マネックス証券のマネックスカードでの「クレカつみたて」に制限が入ることになりました。
もともと、マネックス証券取り扱いのほとんどの投資信託が対象でしたが、債券ファンドなどの一部が対象外となることになったのです。
今回はこの件を詳しく見ていきましょう。
マネックスカードでの「クレカつみたて」の一部ファンドが対象外に
それでは今回の変更内容を詳しく見ていきましょう。
変更の概要
一部ファンドの「投信つみたて」について、「マネックスカード投信積立サービス」(以下、「クレカつみたて」と言います。)の新規お申込受付を停止いたします。
対象となるファンドにおいて、新規に積立をお申込みされるお客様は「自動つみたて」など、他のつみたて方法をご利用ください。
なお、既にお申込みいただいている「クレカつみたて」については、引き続きご利用いただける(積立金額の変更も可能です)ほか、対象となるファンド以外では「クレカつみたて」も新規でお申込みいただけます。出典:マネックス証券 【マネックスクレカ積立】一部ファンドの新規申込停止のお知らせ より
つまり、該当するファンドについては新規で「クレカつみたて」の利用ができなくということです。
なお、すでにつみたてを利用している方は継続して利用できるとのこと。
「クレカつみたて」新規お申込み受付終了対象ファンド(予定)
次に変更となる対象ファンドを見ていきましょう。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。(2023年2月1日時点)
運用会社名 | 銘柄名 |
---|---|
アセットマネジメントOne | DIAM毎月分配債券ファンド DLIBJ公社債オープン(短期コース) DLIBJ公社債オープン(中期コース) MHAM物価連動国債ファンド たわらノーロード 国内債券 みずほ日本債券アドバンス(豪ドル債券型) |
ニッセイアセットマネジメント | <購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド ニッセイ国内債券アルファ ニッセイ日本インカムオープン |
パインブリッジ・インベストメンツ | パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド |
ブラックロック・ジャパン | iシェアーズ 国内債券インデックス・ファンド |
りそなアセットマネジメント | Smart-i 国内債券インデックス |
三井住友DSアセットマネジメント | エス・ビー・日本債券ファンド 三井住友・日本債券インデックス・ファンド SMT 国内債券インデックス・オープン |
三菱UFJ国際投信 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス eMAXIS 国内債券インデックス eMAXIS 国内物価連動国債インデックス ジャパン・ソブリン・オープン |
大和アセットマネジメント | iFree 日本債券インデックス ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型) 日本物価連動国債ファンド |
東京海上アセットマネジメント | 東京海上・円建て投資適格債券ファンド(毎月決算型) 東京海上・円建て投資適格債券ファンド(年2回決算型) 東京海上セレクション・物価連動国債 |
明治安田アセットマネジメント | ノーロード明治安田社債アクティブ 明治安田日本債券オープン(毎月決算型) 明治安田日本債券ファンド |
野村アセットマネジメント | 野村インデックスファンド・国内債券 |
かなり多くのファンドが対象外となります。
ほとんどが国内債券系の投資信託ですね。
変更日
変更日は以下の通り
なぜ「クレカつみたて」に制限が入ったのか?
それではなぜ今回債券系のファンドがクレカつみたての対象外になったのでしょう?
簡単に言えば「想定外の利用をする方が多かったため」ということです。
実はこうなることを下記記事で本サイトでは予想していました。。。
制度の隙間を狙った利用者が多発
制度の隙間を狙ったポイントゲットのためだけに「クレカつみたて」を利用する方がかなり多くいたのです。
ユーチューバーやブロガーなどインフルエンサーの中にはそれを推奨する方までいました・・・
やり方は簡単なんですよ。
国内債券の投資信託は1日で値動きはそれほどありませんので損してもしれている金額。
しかし、ポイントは購入金額の各社1%程度はもらえますので、ポイント分をリスク少なくお得を享受できるとというわけです。
マネックス証券なら1.1%がもらえます。
しかし、これは証券会社にとっては大損なのです。
クレカ積立を導入することで証券会社はクレジットカード会社に当然手数料を払っているでしょう。
さらにポイントを付与しています。
つまり、クレカ積立を導入することで証券会社は費用を使っているわけです。
販売促進を目的としていると思います。
また、その費用も将来的に投資信託を保有し続けてもらえば発生する信託報酬で、ある程度その部分は賄っていけるという計算だと思われます。
しかし、即ウリをされてしまうとその信託報酬はほとんどとれないわけですから、証券会社的にはクレジットカード会社に支払う手数料、ポイント付与分損をするわけです。
1人、2人の話なら問題ないでしょうが、多くの方がこれをやり始めたら証券会社は改悪をせざる得なくなるのは目に見えて明らかだったんですよ。
楽天証券の改悪も・・・
ちなみに楽天証券は先行して以下の2022年9月からの以下の改悪しています。
これも債券即ウリの方が多かったのが影響していそうです。
出典:楽天証券 2022年4月以降の新サービス開始および各種ポイントサービス等見直しについて より
それまで1%のポイント還元だったのが、信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)以上のものは現状維持の1%(100円につき1ポイント)のポイント還元、それ以外の年率0.4%(税込)未満のものは0.2%還元(500円につき1ポイント)のポイント還元と大幅に改悪となります。
おそらく債券ファンドの即ウリ対策ですが、それにより巻き沿いとして人気となっているインデックスファンドもほとんどが信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%未満ですから、0.2%還元と5分の1まで還元が減ってしまったんですよ。
ちなみに三木谷社長も以下のように語っています。
三木谷社長は、「(楽天証券のポイント還元は)少し寛容すぎるところがあった。お客様の中には我々の利益に貢献してくださらない方もいる。そこで顧客ごとに分析を始めた。ポイントのコストが多くかかっており、そこを変える。簡単に言うと通年で70〜80億円の話になる」と説明
出典:Yahoo!ニュース 三木谷社長が語る 楽天ポイント「改悪」の背景
つまり、ポイントだけ取ろうとするお客がかなり多かったということなのでしょう。
楽天証券、マネックス証券とこういう利用のされ方を改善するための改悪が続いていますので他社も同様な措置をする可能性が高そうです。
まとめ
今回は「マネックスカードの投信積立で債券ファンドなどが対象外に【マネックス証券】」と題してマネックスカードでのクレカ積立の改悪の話を見てきました。
一般利用者からすれば改悪ですが、マネックス証券が手を打ったのは個人的に評価しています。
クレカ投信積立は投資信託を買うことでポイントが貯まるというとてもありがたい制度です。
しかし、「クレカ投信積立でポイント狙いの即売り」という提供する証券会社のことなど全く無視で自分たちの利益だけを追求する方が多くなったしまっていたのでサービスの存続が危うくなってきたのです。
自分たちのお得だけでなく、売り手も買い手も世間も良いとおう三方良しの精神でこのような良いサービスをみんなで守れると良いのですが、自分たちだけが得すればよいという債券即ウリを推奨するインフルエンサーがいる限りどんどん改悪が進みそうですね・・・
法律違反をしているわけではありませんから取り締まれるわけでもないのが難しいところですけどね。
そういう点も踏まえてマネックス証券の今回の改定は個人的に評価しています。
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