先日、三井住友銀行が、個人向けの米ドル建て定期預金の金利を9月25日から大幅に引き上げると発表しました。
今まで預入期間が6か月物と1年物の税引き前年利率は現在の0.01%でした。
それを一気に5.30%まで引き上げるというのです。
5.30%は魅力的ですから外貨預金すべきと考えているかたも増えてきているようです。
今回はこの件について考えてみましょう。
三井住友銀行の外貨預金の金利変更
まずは今回の発表内容を見てみましょう。
2023年9月25日(月)より、下記の通り、パーソナル外貨定期預金(米ドル)の金利を引き上げます。 SMBCグループ では、外貨を「資産運用・資産価値の安定化・決済などの多様なニーズにお応えする資 産」と位置づけ、外貨関連の幅広いニーズにお応えできるよう努めております。今般、通貨分散を通じた お客さまの資産価値の安定化への取組を強化する為、パーソナル外貨定期預金(米ドル)の金利を引き上 げることとしました。
出典:三井住友銀行 パーソナル外貨定期預金(米ドル)金利引き上げのお知らせ
変更前と変更後の金利
具体的には米ドルの外貨預金の金利は以下のようになります。
出典:三井住友銀行 パーソナル外貨定期預金(米ドル)金利引き上げのお知らせ
6か月物と1年物は一気に530倍です。
これは衝撃的な感じを受ける方も多いでしょう。
ちなみに三菱UFJ銀行、みずほ銀行では同1カ月、3か月、6カ月、1年物などでいずれも0.01%と横並びです。
今回の三井住友銀行の大幅金利アップに追随するか見ものです。
ネット銀行の外貨建預金の金利
ただし、これそんなにすごいことではないんですよ。
ネット銀行などでは当たり前だったりするんですよ。
ですからむしろ今までそんなに金利低かったんだ・・・ってびっくりしちゃうレベルです。
例えばSBI新生銀行の米ドル建て定期預金金利は1年物で三井住友銀行と同じ5.30%程度です。
また、ソニー銀行などは1ヶ月ものでドルで9%なんて金利を提供していたりします。
ですから今回の話はそこまですごいことって話でもないんですよ。
外貨建て定期預金はリスクあり
どうしても5.30%の金利と聞くと日本人からするとかなり魅力的に見えます。
しかし、日本円での定期預金と違ってリスクがあります。
為替リスク
まず考えなければならないのは為替リスクです。
今は記録的な円安水準になっているんですよ。
ですから為替リスクについても考える必要があるでしょう。
せっかく5.30%の金利が付いてもそれ以上に円高に推移すれば日本円で見ればマイナスなんですよ。
例えば2023年9月20日時点で1ドル147.8円くらいです。
100万円買ったとしましょう。
手数料を無視したとすると買えるドルは約6,765ドルです。
もし定期預金満期日に1ドル130円になっていたら、円換算すると879,450円しかないんですよ。
受け取れる金利を考えてもかなりマイナスですよね。
さらに受け取れる金利も当然ドルベースとなりますから円高の影響を受けます。
定期預金というと固い投資と思う方が多いでしょうが、外貨の場合はそこに為替リスクが加味されるためそれなりにリスクが高い資金運用であるということをしっかり認識しておきたいところです。
為替手数料
また、銀行の外貨建定期預金は手数料も高いです。
三井住友銀行の場合は往復1米ドルは2円かかります。
例えば現在のレートで100万円ドルにするとすると約6,765ドル×2円ですから13,530円手数料を取られるってことです。
手数料だけでもかなりの金額が必要になるんですよ。
これを考えてもあまり割に合わない投資であるといえるでしょう。
ちなみに為替手数料は銀行ごとにかなり違います。
ネット銀行などはかなり低くなっていますのでそちらを利用したほうが良いでしょうね。
まとめ
今回は「三井住友銀行で外貨預金の金利を530倍の大幅アップ。外貨預金すべき??」と題して三井住友銀行の外貨預金の金利アップについてみてきました。
個人的な見解としては金利をアップしてくれるのは嬉しいけど、手数料や為替リスクを考えるとあまりおすすめできないかな・・・ってのが正直なところです。
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