2月28日に東証マザーズに新規上場するジェイテックコーポレーションの財務分析をしてみたいと思います。
ジェイテックコーポレーションが2月23日上場
ジェイテックコーポレーションはMマートに続いての本年2発目の上場となります(リート除く)
今年は今のところ新しい新規上場の発表もありませんしちょっとペースが遅い気がしますね。
もしかしたら今月に株が大きく下がったことにより上場を延期したところもあるのかもしれません。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
IPOの新情報(上場承認)が出ました。ジェイテックコーポレーションです。事業内容としては大型放射光施設で使われるX線ナノ集光ミラーの開発・製造・販売、各種自動細胞培養装置等の開発・販売となっています。ジェイテックコーポレ[…]
ジェイテックコーポレーションのビジネスモデル
ジェイテックコーポレーションの事業は大型放射光施設で使われるX線ナノ集光ミラーの開発・製造・販売、各種自動細胞培養装置等の開発・販売となっています。
それでは詳しく見ていきましょう。
ジェイテックコーポレーションの経営理念
それではまずジェイテックコーポレーションの経営理念を見ていきましょう。
世の中にないオンリーワンの技術により、広く社会に貢献すること
となっています。
ジェイテックコーポレーションの強み
ジェイテックコーポレーションの強みは大学の研究成果とジェイテックコーポレーションの技術を掛け合わせることで性先端の研究・技術を実用化できることです。
ジェイテックコーポレーションのビジネスの内容
ジェイテックコーポレーションは「オプティカル事業」と「ライフサイエンス・機器開発事業」の2つのセグメントで事業をしています。
オプティカル事業
X線などの光を使った世界最先端の分析研究がなされている「SPring-8(兵庫県)」のような世界中にある大型放射光施設において使用される、放射光X線を回折限界まで集光することが可能な極限の精度が求められる高精度楕円集光ミラーを代表とする各種高精度X線ミラーの設計・製作・販売をしています。
ライフサイエンス・機器開発事業
オプティカル事業以外にも下記の2つの事業があります。
ライフサイエンス
創業当初から20年以上に渡り培ってきました独自の細胞培養技術をもとに各種自動細胞培養装置を中心とし、商品展開しています。
機器開発事業
医薬/バイオ分野だけでなく半導体・化学・印刷・色認識・画像処理・ソフトウェアなどの幅広い分野において、これまで培った技術力や開発力を武器に自動化装置やシステムの提供を行っています。
事業概況
出所;ジェイテックコーポレーション目論見書より
つまり、強みにある通り、大学との共同研究で新しい技術の実用化を図っている会社のようです。
この技術のレベルがどれくらいなのかは私には判断ができません・・・
ジェイテックコーポレーションの収益性
売上高総利益率
まずは本業の粗利(商品力)を示す売上高総利益率を見てみましょう。
28年度71.86%
29年度79.90%
と大きく上げています。
もともとかなり高い利益率ですね。
売上高営業利益率
次は本業の儲けを表す売上高営業利益率から見ていきましょう
28年度11.75%
29年度20.66%
こちらも大きく上げています。
急激に売上げも利益も伸びてきたところで上場ということでタイミングもかなりうよいと言えます。
そんな大きな金額ではありませんが。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
28年度20.85%
29年度24.90%
こちらも大きく増えています。
売上高営業利益率と比較して高くなっているのは28年度は投資有価証券の売却収入と補助金収入が大きく、
29年度は補助金収入が大きくなっています。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
28円度+62.74%
29年度+34.32%
と上げています。
大きく売上げが伸びてきていますね。
その前3年はほとんど売上げが横ばいでしたからここ2年で急激にのびたということになります。
また、第一四半期ですでに平成29年6月期の45%以上となっており今期も期待できそうな状況です。
収益性まとめ
売上の急激に伸びている、利益率も高く、さらに伸びており順調そのものである
ジェイテックコーポレーションの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
28年度147.95%
29年度168.94%
とこちらも少し良くなっています。
流動比率の安全性の目安は業種にもよりますが100%〜150%以上ですからとりあえず問題ない水準です。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
28年43.1%
29年52.1%
と増加しています。
もともとかなり高い水準ですし自己資本はなんら問題ないでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュフローは28年度
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がプラス
29年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がマイナス
となっています。
フリーキャッシュフローは28年度はマイナス、29年度はプラスです。
こちらもとくに問題はなさそう。
キャッシュフロー計算書の簡単な見方はこちらからどうぞ。
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安全性まとめ
資金面も問題はなさそう
ジェイテックコーポレーションの株価
PER、PBR
PER、PBRをみると割安感はありません。
しかし、売上も急激に伸びていますのでこんなもんでしょう。
既存株主
ベンチャーキャピュタルの保有分が6%くらいあります。
ロックアップの解除は180日or1.5倍となっています。
他の株主はロックアップ180日となっていますので問題ないでしょう。
ストックオプションも未行使がそれなりにあり、上場時にも7万株ほどが行使可能となっています。
それなりに売りはありそうですが成長度などを考えると許容範囲かな。
まとめ
今回はジェイテックコーポレーションの財務を中心に分析してみました。
株価的に割安感がありません。
しかし、順調に成長している開発系のベンチャーです
このあたりをどう判断するかですね。
業種的には人気になりそうなタイプです。
また、本年2つ目のの新規株式上場ですから資金が集中しそうな予感もあり初値的にはかなり高そうな予感。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
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