【ラスクル】新規上場株式(IPO)財務分析。危険なかほり?

ラスクルが5月31日上場


5月31日に東証マザーズに新規上場するラスクルの財務分析をしてみたいと思います。

ラスクルは大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券です。

この組み合わせは最近だとSGホールディングス(佐川急便)やQBハウスでありましたね、

今回はそんなラスクルの財務分析をしてみたいと思います。

なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。

ラスクルのビジネスモデル

ラスクルはもともとは印刷の新しい発注の仕組み作りを目的として作られた会社です。

現在は仕組みを変えれば、世界はもっと良くなるをコンセプトにIT化されていない業界をIT化することで産業構造を変えることをビジネスモデルとしています。

具体的には現在下記の2つのビジネスを手がけています。ドメイン自体はかなり広めに取っていますので2つの業態以外にもIT化が遅れている業界に参入する可能性はありそうですね。
ラスクルビジネスモデル

出所:ラスクル目論見書より

ラスクル

CMでおなじみの働く人のネット印刷「ラスクル」

インターネットを通じて全国から寄せられたお客様の注文にぴったりな印刷会社を選出。その印刷機の非稼働時間で印刷することにより、高品質な印刷物を安価で提供する仕組みを開発しました。

私はプリントパック派なのでラスクル自体は使ったことありませんが、プリントパックと同じような事業だとすればかなり便利です。

通常印刷会社に頼む金額と比較してかなり安いこと、早いこと、無駄がない点が評価できます。

ラスクル自体は使ったことないでの比較はできませんが・・・

ハコベル

革新的なネット運送サービス「ハコベル」

ハコベルとは、PC・スマホから「すばやく」「かんたん」に荷物の配送予約ができるサービスです。各運送会社の非稼働時間で配送することにより、高品質かつ安価にご利用いただける仕組みを開発しました。

運送業もIT化が遅れてそうな業界ですね。これも使ったことはありませんが、WEBページを見ると価格がかなり安くてびっくりしました。

ラスクルの収益性

次はラスクルの収益性を見ていきましょう。

売上高総利益率

まずは本業の儲けを表す売上高総利益率から見ていきましょう

平成28年7月期17.7%

平成29年7月期22.65%

と大きく良化しています。

業態が変わっている最中だからでしょうかね。。。

判断するのはもう少し業績が落ち着いてからかな。

売上高営業利益率

次は本業の儲けを表す売上高営業利益率から見ていきましょう

平成28年7月期ー28.22%

平成29年7月期ー14.92%

と2年連続でマイナスです。

マイナス幅はだいぶ減ってはいますが・・・

売上高経常利益率

次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。

平成28年7月期ー28.30%

平成29年7月期ー15.15%

こちらも2年連続で大幅マイナスです。

こちらもマイナス幅は縮小はしています。

売上伸び率

売上げの伸びはこんな感じです。

平成27年7月期247.18%

平成28年7月期92.14%

平成29年7月期51.01%

と3年連続で大きく伸びています。

このあたりは評価できるところですね。

収益性まとめ

売上の伸びは非常に大きいが利益は出ておらず様子見が正解?

ラスクルの安全性

次はラスクルの安全性を見ていきましょう。

流動比率

次に短期的な支払能力をみる流動比率です。

平成28年7月期間203.58%

平成29年7月期256.20%

とこちらも改善しています。

また流動資産の大半が現金預金ですので資金面は問題ないでしょう。

自己資本比率

平成28年7月期60.4%

平成29年7月期61.8%

とこちらの面も高い水準で問題ありません。

キャッシュフロー

キャッシュフローは平成28年7月期は

営業活動によるキャッシュフローはマイナス

投資活動によるキャッシュフローはマイナス

財務活動によるキャッシュフローはプラス

となっています。

フリーキャッシュフローもマイナスになっています。

平成29年7月期も

営業活動によるキャッシュフローはマイナス

投資活動によるキャッシュフローはマイナス

財務活動によるキャッシュフローはプラス

となっています。

フリーキャッシュフローもマイナスとなっています。

現状ではお金が事業だけでは回っておらず、借り入れや株式の発行に頼っている状況です

キャッシュフロー計算書の簡単な見方はこちらからどうぞ。

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安全性まとめ

安全性は問題ありませんが、キャッシュフロー面であまり良い状況とは言えません。

ラスクルの株価

PER、PBR

PER、PBRとも利益が出ていない状況ですから数字としては出てこない状況です。

売り上げの成長性が続き、利益が出る体質に変わるのがいつなのかというところがポイントになりそう。

既存株主

ベンチャーキャピュタルの保有が多いです。

ただし、ほとんどのVCロックアップが180日となっているため上場後すぐに売りが出るわけではない。

ストックオプションはそれほど多くはない。

ちょっと気になるのが社長のロックアップが90日もしくは1.5倍となっていること。

他が180日になっているのになぜそうしているのか・・・

売る気満々に見えて。。。

個人的にはこの時点でパスかな・・

まとめ

今回はラスクルの財務を中心に分析してみました。

株価的にはマザーズ上場、それなりに大型

また、売り上げが伸びているものの赤字状態。

ビジネスモデル的にもプリントパックなどと比較して目新しさもなく。。。

安全性も高いもののキャッシュフロー計算書を見ると不安しかない。

個人的にはIPOの抽選に参加するかも迷う水準ですね・・

IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。

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