9月28日に東証マザーズに新規上場しますロードスターキャピタルの財務分析をしてみたいと思います。
ロードスターキャピタルが上場する9月28日は、ニーズウェルが20日、PKSHATechnologyが22日、壽屋が26日と上場が連続し、その後29日に話題のマネーフォワード、西本Wismettacホールディングス、テックポイントインクと3つが上場する間となります。
北朝鮮問題やトランプ関連、安倍政権の忖度問題などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいますので注意が必要です。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
ロードスターキャピタルのビジネスモデル
ロードスターキャピタルの事業内容は中規模オフィスビル等への不動産自己投資、不動産賃貸、不動産特化型クラウドファンディングサービス等等となっています。
「OwnersBook」というクラウドファンディングサービスを展開しています。
不動産にクラウドファンディングを使うというビジネスは新しく話題性も高いです。
ビジネスモデル
ロードスターキャピタルのビジネスモデルはいわゆる不動産業と不動産クラウドファンディングサービスがあります。
不動産部分については東京23区内の数億円から30億円程度の中規模オフィスを主な対象としており、大手不動産投資家や個人投資家を顧客としています。
出所:ロードスターキャピタル目論見書より
不動産クラウドファンディングサービスについては1口一万円から不動産投資がはじめられることをウリとした資産運用サービスとなっています。
会員も右肩上がりで増えており楽しみなサービスとなっています。
2017年6月時点で実行済みの案件は55件となっています。
出所:ロードスターキャピタル目論見書より
ロードスターキャピタルの収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度32.95%
28年度25.32%
と大きく下がっています。
しかし、売上げも大きく伸びておりちょっと判断が難しいところではあります。
不動産業の場合には1件あたりの粗利益が大きいためその販売金額で大きくブレる傾向にあります。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度24.33%
28年度16.09%
となっています。
こちらも前年より大きく落としています。
ただし、この水準でも業界平均からするとかなり高めな傾向にはあります。
クラウドファンディング部分がありますので一概には比較できませんが・・
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度22.99%
28年度15.08%
こちらも売上高営業利益率と同様です。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
27年度 +295.23%
28年度 +55.68%
売上げの伸びはすざましいです。
まだ設立5期が終わったところなのもありますが・・・
収益性まとめ
売上げが大きく伸びている。収益性も落ちて入るものの悪くありません
ロードスターキャピタルのの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年1415.13%
28年2136.44%
とかなり高くなっています。
しかし、ここには販売用不動産が含まれていますので注意が必要です。
販売用不動産を抜いて考えると
27年288.34%
28年270.78%
とこれでもかなり高い水準にあり問題はありません。
むしろかなり資金繰り的に良好な状況と言えるでしょう。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
27年26.71%
28年15.62%
と少し悪化しています。
しかし、問題になるようなレベルではありません。
またこのあたりは上場することで改善しますので問題ないでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュフローは営業活動がマイナスとなっています。
27年は投資活動もマイナス、財務活動がプラスで全体がプラス
28年は投資活動がプラス、財務活動がプラスで全体がプラスとなっています。
フリーキャッシュフローは27年、28年ともにマイナスです。
ちょっと身の丈にあっていない無理した投資をしているのが気になります。
今のところ大きな問題になるような水準ではありませんがこのあたりを加味して経営していないのかな??って心配になるところです。
どうしても仕入れ(不動産)が必要になる業種なので致し方ない部分はありますがちょっと怖い点ではありますね。
安全性まとめ
安全性はそれなりに高めです。
また、今回の上場で得た資金得ることで安全性は改善します。
ただし、キャッシュフロー計算書をみると身の丈を超えた投資を行っているためちょっと心配になる点があります。
ロードスターキャピタルの株価
PER、PBR
PER、PBRはそれなりに割安です
不動産業とクラウドファンディング両方やっていますのでどちらを見るかにもよります。
不動産はどこの企業も比較的低PERとなります。
逆にクラウドファンディングのようなネット系はどこも高いPERとなります。
現在の急成長状況を考えるとおもしろい水準といえるかもしれませんね。
まとめ
今回はロードスターキャピタルの財務を中心に分析してみました。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
また、IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。
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