米国株は大きく下げて割安になったのか?

5月に入ってから米国株が大きく下げましたね。

本来の意味は違いますが、セルインメイとなりました。

かなり大きく下げましたのでそろそろ米国株は買い時?割安?と思っている方も多いかもしれません。

そこで今回は大きな米国株が割安になったのかを見てみましょう。

なお、You Tube版はこちらからご覧いただけます。

合わせて御覧ください。

米国株相場の割高、割安をチェックする

相場全体の割高、割安をチェックする指標はたくさんありますが、私が特に重要視している指標が2つあります。今回はその2つの指標でみてみましょう。

バフェット指数

まずひとつ目はバフェット指数です。世界的な投資家ウォーレン・バフェットの名をもった指数です。

株式市場の割高・割安をざっくりと判断できる指標です。

しかし、これ実際にウォーレン・バフェット氏の名前が付いていますが実際にこの指標を使っているのかどうかは不明だったりします(笑)

バフェット指数の計算方法

バフェット指数は簡単な指標で以下の計算式で求めることができます。

バフェット指数=株式時価総額÷名目GDP×100

株式時価総額とは

株式時価総額とは日本株で言えば東証一部、東証二部、東証マザーズ、JASDAQなど全部の上場企業の時価総額を合計したものになります。このデータは日経新聞のWEBページからエクセルファイルをダウンロードすることも可能です。

>>市場別株式時価総額

米国株の場合には「ウィルシャー5000(Wilshire Total Market)」という指標を使って計算する場合が一般的です。ウィルシャー5000とはニューヨーク証券取引所、ナスダック市場、アメリカン証券取引所で購入可能な全ての企業を対象とした株価指数です。ただし、米国に本社があることが条件となっていますのでADR等は含みません。

名目GDPとは

名目GDPは国内総生産のことです。ニュースなどで見聞きしたことあると思います。実質GDPという言葉もありますが、違いはインフレ率が考慮しているのか否かの違いです。バフェット指数で使う名目GDPはインフレ率を含みません。

こちらも日経新聞のWEBからみることができます。

>>名目GDP

バフェット指数の見方

バフェット指数は上記の通り自分で計算することも可能ですが簡単に見れる下記のようなサイトもありますのでそちらを利用すると便利です。

>>バフェット指数(日本版)チャート

>>バフェット指数(アメリカ版)チャート

バフェット指数は100が基準となります。100を超えていると割高となります。バフェット指数は2つの指標で何故計算するかを考えれば理屈はわかります。

株式時価総額は株式相場全体の大きさですから投資家の期待を表しています。逆に名目GDPは実際の経済の状況を表しています。つまり、株式時価総額÷名目GDPという計算で100%を超えるってことは期待が実際を超えているということになります。つまり過大評価、割高な状態を示すのです。

2022年6月9日時点

ちなみバフェット指数は昨年200近くを推移していたんですよ。

これは過去からみてもかなり異常な数字だったんですよ。

つまり、歴史的な割高水準だったということです。

コロナでの世界的な金融緩和が大きかったですね。

2022年6月9日時点では164.25です。

昨年と比較するとかなり低くなりましたが、基準の100よりはまだ高いんですよ。

つまり、まだ米国株は割高な水準にいるということです。

シラーPER(CAPERレシオ)

次はシラーPERです。CAPERレシオともいいます。こちらは長期の平均利益を用いて計算したPER(株価収益率)です。

こちらもバフェット指数と同様に株式市場の割高・割安をざっくり判断する指標として用いられています。

ちなみにシラーPERの生みの親はノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー氏です。

サブプライムローンのときに注目されたS&Pケース・シラー住宅価格指数の生みの親としても有名ですね。

シラーPERの計算方法

シラーPERも簡単な指標で以下の計算式で求めることができます。

シラーPER=株価÷過去10年間の1株あたり純利益の平均値(インフレ率で補正あり)

PERは株価を一株あたりの利益で計算をしますが、一株あたりの利益は年によって大きく変動する性質があります。これに対してシラーPERは過去10年間の1株あたり純利益の平均値を使うことで一時的な要因などを除外して純粋な割高・割安を見ることが可能です。

シラーPERの見方

シラーPERはちょっと計算がややこしいですが、下記のサイトで各国のデータを見ることができます。

>>Research Affiliates

シラーPERは25倍以上で割高と判断されます。平均値は16倍くらいです。

過去の大暴落「世界恐慌」、「ITバブルの崩壊」、「リーマンショック」のときはすべてシラーPERは25倍を超えていましたね。

2022年6月8日時点

ちなみシラーPERは2020年ころから30倍を超えて、2021年11月には38.6倍となっており、過去にないレベルでかなり高値圏だったんですよ。

こちらからも歴史的な割高水準だったということが言えます。

コロナでの世界的な金融緩和が大きかったですね。

シラーPERは2022年6月8日時点で32.1倍です。

昨年と比較するとかなり低くなりましたが、それでもまだまだこちらも25倍の基準を超えています。

つまり、まだ米国株は割高な水準にいるということです。



まとめ

今回は「米国株は大きく下げて割安になったのか?」と題して米国株が割安になったのかを指標で確認してみました。

結構下がった感じはありますが、それでもまだまだ割高水準と言えるところに位置しているんですよ。

このあたりの指標は高値水準に有るからとすぐに暴落するという話ではありませんが、どの位置にいるのかは知っておきたいところですね。

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