け取る際に20.315%(日本の場合。アメリカは10%)源泉徴収されて入金されます。
それが引かれませんのでその金額分運用に回せるのです。
ただし、配当金は所得としてはカウントされますので税務申告時に納税する必要があります。
つまり、配当金が入ってから納税時まで税金の繰り延べ効果が得られるのです。
マネックス証券の配当金投資サービスとの差は税金の繰り延べと手数料
つまり、マネックス証券の配当金投資サービスとDRIP制度の差は税金の繰り延べができることと、買付手数料の有無ということです。
おそらくマネックス証券もここまでやるならDRIP制度を入れたかったのでしょうが、税金の繰り延べ関連の話があるため実現できなったのかもしれません。
要望は多いようですし、今後に期待したいところですが。。。
日本でDRIPを使える証券会社
ちなみに日本でもDRIP制度が使える証券会社は存在しています。
サクソバンク証券です。
ただし、サクソバンク証券は特定口座が使えず不便な部分もありますし、過去にやらかしもありますのであまりおすすめできないのが現状です。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「マネックス証券で配当金再投資サービスが始まる。DRIPとの違いを解説」と題してマネックス証券で配当金再投資サービスとDRIP制度の違いを見てきました。
買付手数料の部分と税金の繰り延べの部分が違うということですね。
それでもマネックス証券で配当金再投資サービスは魅力的なサービスかと思います。
かなりのマネックス証券のストロングポイントになりそうな予感
SBI証券や楽天証券が対抗してくるのか見ものですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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