【IPO】ソフトバンクの株価は今後どうなる?妥当株価はどれくらいなのかについて考えてみる

とうとうソフトバンクグループの通信子会社である「ソフトバンク」が上場しました。(ちょっとややこしいですね)。

過去最大規模のIPOということで注目度も高く、テレビCMまで流れていましたね。中でも「情報敏感家族」というCMは証券界隈の流行語になりそうなレベル・・・(笑)

そんなソフトバンクの上場初日は初値が公募価格割れ。その後も下がり続け公募価格を超えることはありませんでした。そのため損をした方が多く発生してしまいましたね。

ちなみに私はIPOの抽選には当選したものの購入は辞退していましたので損はしていません。私がソフトバンクのIPOの当選株を辞退した理由はこちらの記事をご覧くください。

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ソフトバンクIPOキャンセル

今回はそんなソフトバンク株の今後及び妥当株価について考えていきます。通常IPOの株価は需給で決まりますので妥当株価というものは難しいのですが、ソフトバンクくらい大きくなると最終的にはその辺りに落ち着くと思われます。

IPO株「ソフトバンク」上場初日振り返り


まずは今回のソフトバンクの初日を振り返ってみましょう。公開価格は1,500円でした。公開価格とはIPOで購入した人が買った金額です。

初値:1,463円
高値:1,464円
安値:1,282円
終値:1,282円

初値と高値がほぼ同じ。つまり、上場した瞬間が公募割れですが一番高かったことになります。

私も1,460〜1,510円くらいで初値が付くと予想していましたがその下限近くでの初値となりました。

その後、波はありつつも下がり続け安値と終値が同じ。つまり、最終的な金額がその日一番安かったことを示します。

IPOで買った方も、上場後に買った方もほぼマイナス状態であったってことですね。

IPO株「ソフトバンク」の今後について考える


それでは今後のソフトバンクの株価について考えましょう。特に注目すべきポイントは来月、再来月の2つのイベントです。

注目すべきポイント1:TOPIX組み入れ

まず、長い目で見て注目したいのがTOPIXへの組み入れです。昨日のソフトバンク上場直後から下記のTOPIX組み入れのルールについての記事のアクセスが爆発していました。みなさん売るタイミングを考えているんだろうなってのが伝わって来ますね。

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SGホールディングス(佐川急便)TOPIX組み入れ

TOPIXとは東証株価指数のことで、東証1部に上場している全ての銘柄を対象に、取引所が1秒ごとに算出している株価指数です。

TOPIXに新しく組み入れられるとTOPIXをベンチマークしているインデックスファンドはその銘柄を運用に組み入れなければならなくなります。

そのため株価上昇の期待が高まるのです。

iDeCoつみたてNISAなど多くの方がインデックスファンドを買う制度ができたこともあり、今後インデックスファンドの規模がどんどん大きくなることが予想されます。

そうなればTOPIX組み入れによる影響はさらに増すでしょう。

ソフトバンクのTOPIX組み入れはいつ?

東証1部への直接新規上場銘柄の場合にはTOPIX等への組入れは、「新規上場日の翌月最終営業日」に行われます。

そのためソフトバンクの場合12月19日に上場しましたから、翌月の最終営業日に当たる1月31日に、TOPIX等に組み入れられることになります。

前述のようにTOPIXに組み入れられればインデックスファンドの買いが入りますから株価上昇が期待できます。

しかし、TOPIX買いを見越して買っている方も多いため、先回りして仕込んでいた人々の売りがTOPIX買いのタイミングで大量に出てくるということもありえます。

このあたりは株価の値動きを見ていかないとなかなか難しいですね。

どちらにしてもTOPIX組み入れの日を意識しておくに越したことはないでしょうね。

TOPIX組み入れの効果。SGホールディングスの場合

例えば2017年最大の新規上場であったSGホールディングス(佐川急便)は上場後下記のような動きをしています。

ちなみにSGホールディングスの上場日は12月13日ですからソフトバンクと同じく1月31日にTOPIXに組み入れられています。

初日 初値1,900円 終値1,906円

TOPIX組み入れ日(1月31日)初値2,433円 終値2,530円

他の要素ももちろんありますが、上場日(12月13日)からTOPXI組み入れ日(1月31日)まで順調に上がり、TOPIX組み入れ日も100円近く上がっていますね。

注目すべきポイント2:第三四半期決算

次のポイントは第三四半期の決算発表です。ソフトバンクグループの過去の第三四半期決算発表日を見ると2月上旬(昨年は7日)でした。

そこでソフトバンクとして上場後初の決算発表が行われます。ここでどのような決算がでるのかが注目ですね。

とくにこの辺りが注目でしょう。

大規模障害の影響
ファーウェイ問題の影響
総務省の値下げ要求

今回ソフトバンクを買った人の多くは配当に注目したという話もあります。5%ですからね。

それが上記の件で変わらないのかも注目かもしれません。利益が大きく減って配当性向85%を維持となれば配当自体も大きく減る形となります。

個人的には配当性向が高すぎるのがちょっとどうかと思うのですが。。。

配当性向が高すぎる弊害はこちらの記事を御覧ください。

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配当金や株主優待は損

また、現在未定となっている株主優待の発表があるのかも注目ですね。

IPO株「ソフトバンク」の妥当株価について考えてみる


それではソフトバンクの妥当株価がどれくらいなのかについて考えてみましょう。昨日の朝のテレビで証券会社の算定するソフトバンクの妥当株価は700円前後だという話に衝撃を覚えた方もいるかも知れませんね・・・しかし、その妥当株価これ下記のデータをみてもおかしくないんですよ。

同業他社と同じ水準ならば。。。

まず同業のNTTドコモやau(KDDI)と同じくらいの評価ならばどれくらいの株価になるのかをみてみましょう。

なお、ソフトバンクのEPS(一株あたり利益)は87.73円(2019年3月期会社予想)、BPS(一株あたり純資産)は251.30円(2018年3月期)、その他データはすべて昨日(12月19日)現在を元にしています。

NTTドコモと同じくらいならば

まずはNTTドコモとそれぞれの指標ごとに同じ水準ならソフトバンクはどれくらいの株価なのかを考えてみます。とくに割高、割安の比較によく使われるPERとPBRそれぞれでみてみましょう。

予想PER(株価収益率)

まずは昨日(12月19日)現在のドコモの予想PERは13. 43倍です。

これとソフトバンクが同様の水準ならば株価はこうなります。

1,178円

実績PBR(株価純資産倍率)

次にPBRです。ドコモのPBRは1.52倍です。

これとソフトバンクが同様の水準ならば株価はこうなります。

375円

ちょっと衝撃的ですね(笑)もともとソフトバンクはPBRがかなり高い状況となっています。

au(KDDI)と同じくらいならば

次にau(KDDI)とそれぞれの指標ごとに同じ水準ならソフトバンクはどれくらいの株価なのかを考えてみます。

予想PER(株価収益率)

PERのKDDIの予想PERは10. 2倍です。

これとソフトバンクが同様の水準ならば株価はこうなります。

894円

かなりKDDIと比較してソフトバンクの株価が高いことがわかると思います。

なお、このデータはソフトバンクの予想EPSに基づいて計算をしています。後述するような外部環境の変化などによってEPSが下がればそれだけ妥当な株価も下がることになります。

特に通信障害を起こしたことで1万人の解約がでたこと、ファーウェイ問題で基地局の機器見直しが発生することから予想EPSの下方修正の可能性もありそうですからその辺りも考えるともう少し下が妥当株価なのかもしれません。

実績PBR(株価純資産倍率)

次にPBRです。KDDIのPBRはドコモと全く同じ1.52倍です。

これとソフトバンクが同様の水準ならば株価はこうなります。

375円

これをみてもわかるようにソフトバンクはそもそもの値付けが同業他社と比較して高かったことがわかると思います。

詳しくは下記の記事を御覧ください。

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ソフトバンクIPOお祭り

EV/EBITDA倍率で見ると

前述した証券会社の妥当株価の算出はEV/EBITDA倍率に基づいていました。

これは簡易買収倍率と言われる指標で企業の割安性を測ることができます。EV(企業価値)がEBITDA(営業利益+減価償却費)の何倍になっているかを測るのです。特に外国人投資家がよく使っています。

計算式は下記の通りです。

EV(企業価値)=株式時価総額+負債総額-保有現預金
EBITDA=営業利益+減価償却費
EV/EBITDA倍率=EV/EBITDA

ちなみにNTTドコモは5.73倍、KDDIは5.21倍です。つまり、携帯電話会社の水準はこれくらいってことです。

多く見積もって6倍と考えるとソフトバンクの株価は以下のとおりです。

885円

ちなみにEV/EBITDA倍率はみれない証券会社も多いですが、楽天証券ならスクリーニングまですることができますよ。

株価は人気投票の結果ではあるが・・・

PERでみたときもEV/EBITDA倍率で見た時も大体おなじ感じになりましたね。この辺り(800円〜1200円)が指標的には妥当な水準なのかもしれません。ただし、株価は人気投票みたいのものですからそこに人気などが加味される形となります。

ただし、現在のソフトバンクを取り巻く環境はあまり良いとも言えず・・・・私がIPO辞退したときにも書きましたが、ソフトバンクは外部環境的にも下記の懸念材料があります。

総務省からの価格引き下げ要求

これもまだこれから影響がでてくる話ですが将来的なソフトバンクにとってはかなり大きな影響となるのが総務省からの携帯電話の4割もの価格引き下げ要求です。

価格を引き下げると単に売上が下がったときと大きく違い原価は変わらずかかってきます。そうなれば利益をまるまる減らすことになりますので会社の経営にとってかなり大きな痛手となるのです。

例えば売上1000、売上原価300、販売費及び一般管理費500、利益が200の会社があったとします。

単に売上が1割下がったとすると(原価も同じ割合くらいは落ちるでしょうから)売上900、売上価270、販売費及び一般管理費500、利益130です。販売費及び一般管理費は固定費が多いですから変わらずとします。

しかし、価格を引き下げる場合には原価分は下がりませんので売上900、売上原価300、販売費及び一般管理費500、利益100となります。

つまり、単純に売上が下がった場合と比較して価格引き下げは原価が下がらない分だけ影響が大きいのです。その価格引き下げを4割要求されているわけですから影響のほどは計り知れません。

ちなみにドコモは一部受け入れる方向のようです。ソフトバンクがどう対応するのかが見ものですね。

ソフトバンクの通信障害

もう一つかなり大きな影響を与えそうなのが大規模な通信障害が発生したことです。しかもちょうどブックビル最終日の前日に発生しましたのでかなりキャンセルなどがでたという話もあります。

さらに実際に昨日の会見では通信障害を起こしたことで1万人くらいの電話の契約の解約がでたとの話も・・・

携帯電話はすでに世の中に必要なものとなっていますが、ソフトバンク以外に2社いますし、楽天も参入します。格安SIMもあります。つまり、ソフトバンクでなくてもよいのです。そんな中でこれだけ大きな障害が発生すると影響は少なからずあるでしょう。すでに携帯電話業界はキャリア間の差はほぼなくどこを使っても変わらないコモディティ化していますのでこれは致命的とも言えます。

ファーウェイ問題

ファーウェイ問題も大きいです。とくにソフトバンクは5Gでファーウェイと組む方向でしたし、4G基地局でもファーウェイのものをたくさん使っているようです。ファーウェイが排除されることになればそれらの改修が必要となります。つまり、多額の追加費用が発生することってことですね。

まとめ


今回は「【IPO】ソフトバンクの株価は今後どうなる?妥当株価はどれくらいなのかについて考えてみる」と題してソフトバンクIPOの今後についてみてきました。

TOPIX組み入れや株主優待が未発表といった明るい話題もありますが、基本的にはネガティブな話が多いですね。現在の株価でも同業他社と比較すればちょっと割高な株価ですからこのあたりの水準は意識しておくとよいかもしれません。

IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。

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