【歯愛メディカル】新規上場株式(IPO)財務分析。意外におもしろそう。

12月18日にジャスダックに新規上場する歯愛メディカルの財務分析をしてみたいと思います。

歯愛メディカルが12月18日上場

新規上場といってもプロマーケットからの転籍?です。

このあたりが株価にどう影響をあたえるのかは注目です。

森六ホールディングス上場する週はジーニー、歯愛メディカル、すららネット、森六ホールディングス、オプトラン、プレミアグループ、ミダック合計8社上場します。

その前の週もSGホールディングスやカチタス、アルヒなど大きいところを含めて10社新規上場とかなり集中しています。

そのため資金が分散する可能性がありますね。

なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。

歯愛メディカルのビジネスモデル


歯愛メディカルの医療関係者向け通信販売事業等となっています。

それでは詳しく見ていきましょう。

歯愛メディカルの経営理念

歯愛メディカルの経営理念を見ていきましょう。

経営理念

お客様視点に立った、商品開発と誠実なビジネスを行っていきます。
さらに、歯科の重要性を広くアピールして、マーケットの拡大を目指し、
仕入先、お客様、その先にいる患者さんに喜ばれる存在になります。

私たちは、「商品をいかにして販売するか」という販売側の目線ではなく、 「こんな商品がこんな価格であったらいいな」というお客様の目線に立ち、 喜ばれる商品を、喜ばれる価格でお客様に提供することを第一に考えています。

さらに、「最後は人と人との関係が重要である」との信念から、 ご購入いただくお客様はもちろん、お取引いただいている仕入業者様に対しても「お客様」という思いを持っています。 “利他の心”で確固とした信頼関係を築きながら、末長いお付き合いとお互いの発展成長を目指して努力して参ります。

歯愛メディカルのビジネスの内容

歯愛メディカルは歯科医院や歯科技工所を中心に、各種医療機関への通信販売等を主な業務としています。
歯愛メディカルビジネスモデル

出所;歯愛メディカル目論見書より



歯愛メディカルの収益性


売上高総利益率

次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。

売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。

27年度25.43%

28年度26.96%

と少し上げています。

それなりに高めの利益率ですね。

売上高営業利益率

次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。

27年度8.46%

28年度8.81%

こちらも少し上げています。

上場前は販売費及び一般管理費が上場費用などで嵩む傾向にありますがそれらを上手くおさえたかんじですね。

売上高経常利益率

次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。

27年度8.87%

28年度9.16%

こちらも少し上げています。

売上高営業利益率との差は補助金収入や投資有価証券償還益が大きいです。

売上伸び率

売上げの伸びはこんな感じです。

28年度+12.86%(連結)

と上げています。

急激な伸びではありませんが堅実に成長している感じですね。

収益性まとめ

売上の伸びは安定している、利益率もそれなりに高い

歯愛メディカルの安全性


流動比率

次に短期的な支払能力をみる流動比率です。

27年度459.61%

28年度427.54%

とこちらは少し悪くなっています。

しかし、流動比率の目安は100%ですから全く問題ありません。

というかかなり高い水準となっています。

ただし、ちょっと気になるのが流動資産の中の現金預金の割合があまり高くなく受取手形及び売掛金や商品及び製品の割合がかなり多いことが気になります。

不良債権がなければよいのですが・・・

自己資本比率

総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?

27年78.2%

28年78.1%

と少し下げています。

しかし、もともとかなり高い水準ですし自己資本はなんら問題ないでしょう。

キャッシュフロー

キャッシュフローは27年度、28年度とも

営業活動がプラス

投資活動がマイナス

財務活動がマイナス

フリーキャッシュフローは27年度、28年度ともプラスです。

キャッシュフロー計算書上は結構理想的な形となっています。

本業で稼いだお金を将来の投資に回してもプラス。

余ったお金を借入の返済等に充てて、それでも余裕。

こんな感じです。

キャッシュフロー計算書の簡単な見方はこちらからどうぞ。

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安全性まとめ

資金面はちょっと気になる点はあるものの問題ありません。

歯愛メディカルの株価


PER、PBR

PER、PBRをみると割安感はありません。

売上も伸びていますし、利益も高めです。

業種的にはそれほど人気となりそうもない業種ですしプロマーケットからの鞍替えという点がどう評価されるか・・・

既存株主

今回の上場は全数売出しという点は人気のない1つの原因化。

株主は清水社長とエアーウォーターという会社のみ。

あれ??東京プロマーケットに上場していたのに・・・ちょっとよくわかりません(笑)

もしかして東京プロマーケットで取引なかったのでしょうか・・・

東京プロマーケットの仕組みがよくわかりませんので判断できませんが。

既存株主のロックアップは180日となっています。

また、ストックオプションもありません。

上場後の株主からの売りは心配がないですね。

これ初値次第ではセカンダリが面白いかもしれません

まとめ


今回は歯愛メディカルの財務を中心に分析してみました。

株価的に割安感がありません。

プロマーケットからの鞍替えをどう評価されるか・・・

上場後の株主からのウリを心配しなくてもよいことから上場後が面白いかも。

次回は初値予想をしてみたいと思います。

また、IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。

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