最近の株式相場はかなり荒れていますね。今年の相場予想は10月に消費税増税も控えていることもあり、ほとんどの専門家やアナリストが厳しいことを言ってましたね。ちなみに昨年2018年の年初はほとんどの専門家が強気な発言をしていましたのでぜんぜんあてにはなりませんけどね(笑)
ちなみにニトリの会長(似鳥昭雄氏)は2018年の日経平均は年末に19,500円になっていると予想してました。ほぼ当たりでしたね。そのためネット記事などで絶賛されているのを見かけます。しかし、ニトリの会長は前年の2017年のニトリの会長の予想では17,000円(結果は22,764円)と予想して大外れでした。単にかなり悲観的なタイプというだけな気もします。
専門家やアナリストの予想はプロ野球の順位予想レベルで考えておくのがよいと思います。(つまり全然当たらない)誰とはいいませんが、中には基礎的な知識もないような評論家もいますしね・・・。
最近、株式投資を始めた方や個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAで投資を始めた方などは現在の暴落は経験をしたことないでしょうから信じられない状態かもしれません。そこで直近で一番大きな下落相場となったリーマンショックと今回の株式暴落を比較してみたいと思います。
消費税増税もリーマンショック級が来ない限り延期は無いといっていますから今回の暴落がリーマンショック級と判断されれば延期もありえるわけです。(予算が消費税増税を織り込んでいますので、これからの消費税増税の延期は現実的には難しいとの話もありますが・・・)
リーマンショックとは
先日テレビで大学生にリーマン・ショックって知ってる?と質問してその答えがサラリーマンが給料が下がってショックだった事と答えているのをみました。それくらい若い層にしたら他人事の出来事だったのかもしれませんね。リーマン・ショックで給料や賞与が下がった人もいるでしょうからある意味間違えてはいませんが(笑)
リーマンショックとは2008年9月15日にアメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」が経営破たんしたことがきっかけで株が大暴落をしたことをいいます。リーマンショックのリーマンはリーマンブラザーズからとっているのでサラリーマンとは関係がありません。
「サブプライムローン」という信用力の低い低所得者向けの高金利住宅ローンが大きな問題となりましたね。このサブプライムローンが債券化されいろいろな金融商品に組み込まれていたのです。それに多くの金融機関が手を出しました。
そもそも信用力の低い人に高金利で貸し出す、しかし、返せなければ家取られるよって仕組みでした。住宅の値段が上がっている時期は問題ないのですが、住宅バブルが崩壊したことでこの商品に無理が生じてしまうのです。そもそもの担保の価値が大きくさがってしまったためです。それによりサブプライムローンの債券は大きな損失を出すようになります。
リーマン・ブラザーズはこのサブプライムローン債券を大きく抱えていたことにより当時アメリカの歴史上最大の6000億ドルの負債を抱えて倒産することになります。さらに同じようにサブプライムローン債券を抱えていた金融機関が多かったこともあり、世界的な信用収縮により金融危機となってしまったのです。
日本はあまりサブプライムローンに手を出していた金融機関は少なかったのですが世界経済が冷え込んだことで株は暴落をすることになったのです。今でも米国の株が下がると日本の株はそれ以上に下がりますよね・・・。
リーマンショック前後の株の動き
それではリーマンショック前後の株の動きを見てみましょう。
リーマンショック前後のNYダウ
まずNYダウです。
NYダウ | |||
月終値(ドル) | 前月比(ドル) | % | |
2007年7月(参考) | 13,357.74 | – | – |
2008年8月 | 11,543.55 | 165.53 | 1.45 |
2008年9月 | 10,850.66 | -692.89 | -6.00 |
2008年10月 | 9,325.01 | -1,525.65 | -14.06 |
2008年11月 | 8,829.04 | -495.97 | -5.32 |
2008年12月 | 8,776.39 | -52.65 | -0.60 |
リーマンショックが実際に起こったのは2008年9月ですが、その前からサブプライムローンの問題が燻っていました。2007年7月にBNPパリバ社傘下のファンドの支払い停止報道があり、そのころからすでに懸念があり、株価が軟調気味でした。それがリーマン・ブラザーズ破綻でトリガーが引かれた感じですね。9月からみても年末までに25%近く下がっている計算となります。サブプライムローンの問題がでてくる2007年7月比較だと35%近く下がっていますね。
リーマンショック前後の日経平均
次は日経平均です。前述のように日本の金融機関はそれほどサブプライムローンを買っておらず直接の影響は少ないはずなのにこんなに下がっているんですね。
日経平均 | |||
月終値(円) | 前月比(円) | % | |
2007年7月(参考) | 16,569.09 | – | – |
2008年8月 | 13,072.87 | -303.94 | -2.27 |
2008年9月 | 11,259.86 | -1,525.65 | -14.06 |
2008年10月 | 8,576.98 | -2,682.88 | -23.83 |
2008年11月 | 8,512.27 | -64.71 | -0.75 |
2008年12月 | 8,859.56 | 237.29 | 4.07 |
実は日経平均はNYダウ以上に下がっているんですね。9月からみても年末までに35%近く下がっている計算となります。10月なんて23%の下げですからね。恐ろしい限りです。サブプライムローンの問題がでてくる2007年7月比較だと46%近く下がっています。
サブプライムローンに直接影響の少ない日本の株のほうがNYダウより下げたのは日経平均とNYダウの制度的な違いが大きいです。特に日経平均はかなり歪な指標であることが大きく影響しています。詳しくはこちらの記事を御覧ください。
日経平均が過去最高値を34年ぶりに更新しました。かなり長い間かかりましたね笑しかし、実際に株を買っている人からすると日経平均の上がり方と実際の自分のもっている株の上がり方、なんだか連動してない感じはありませんか?日経[…]
ちなみに日ベースでみるとこんな感じに大きく下げています。10月16日の11.4%下げは歴代一位の記録です。10月14日に14%上げた影響も大きいのでしょうが。
・10月8日 マイナス9.3%
・10月10日 マイナス9.6%
・10月16日 マイナス11.4%
・10月24日 マイナス9.6%
逆に大きく上げた日もあります。かなり乱高下しているのがわかりますね。現在の相場にこの辺りは近いところがありますね。
・10月14日 プラス14.1%
・10月30日 プラス9.6%
最近の暴落はリーマンショック級??
それでは現在の暴落はリーマンショック級なのかを考えてみたいと思います。
最近のNYダウの動き
まずNYダウです。
NYダウ | |||
月終値(ドル) | 前月比(ドル) | % | |
2018年9月 | 26,407.66 | 325.13 | 1.23 |
2018年10月 | 25,008.82 | -1,398.84 | -5.59 |
2018年11月 | 25,307.14 | 298.32 | 1.17 |
2018年12月 | 23,153.94 | 2,153.2 | -9.29 |
12月の暴落だけをみれば2008年9月の暴落を上回っていますね。今後次第ではリーマンショック級と言われてもおかしくない下げ幅となっています。
1月に入ってからも1月3日は-660.02の前日比-2.83%となったかと思えば1月4日は+746.94の前日比3.29%と乱高下していますね。
最近の日経平均の動き
次は日経平均です。
日経平均 | |||
月終値(円) | 前月比(円) | % | |
2018年9月 | 24,120.04 | 1,254.89 | 5.2 |
2018年10月 | 21,920.46 | -2,199.58 | -10.03 |
2018年11月 | 22,351.06 | 430.6 | 1.92 |
2018年12月 | 20,014.77 | -2,226.29 | -11.67 |
こちらも月単位でみるとリーマン・ショック時ほどではないですがかなりの下げとなっています。9月からみれば20%近くの下げですから半分近くまで下げたリーマン・ショックほどではありませんが、今後次第によってはリーマンショック級といってもおかしくはないですね。
1月に入ってからも1月4日は-452.81と-2.26%下げスタートとなっています。
まとめ
今回は「リーマンショックと現在の株価暴落を比較してみた」と題してリーマンショックと直近の株価の下げを比較してみました。すでにかなりの下げを記録しており、今後の動き次第ではリーマンショック級といってもよいかもしれません。
リーマンショックからの教訓
今回の株価暴落がリーマンショック級まで大きくなってしまうのかは現時点ではわかりません。仮に今回の暴落がそれほどたいしたことなく終わったとしてもリーマンショックのようなことはまた起こる可能性があります。それに備えてリーマンショックから教訓を得ておきたいものです。私が重要だと思う2つのポイントをまとめておきましょう。
相場は行き過ぎる
まずは相場は行き過ぎてしまうってことです。リーマンショックのような状態となれば冷静な判断をデキる人はかなり少なくなります。そのため相場もかなり派手に動きます。その行き過ぎする相場になるということを理解して動きたいですね。実際にリーマンショックの株価は今から見ればNYダウにしても日経平均にしても絶好の買い場となりました。
時間分散、投資先分散、資金分散が大事
もう一つは時間も投資先も資金も分散が大事であるってことです。どうしても集中してしまうとタイミングを間違えると大きな損失を被ってしまいます(もちろん逆になることもありますが)目先の相場を予想することは前述のように専門家でもアナリストでも現実的ではありません。それならば予想をするのではなく期待値の高い投資先に分散投資をする。さらに投資をするタイミングも分散する。これだけでよい投資法(インデックス投資)にするのが一番簡単ですね。これが自動的にできるのが個人型確定拠出年金(iDeCo)でありつみたてNISAですね。
ちなみにJPモルガンの超長期予想はこんな感じです。
2018年の相場は波乱な感じに終わりました。iDeCoやつみたてNISAをやっている方の大半はマイナスとなった2018年だったと思います。今後つみたて投資をするのに不安を感じてしまった方もいるかもしれませんね。それでは今後長い目で見[…]
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