携帯電話キャリア4社ともスマートフォン購入時に長期分割契約を結んで端末を返却したりすることで残りの支払いを面除してくれる「端末購入サポートプログラム」を実施しています。
車の購入時に各社が推奨している残価設定型ローンのようなイメージですね。
分割払いの支払いが免除できるというとなんか得な気もします。
しかし、これ実はあんまり得じゃないんですよ。(実はもともとはお得な部分もあったのですが総務省からの横やりもあったので。。。)
今回は端末購入サポートプログラムは罠かもしれないという話について見ていきましょう。
※なお、今回表示している金額は2021年9月24日現在のものです。
携帯電話キャリア4社が実施する端末購入サポートプログラム概要
まずは携帯電話キャリア4社の実施する端末購入サポートプログラムの概要から見ていきましょう。
具体的には下記の名称のサービスとなります。
- ドコモ:いつでもカエドキプログラム
- au:スマホトクするプログラム
- ソフトバンク:トクするサポート+
- 楽天モバイル:iPhoneアップグレードプログラム
名前は違いますが、各社とも似た仕組みですが微妙な違いもあります。
ドコモ:いつでもカエドキプログラムの概要
まずはドコモのいつでもカエドキプログラムです。
こちらは残価設定型24回の分割払いです。
具体的には以下の仕組みが基本です。
- 1回目~23回目までは支払総額から残価を差し引いた額について分割で支払い
- 24回目に残額を支払う
例えば総額105,500円の端末の場合、月の分割払いは2,500円となり、24回目に48,000円支払うことで端末が購入できます。
ここまでは良いのですが、ここからはかなりややこしい仕組みとなっています。
24回目に残額を支払うのは名目上ありますが、基本的に免除できるようになっているのです。
22ヶ月目までに返却
22ヶ月目までに返却すると24回目の支払いが免除。
さらに早く返すと23回目までの分割支払い金も割引されます。
23ヶ月目に返却
23ヶ月目までに返却すると24回目の支払いが免除されます。
23ヶ月目までに返却しない
23ヶ月目までに返却しない場合は支払期間(回数)を49か月(47回)に延長し、24回目(残価)の分割支払金をさらに24分割した金額を24回目以降の各回の分割支払金を支払うということができます。
下取り分を分割払いから引いた仕組み
かなりややこしいですが、予め2年後の下取り分相当を引いた金額で毎月支払う。
返却すれば残額は下取りしたと同様になり払わなくてもよい。
返却しない場合はさらに延長して支払っていくという流れですね。
ポイントは24回目の支払い(残額)がそのころの下取り相場と比べてどうかという点でしょうね。
iPhoneはリセールバリューが高く2年くらいではそれほど下取り安くならないんですよ。
au:スマホトクするプログラムの概要
次はauのスマホトクするプログラムです。
具体的には以下の流れです。
- 1回目~23回目までは支払総額から残価を差し引いた額について分割で支払い
- 24回目に残価を支払
こちらは13ヶ月から25ヶ月目までに端末を返却すれば24回目の支払いが免除となっています。
また、最終回支払い分を再度分割することも可能です。
ほとんどドコモの仕組みと同じですね。
ソフトバンク:トクするサポート+の概要
次はソフトバンクのトクするサポート+です。
こちらは多少ドコモやauと違った仕組みとなっています。
具体的には以下の流れです。
- 48回の分割契約
- 25回目以降に返却、新しい機種を購入すると24回分の支払いが免除
例えばiPhone 13 Pro Max(128GB)の場合の例だと総額157,680円
賦払金3,285円/月、支払回数48回
です。24回分の支払いが免除されれば78,840円でiPhone 13 Pro Max(128GB)が利用できたということになります。
ソフトバンクの場合は本体回収だけでなく新しい機種を購入するのが条件となっているのがポイントですね。
楽天モバイル:iPhoneアップグレードプログラム
最後は楽天モバイルのiPhoneアップグレードプログラムです。
こちらはソフトバンクと似た仕組みですね。
具体的には以下の流れです。
- 48回の分割契約
- 25回目以降に返却、新しい機種を購入すると24回分の支払いが免除
ソフトバンクと比べて、楽天モバイルは0円〜と料金も安いのにこの仕組みが使えるのはかなり魅力が高い点かもしれません。
楽天モバイルはeSIMも使えますので副回線にしやすいですしね。
端末購入サポートプログラムの罠
それでは各社の端末購入サポートプログラムにはどんな罠が潜んでいるのでしょう?
端末が割高で買わされる
まず知っておきたいのが楽天モバイル以外の3社はApple Storeなどで買う場合と比較してそもそもiPhoneなどの価格が高く設定されています。
そのため、この端末購入サポートプログラムを使うということははじめから割高に購入するということになってしまうのです。
楽天モバイルだけはApple Storと価格は一緒ですし、楽天ポイントが付きますので良心的なんですが・・・
販売元 | 価格 |
Apple Store | 13万4800円 |
ドコモ | 16万5528円 |
au | 15万6995円 |
ソフトバンク | 15万7680円 |
楽天モバイル | 13万4800円 |
ドコモに至ってははじめからApple Storeより3万円高い始末・・・
下取り価格(残債)が安く設定
また、実質下取り価格と言っても良い免除となる残債がかなり安く設定されていることも注目です。
販売元 | プログラム利用時の免除金額 |
ドコモ | 80,520円 |
au | 72,240円 |
ソフトバンク | 78,840円 |
楽天モバイル | 73,392円 |
上記が免除の基本金額です。
上記が2年後の下取り金額と比較してどうかということですね。
2年後の下取り価格がどうなっているのかはわかりませんが、参考として2年前に発売された同ランクの機種iPhone11 Pro256Gで考えて見ましょう。
iPhone11 Pro256GのApple Storeの下取り価格(Apple Trade In)は48,000円です。
前述のように元の金額が高く設定していることを勘案するとApple Storeと各社で同等レベルという感じですね。
例えばドコモなら30,728円元が高いので差し引くと49,792円です。
iPhone11 Pro256Gよりも元の値段が上がっていますのでトントンか、ドコモが少し安いといったところでしょう。
ちなみに同機種のメルカリでの相場は50,000〜90,000円くらいとなっています。
メルカリなどで自分で処分した場合と比較してかなり安い金額ということがわかりますね。
スマホ買取店も各社の残債よりは高く売れそうです。
つまり、各社の端末購入サポートプログラムはApple Storeの下取りレベルでの処分と同等となっており、自分で処分するより少し安く想定されているということですね。
適用条件が厳しい、手数料が掛かるなどの罠
- 電話機本体や液晶に破損や割れがある
- 電源が入らない
- 充電ができない
- 水濡れ反応がある など
上記の症状があると22,000円の支払いが必要となります。
さらに楽天モバイルだと返却位に3,300円の手数料が別途必要という罠も・・・
まとめ
今回は「スマートフォン購入時の端末購入サポートプログラムは罠?利用する前に知っておきたいこと」と題して各社の端末購入サポートプログラムについてみてきました。
一見お得にみえる各社の端末購入サポートプログラムですが、実はそこまでお得ではなく各社よく考えられて作られていることがわかりました。
AppleStoreか楽天モバイルで普通に買って乗り換え時等にメルカリで売るって買い方の方がお得になりそうです。
そもそもキャリアの利用自体が高い料金プランの利用となりますしおすすめしませんしね。
今回見てきたことをしっかり理解した上で使うのは止めませんが。。。
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