最近、TVCMでも見かけるようになりロボアド(ロボアドバイザー)が徐々に知名度を上げてきました。
AIが一般的になりつつあるのもあり、参入障壁が下がっているのかどの証券会社もこぞってロボアドバイザーを提供はじめていますね。
そんな激戦区になりつつロボアド業界の中でも特に人気が高いのがWealth Navi(ウェルスナビ)とTHEOです。
なお、THEOにはTHEO+という他社とのコラボレーションのタイプがあります。
THEO+docomo(ドコモ)などです。
多少味付けが違うだけで基本的には同じ仕組みとなっています。
今回はこの2つのロボアドを徹底的に比較していきたいと思います。
ウェルスナビ対THEOどちらがよいのか?
ロボアドは数多く出ています。
その中でWealth Navi(ウェルスナビ)とTHEOの人気が高いのは他と一線を課している仕組みにあります。
2つのロボアドを比較する前にそのあたりを整理しておきましょう。
ロボアド(ロボアドバイザー)とは
ロボアド(ロボアドバイザー)とはその名前の通り、ロボットが投資の手助けをしてくれる仕組みです。
ここ数年でAIが飛躍的に進歩を遂げています。
それが投資の世界にも回ってきたってことなのでしょうね
ここ数年で急激に盛り上がってきました。証券業界で一番熱い分野と言っても過言ではないかもしれません。
ロボアドのメリット
ロボアドのメリットとしてはロボット(AI)が代わりに資産運用をしますので知識が基本的にいらないのが1番大きいでしょう。
投資の勉強は多岐に渡りますのでなにかと大変です。しかし、ロボアドならそれがなくてもプロの運用ができてしまうのです。
また、人間がなかなか投資に勝てないのは心理面が邪魔をしてしまうからだとよく言われています。
それがロボアドなどを使えば排除することができますので勝ちやすくなるってのも大きいですね。
投資に勝てない心理については下記記事をご覧ください。
ファンドラップとなにが違うのか?
ロボアドと同じように自分の代わりに資産運用をしてくれる仕組みに「ファンドラップ」というものもあります。
これは証券会社が代わりに資産運用をしてくれる仕組みです。
ロボアドと大きく違うのはロボアドはAI、ファンドラップは人が資産運用をするという点。
手数料が大きくファンドラップの方が高い点が上げられます。人がやるので人件費等掛かるから仕方ないのでしょうが・・・
また、ファンドラップは最低運用資金が300万円程度と高めですが、ロボアドは低いところだと1万円程度からはじめられかなり敷居が低いという違いもあります。
ロボアドにも2パターンあり
ロボアドと一括りに書いてますが、大きく分けると2パターンの仕組みがあります。
1つはWealth Navi(ウェルスナビ)とTHEO、楽天証券の楽ラップのように運用まで全て一任してくれるタイプ。
もう1つが松井証券の投資工房のような投資のアドバイスをしてくれるタイプです。
どちらが良いのかは好みの問題ですが、ロボアドのメリットを最大限に活かせるのは運用まで全て一任してくれるタイプですね。
どうしてもアドバイスもらっても動くのが人間だと前述の心理の影響を受けてしまいますしね・・・
(その分運用一任タイプだと手数料が取られます)
ウェルスナビ対THEO
それでは具体的に両者を比較してみましょう。
この2つ同じようなロボアドに見えますが結構違う点があります。
最低投資金額
最低投資金額はTHEOが一万円、Wealth Navi(ウェルスナビ)が十万円からとなっています。
これはターゲットとしているユーザー層の違いが大きいと思われます。
THEOは「とりあえず、円預金。」THEOは、そんな常識を変える。というのがコンセプトにしているくらいですから資産運用が初めての方をターゲットして考えているようです。
Wealth Navi(ウェルスナビ)は「働く世代に豊かさを」がコンセプトですから働き盛りの人をターゲットとしているようです。
もともとは最低金額100万円でしたからだいぶ敷居は下がってきていますけどね。
ちなみに前述の楽天証券の楽ラップも最低投資金額は十万円からとなっています。
投資対象/投資方法
もう一つの大きな違いが投資対象が大きく違います。
THEOはマイナーなのも含め幅広い米国上場ETF(およそ40種類)に分散することでリスクを低減する戦略をとっています。
対してWealth Navi(ウェルスナビ)は少数の有名所の米国上場ETFに分散投資をしています。
なんか少数のETFに投資だと危なそうな気がするかもしれませんが、そもそも各ETFが分散投資をしているのです。
例えば投資先の1つにバンガード・トータルストック・マーケットETF(VTI)があります。
これはアメリカの大型株、中型株、小型株のほぼすべてに分散投資する商品です。
つまり、アメリカ経済全体に投資するのと同じです。
感じとしては同じバンガードに投資をするセゾン投信に近い商品な気がします。
ただし、セゾンはファンドマネージャー(人)が運用してますのでその点は大きく違いますけどね・・・
ちなみに楽天証券の楽ラップは国内の投資信託が投資対象となっています。
また、Wealth Navi(ウェルスナビ)はポートフォリオ理論による通常のインデックス運用です。
自分のリスク許容度により5つのパターンで運用されます。
対してTHEOはスマートベータ戦略にもとづいて、中長期的に市場平均(時価総額加重平均)を上回るパフォーマンスが期待される銘柄を選定しています。
スマートベータとはインデックス運用でありながら、証券市場に存在する特性を利用して超過リターンを目指すものです。
最近流行りのやつですね。
また、プロフィールからその人に最適な投資提案をする設計となっています。(231パターン)
これだけ聞くとTHEOの方が良さそうですが分散対象が多ければ多いほど、超過リターンを目指せば目指すほど運用コスト(手数料など)がかかります。
運用コストがあがればそれだけリターンに跳ね返ってきます。
そのためどちらがよいのかは一概には言えないところはあります。
リバランス
リバランスのタイミングも結構違います。
リバランスとはポートフォリオをメンテナンスすることです。
効果としては運用成果を向上させることができると言われています。
THEOはグロース(成長株)は3ヶ月ごと、インカム(配当)は1ヶ月ごと、インフレ・ヘッジは1ヶ月ごとにリバランスをするといっています。
Wealth Navi(ウェルスナビ)は原則として半年に1度行われるとしています。また、お客様のポートフォリオと最適ポートフォリオの配分比率を資産クラスごとに比較し、5%以上乖離している資産クラスがあった場合は、前倒しで行われます。
これも好みが別れるところです。
細かくリバランスを行ってくれたほうがよいような気がしますが、その分運用コスト(手数料など)が掛かってきてしまいますからね・・・
手数料
手数料は両者同等です。
年率1%+消費税となっています。
これを高いと考えるか否かも評価が別れるところになります。
両者のポートフォリオを海外ETFで買ったとしてこれだけの手数料はかかりません。
ただし、ロボアドを使うことで手間や時間を省くことができます。
このメリットに差額の手数料を出せるかどうかで判断が変わりそうな感じですね。
あとはどうしても自分で取引すれば心理面の障害もありますし・・・
自動税金最適化、ETFの端株取引
Wealth Navi(ウェルスナビ)が他との比較で強調しているのが独自の機能の自動税金最適化、ETFの端株取引です。
自動税金最適化とは税金を最適化することです。
税金は利益が確定したときに発生します。
利益が出たときに損が出ているものを一緒に売ることでプラスマイナスゼロにすることで税金をあとに回すことです。
そうすることで複利の効果を得られやすくする効果が生じます。
ETFの端株取引はその名前のとおりETF(上場投資信託)を1株に満たない1000分の1単位で取引する仕組みを指します。
細かい金額まで投資に回すことができるようになるってことですね。
これらの機能は現在THEOにはありません。今後に期待したいところ。
※THEOでも2019年6月に自動税金最適化サービスを開始致し
運用成績
運用成績は両社ともまだはじまったばかりのサービスのため具体的に発表していません。
過去のシュミレーションの結果では両社ともそれなりに利益がでる計算となっているようです。
まとめ
今回はWealth Navi(ウェルスナビ)とTHEOを比較してみました。
どちらも素晴らしいサービスです。
どちらがよいのかはなかなか難しいところですが、どちらを選択するのかは下記の項目で考えると良いと思います。
投資初心者にはおすすめの投資法ですのでぜひ検討してみてくださいね、
投資対象の違い:THEOは幅広く分散、ウェルスナビは少ないETFで運用コスト少
リバランスの違い:THEOは頻度高、ウェルスナビは6ヶ月ごとで運用コスト少
読んでいただきありがとうございました。