「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏(94)が2025年末でバークシャー・ハザウェイのCEOを退任すると発表し、世界の投資家がざわついています。
長年“バフェット銘柄”として親しまれてきた同社と、その保有先である日本の「5大商社」(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)はこれからどうなるのでしょうか。
今回の記事では、初心者でもわかるようにバフェット氏退任の背景と今後の影響を丁寧に解説していきます。
ウォーレン・バフェット氏の退任の概要
それではまずは前提となるウォーレン・バフェット氏とは誰なのかというところから見ていきます。
ウォーレン・バフェット氏とは
ウォーレン・バフェット氏とは『投資の神様』と称されるバークシャー・ハザウェイCEO。
堅実な長期投資で年平均20%以上のリターンを50年以上記録し、世界的な影響力があります。
バークシャー・ハザウェイはバフェットさんが率いる投資会社で世界でも常にトップ10位以内の時価総額を誇っています。
ウォーレン・バフェット氏の投資理念は自分が理解できる企業を適正価格で買うこと。
ウォーレン・バフェット氏に関してはいろいろな本が出ていますが、どれも参考になるのでおすすめです。

退任スケジュール
米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏は3日、自身の投資会社バークシャー・ハザウェイ の最高経営責任者(CEO)を年末に退任し、グレッグ・アベル副会長に後任を譲ることを明らかにした。
出典:Reulers バフェット氏、バークシャーCEOを年末に退任 後任にアベル副会長
2025年末でバフェット氏はバークシャー・ハザウェイのCEOを退任となります。
同席したアベル氏(62)も指名を承諾し、今後18か月かけて円滑な承継プロセスを進める方針とのこと。
なお、バフェット氏は退任後も大株主として議決権を保有し、必要に応じてアドバイスを継続するとのこと。
後継者グレッグ・アベル氏とは?
カナダ出身のアベル氏は、Berkshire Energyを30年で米最大級の再エネ企業に育てた実績を持つ“オペレーションの達人”。
2021年に後継指名を受けてからは事実上のNo.2として、各子会社との対話やM&Aの目利きを担当してきました。
ロイターは「バフェット後もバークシャー固有の“分権文化”を維持できるかが腕の見せどころ」と分析しています
バークシャー・ハザウェイの投資哲学は変わるのか
バフェット氏と言えば「シンプルで理解できるビジネス」への長期投資が代名詞。
一方、アベル氏はエネルギー事業で大胆な設備投資も経験済みです。
ですから今後、バークシャー・ハザウェイ方針が変わる可能性もあります。
ただし、
は引き続き維持される見通しです。
実際、総会当日もアベル氏は「売上や利益だけでなく、資本効率とリスクを見極める姿勢を受け継ぐ」と明言しています
5大商社への投資はどうなる?
そこで気になるのが日本の5大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)への投資です。
バークシャー・ハザウェイは2025年3月時点で各社の保有比率を最大9.8%まで引き上げているんですよ。
バークシャー・ハザウェイは最近、現金比率をかなり高めていましたが日本の5大商社への投資は増やしていたのです。
ちなみにウォーレン・バフェット氏が目をつけるまで5大商社はかなり長い間安値で放置されていたんですよ。
バークシャー・ハザウェイの5大商社への投資比率
具体的には以下の5大商社へかなりの金額投資しているんですよ。
商社 | 保有比率(2025/3時点) |
---|---|
三菱商事 | 9.67% |
三井物産 | 9.82% |
伊藤忠商事 | 8.53% |
住友商事 | 9.29% |
丸紅 | 9.30% |
なぜ9.8%が上限?って疑問をもつ方もお見えでしょう。
推測ですが日本の金融商品取引法では10%超で「大量保有報告書」の義務が一段と重くなるため、9%台で調整しているとみられます。
投資方針の継続性
今年の株主総会でもバフェット氏は「50年以上保有したい」とまで発言し、アベル氏も同調しました。
よって、短期的に売却するリスクは小さいでしょう。
むしろアベル体制では
など戦略提携が深まる可能性があります。
個人投資家への影響と戦略
それでは個人投資家としてはこの話をどう受け止めてどう動けばよいのでしょう?
バークシャー・ハザウェイ株を保有している人
まずは直接の影響があるバークシャー・ハザウェイ株を保有している人です。
基本方針はホールドで問題ないかと思われます。
アベル氏は「配当より再投資」を継続する意向で、長期的な複利効果に期待できそうです。
このあたりは現状とそれほど大きく変わらないと思われます。
ただし、今後の決算情報などの動きはしばらく確認する必要はありそうです。
アベル氏ははバフェット氏ほどの“語り”はないものの、IR資料の定量情報はむしろ整理される可能性もあります。
5大商社に投資している人
次は5大商社に投資している人です。
ちなみに私も保有しています笑
こちらも基本的な流れは前述のように大きく変わらないかと思われます。
バークシャーが“大株主”であることはガバナンス面の安心材料ですね。
ただし、商社は各エネルギー価格や為替など外部変数にかなり左右されるため、商社「だけ」の集中投資は避けましょう。
ちなみに5大商社となっていますが、各社の事業ポートフォリオは似ているようで違うんですよ。
まとめ
今回は「バフェット退任でバークシャー株と日本5大商社はどう動く?投資初心者向け最新解説」と題してバフェット氏の退任の話をみてきました。
バフェット氏が第一線を退く事実は感慨深いものの、後継者アベル氏は同じ羅針盤を持つ航海士です。
バークシャーの強みは「適正価格で優良ビジネスを買い、じっくり育てる」シンプルな哲学にあり、それは5大商社投資にも色濃く表れています。
個人投資家がやるべきことは、騒音に振り回されず自分に理解できる資産にコツコツ投資し続ける──まさにバフェット氏が70年語り続けてきた教えそのものですね。


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