先日、第3次補正予算案が可決されました。(成立は28日予定)
報道ではGoToの是非などが取り上げられており、ぜんぜん目立ちませんが目玉は「事業再構築補助金」です。
なんと最大で1億円の補助が行われるのです。
今までの補助金とはちょっと桁が違う感じですね。
今回は事業再構築補助金について解説していきます。
※なお、今回ご紹介する事業再構築補助金の内容は経済産業省の令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要にある記載内容からとなります。実際に公募開始された際に多少変更が加えられている可能性もありますのでご容赦ください。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とはどんなものなのでしょう?
事業再構築補助金の目的は名前の通り、事業の再構築を促す(応援)することです。
具体的には
新型コロナウイルス感染症の影響が⻑期化し、当⾯の需要や売上の回復が期待し難い中、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するために中⼩企業等の事業再構築を⽀援する
出典:経済産業省 令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要より
とされています。
新型コロナで大きく変わることを余儀なくされる状況ですからそれを支援するということですね。
アトキンソン氏の主張が色濃く反映された補助金ですね。
事業再構築補助金の募集はいつから
この手の補助金は予算が成立してからまず事務局を公募します。
そこから準備をして募集開始となります。
ですから早くて1ヶ月くらい先からの募集開始が予想されます。
順調に行けば2月末〜3月頭くらいからの募集でしょうね。(あくまで私の予想です)
応募を検討されている方は事前準備をしておくとよいでしょう。(先着順ではないと思いますが)
ちなみにこの補助金の予算は1兆1,485億円というかなりの規模です。
応募状況によっては何度か募集が実施される可能性もあります。
事業再構築補助金の対象となる要件
事業再生補助金の要件は以下の通り。
①申請前の直近6カ⽉間のうち、任意の3カ⽉の合計売上⾼がコロナ以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少している中⼩企業等。
②⾃社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が⽰す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定⽀援機関等と策定した中⼩企業等。
出典:経済産業省 令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要より
大きく分けて2つの要件があります。
一つは売上が3ヶ月間10%以上減少しているということです。
この補助金の目的が事業の再構築を促すということですから、それが必要となる事業者が対象っていうことですね。
もう一つが事業再構築指針に沿った事業計画を策定する必要があるってことです。
最近の経済産業省系の補助金はほとんど事業計画の策定が必要となっていますが、今回はそれに「事業再構築指針」に沿ったという条件が付いています。
事業再構築指針とは
事業再構築指針の中身についてはまだ公開されていません。
おそらく事業再生補助金の公募要項が発表されるまでには提示されるとはおもいますが・・・
ちなみに「中堅企業・中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係省庁連絡会議」の資料で以下のような具体事例が提示されています。
これに沿った指針がでてくるのではないでしょうか?
事業再構築の具体事例
〇光学技術を用いてディスプレイなどを製造している事業者が、接触感染防止のため、 タッチレスパネルを開発。医療現場や、介護施設、公共空間の設備等向けにサービス を展開。
〇飲食店が、観光客の三密回避のため、来客データの収集と分析をし、来店予測、 混雑予報AIを開発。飲食店をはじめ様々な業種にサービスを展開。
かなり大きな変更を伴うものが想定されているようです。
補助金の金額もおおきいですしね。
認定支援機関と事業計画の策定が必要
また、今回の事業計画は認定支援機関と策定する必要があります。
認定支援機関とは中小企業が経営相談等をする相談先として、専門的知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定した機関のことで、公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士、銀行、商工会議所、商工会などが多く登録されています。
たいそうなもののようですが、該当する資格を持っていれば簡単な申請書類を出すだけでなれちゃうようなものなんですけどね・・・
ちなみに私も中小企業診断士の資格を持っていますので認定支援機関に登録しています(笑)
事業再構築補助金の補助金額、補助率
次に肝心の事業再構築補助金の補助金額についてみていきましょう。
補助金ですから事業再構築に掛かった経費の一部を補助してくれる形となります。
企業規模や取り組み内容によって4つのパターンがあります。
なお、中堅企業、中小企業の具体的な線引は法律等によって異なっていますので、公募要項に明記されると思われます。
中小企業(通常枠)
まずは中小企業の通常枠です。
こちらの補助金額、補助率は
中小企業(卒業枠)
次は中小企業卒業枠です。
簡単に言えばこの補助金を使って取り組みをすることで中小企業を卒業して中堅企業になる企業が対象となります。
具体的には計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本⾦⼜は従業員を増やし、中⼩企業から中堅企業へ成⻑する事業者とされています。
こちらの補助金額、補助率は
中堅企業(通常枠)
次は中堅企業の通常枠です。
こちらの補助金額、補助率は
中堅企業(グローバルV字回復枠)
最後は中堅企業のグローバルV字回復枠です。
対象となるのは以下の要件をすべて満たした企業となります。
①直前6カ⽉間のうち、任意の3カ⽉の合計売上⾼が、コロナ以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して、 15%以上減少している中堅企業。
②事業終了後3〜5年で、付加価値額⼜は従業員⼀⼈当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
③グローバル展開を果たす事業であること。
こちらの補助金額、補助率は
事業再構築補助金獲得のために今からできること。
事業再構築補助金はおそらく補助金の金額からしても申請に必要な書類はかなり多くなることが予想されます。
ですから補助金の申請はかなり大変となると思われます。
補助金の公募が始まってからではなかなかしんどい部分もあるでしょうから今から準備できることはやっておきましょう。
gBizIDプライムを取得してJグランツを利用できるようにしておこう
まず予め準備しておきたいことがgBizIDプライムを取得してJグランツを利用できるようにしておくことです。
2020年から「ものづくり補助金」など経済産業省系の多くの補助金が電子申請システムjGrants(Jグランツ)を利用するようになりました。
申請してから実際に使えるようになるのに2〜3週間近く掛かると言わています。(混雑していない時期なら1週間程度)
特に補助金の公募が始まると混雑が予想されますので事前に取得しておきましょう。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
支援してくれる認定支援機関を見つけておこう
前述したように事業再構築補助金の申請に必要な事業計画は認定支援機関と策定する必要があります。
自社だけではできないんですね。
ですからあらかじめ認定支援機関に話をつけておくとよいでしょう。
おそらく同じ時期に「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」なども募集を開始すると思われます。
認定支援機関に多くの事業者が集中して受けられないという可能性もありますので早めに話をしておくのがよいです。
補助金の締切日に認定支援機関を片っ端から当たっている事業者もみたことがあります。それではまず受けてくれる認定支援機関はないかと・・・
認定支援機関は以下のサイトで検索可能です。
経営革新計画などを申請しておこう
今回の事業再構築補助金が実際に加点対象となるかわかりませんが、
過去の補助金では「経営革新計画」、「事業継続力強化計画」、「経営力向上計画」などが加点対象されてきました。
この手の申請を予め取っておくこともプラスに繋がる可能性があります。
特に経営力向上計画は難易度も低いですからぜひやっておきましょう。
まとめ
今回は「最大1億円。事業再構築補助金が誕生。どんな補助金なのか分かりやすく解説」と題して事業再構築補助金についてみてきました。
事業再構築補助金は今回はじめて募集が開始されます。
初回の補助金は情報があまりないため応募も少なく採択されやすいなんて話もありますから条件に該当する方はぜひ検討してみてくださいね。
※多くの問い合わせを頂いておりますが、本サイトで補助金、助成金等の申請支援などはしておりません。問い合わせは経済産業省等へお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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