MENU

社債を買うと楽天モバイルが1年無料!?楽天グループ株式会社 第25回無担保社債とは?

当ページのリンクには広告が含まれている場合がございます。
社債を買うと楽天モバイルが1年無料!?楽天グループ株式会社 第25回無担保社債とは?

2025年7月24日から募集が始まる「楽天グループ株式会社 第25回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」は、年2.0%〜2.6%(仮条件)という水準や、楽天モバイルeSIM 1年間無料といった特典で注目を集めています。

本記事では、そもそも社債とは何かから、今回の第25回無担保社債の概要、利回りの見方、過去発行債との比較、取扱証券会社、そして“社債間限定同順位特約”という聞き慣れない用語まで、個人投資家が押さえておきたいポイントを網羅的に解説します。

目次

社債とは?基礎からおさらい

社債は、企業が資金調達のために投資家からお金を借りる際に発行する有価証券です。

投資家は企業に資金を貸し付ける代わりに、契約で定められた利息(クーポン)を定期的に受け取り、満期(償還日)に元本が返ってきます。

株式と異なり議決権はありませんが、破綻時には株主より優先して弁済を受けられる“債権者”の立場です。

個人投資家目線の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 定期的な利息収入が得やすく、利率が事前に決まっている(固定利付の場合)
  • 満期まで保有すれば価格変動リスクをある程度抑えられる
  • 株式より優先順位が高く、倒産時の回収期待が相対的に高い

デメリット / リスク

  • 発行体の信用力が低下・破綻すれば元本毀損リスクがある(信用リスク)
  • 市場金利が上昇すると途中売却時に価格が下落する(金利リスク)
  • 流通市場での売買が難しい(個人向け募集債は特に)

今回の「楽天グループ株式会社 第25回無担保社債」は、無担保社債です。

担保がない分、発行体の信用力を丁寧に確認することが重要になります。

楽天グループ株式会社 第25回無担保社債の概要

ここからは公開されている募集要項(2025年7月時点。最終的な利率等は条件決定後に必ず目論見書で確認)を整理してみましょう。

項目内容(予定・仮条件を含む)
正式名称楽天グループ株式会社 第25回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
発行額1,300億円(個人投資家向け部分)
期間(満期)3年(2025年8月4日発行 / 2028年8月4日償還)
利率(年率)仮条件:年2.0%〜2.6%(2025年7月23日決定予定)
利払日毎年2月4日・8月4日(年2回、初回2026年2月4日)
発行価格額面100円につき100円(パー発行)
申込単位100万円以上、100万円単位
格付A−(JCR)取得予定
募集期間2025年7月24日〜2025年8月1日(証券会社により時間帯あり)
受渡日2025年8月4日
特典楽天モバイルeSIM 1年間無料(内容詳細は後日案内)
主幹事・取り扱い大和証券など(後述)
特約社債間限定同順位特約付

上記の表の通り、期間3年の短中期債で、個人投資家が利回りを確保しつつ金利上昇リスクを抑えたい場面で検討しやすい設計です。

発行価格が100円(パー)であるため、満期まで保有すれば利率=表面利回り=最終利回りとなり計算がシンプルです。

特典:楽天モバイルeSIM 1年間無料

個人向け販売分を購入した投資家には、楽天モバイルのeSIMを1年間無料利用できる特典が予定されています。

通信費削減分を“実質利回り上乗せ”と捉える投資家もいるでしょう。

特典をもらうための適用条件や手続きがあり、後日案内される詳細を必ず確認してください。

ちなみに楽天グループは株主優待にも同じ特典をつけていますね。

投資格付(A−:JCR)

今回の「楽天グループ株式会社 第25回無担保社債」には、日本格付研究所(JCR)によるA−(取得予定)の格付が付与される見込みです。

一般にA格は「投資適格(Investment Grade)」とされ、債務履行能力は十分と評価される一方、上位(AAやAAA)と比べると経営環境の変化に対する感応度がやや高いレンジです。

楽天グループはモバイル事業への大型投資に伴い、過去数年は減益や財務負担の増加が注目されてきました。

一方で利用者数拡大やARPU改善等により損益の改善が報じられており、資本市場での調達を組み合わせながら財務バランスの再構築を進めています。

格付A−は「一定のリスクはあるが、現時点で利払い能力は確保されている」と市場が見ているシグナルといえるでしょう。

以下のような視点で継続的にモニタリングすることをおすすめします。

  • モバイル事業の損益改善ペース(営業赤字縮小 / 黒字化タイミング)
  • 海外発行債券・既存社債の償還スケジュールと資金繰り
  • 金利環境(国内外金利低下が続くか/上昇に転じるか)
  • 格付機関による見直し(格下げがあれば価格下落リスク)

利回りの見方と税引後のイメージ

仮条件の利率は年2.0%〜2.6%です。最終利率は2025年7月23日に決定されます。

日本の上場株式等と同様に、利息には20.315%(所得税+復興特別所得税+住民税)が源泉徴収されるため、税引後利回りは概ね以下のイメージになります。

  • 年2.0%の場合:税引後約1.59%
  • 年2.6%の場合:税引後約2.07%

(計算式:2.0%×(1−0.20315) ≒1.59% など)

3年間満期まで保有し、発行価格100円で償還される前提では、価格変動リスクを気にせずインカムを受け取れます。

途中売却する場合は、その時点の金利水準や楽天グループの信用スプレッドの変化により、売却損益が発生する点に注意してください。

他の投資商品との比較視点

同期間の個人向け国債(変動10年/固定3年)の利率や、定期預金金利と比較すると、仮条件上限2.6%は相対的に高い水準です。

ただし「高い利回りには相応のリスクがある」という基本原則を忘れず、ポートフォリオ全体での分散を心掛けましょう。

“社債間限定同順位特約”とは何か?

正式名称に含まれる「社債間限定同順位特約」は、発行体が発行する複数の無担保社債の間で、元利金や償還金の受取り順位に不利が生じないよう保護するための条項です。

無担保社債はもともと担保がないため、仮にこの社債発行後に発行体が「担保付き社債」を発行すると、新たな担保付き社債の方が優先され、先に買った投資家が不利になる恐れがあります。そこで、

  • 他の社債に担保を自由に設定しない、または
  • 担保を設定する場合は既存の無担保社債にも同等の担保を付ける

と約束することで、保有者の権利を守る仕組みです。

個人投資家にとっては「後出しで担保付き社債が優先される」リスクを軽減する安心材料と捉えられます。

ただし、あくまで“無担保”である点は変わらず、発行体全体の信用リスクを直接的に消すものではありません。

過去の楽天グループ社債との比較

楽天グループは過去にも個人向け募集債を発行しています。

代表的なものをいくつか挙げ、傾向を整理します。

回号(例)償還年期間表面利率(例)格付(例)コメント
第21回無担保社債2025年約5年年0.72%(当時)A格低金利環境下での低クーポン発行
第22回無担保社債2026〜2027年頃2年年3.30%A(JCR)モバイル投資拡大期でクーポン高め
第25回無担保社債(今回)2028年3年年2.0〜2.6%(仮条件)A−(JCR)発行額1,300億円、特典付き

近年の推移を見ると、金利環境や同社の信用力変化に応じてクーポンが動いていることがわかります。

第22回は一時的なリスク認識や金利水準から年3.30%とかなり高い利率でしたが、現在はA−への格下げと金利動向を反映しつつも、個人投資家の需要を見込み2%台前半のレンジに落ち着いている形です。

ただし、今回は楽天モバイルのeSIMを1年間無料利用がついています。

現時点で詳細は不明ですが、株主優待と同じ「音声+データ30GB/月のプラン」なら税込3,058円/月。

年間にすると36,696円分。

最低金額の100万円の購入だと約3.6%の利回りが上乗せになる計算となります。

楽天モバイルのeSIMがもらえるのは1年だけなので、満期の3年で均等に割っても1年当たり1.2%。

実質的な利回りは第22回と同等か、少し高くなる可能性があります。

取り扱い証券会社と購入方法

「楽天グループ株式会社 第25回無担保社債」は、主幹事の大和証券をはじめ、複数の主要証券会社で販売される予定です。

報じられている取扱先(個人向け販売分)は以下の通りです。

  • 楽天証券
  • 大和証券(主幹事)
  • みずほ証券
  • SMBC日興証券
  • 野村證券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

一方、SBI証券など楽天証券以外のネット証券では取り扱いがないとされています。

申込開始直後はアクセス集中・人気化で“完売”となる可能性があるため、口座がない証券会社で購入を検討する場合は、事前に口座開設と入金を済ませておくとスムーズです。

投資判断:どんな投資家に向いているか

「楽天グループ株式会社 第25回無担保社債」は以下のような投資ニーズにマッチしやすいと考えられます。

向いている投資家

  • 3年程度の運用期間で、預金より高いインカムを狙いたい
  • 株式比率が高く、ポートフォリオのボラティリティを抑えたい
  • 楽天モバイル特典を実質利回り向上要素として活用したい

留意すべき投資家

  • 100万円単位の集中投資がポートフォリオ全体で過大になる人
  • 発行体の信用力(モバイル事業の収益性)に不安がありリスク許容度が低い人
  • 将来の金利低下による価格上昇を狙う“トレード”目的(流動性が限定的)

他の債券・投資信託・株式と組み合わせ、資産配分の一部として過度に偏らない範囲で活用することが重要です。

まとめ

今回は「社債を買うと楽天モバイルが1年無料!?楽天グループ株式会社 第25回無担保社債とは?」と題して楽天グループ株式会社 第25回無担保社債についてみてきました。

仮条件2.0〜2.6%という利回り水準は現行金利環境下で一定の魅力があり、楽天モバイルeSIMの1年無料特典もユニークです。

一方でA−という格付は上位水準ではなく、モバイル事業の改善ペース次第では格付変動リスクが残ります。

投資判断にあたっては、必ず最新の目論見書・公式開示を確認し、自己責任で検討してください。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得を勧誘するものではありません。記載内容は執筆時点の公開情報に基づいており、将来変更される可能性があります。最終的な投資判断は読者ご自身で行ってください。

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
にほんブログ村
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次