鳴り物入りで始まった新NISA。
すでに多くの方が利用しています。
しかし、売買ランキングを見る限り金融庁が想定していたものと違い、短期売買を行っている人も多いようです。
大前提:新NISAとは
まずは、今回の話の大前提として新しいNISAの仕組みを見ておきましょう
新しいNISAの概要
新しいNISAは以下のような仕組みです。
出典:金融庁 新しいNISA より
ポイントとなるのはNISA制度の恒久化と非課税で投資できる金額も増えていることですね。
- つみたてNISA年40万円→120万円(つみたて投資枠)
- 一般NISA年120万円→240万円(成長投資枠)
つみたてNISA部分は「つみたて投資枠」とされ今まで年間40万円だったのが120万円まで可能となります。
ただし、生涯投資上限額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)があり、そこまでが新しいNISAで投資ができる上限ということです。
新NISAの非課税枠復活(枠の再利用)の仕組み
今までの一般NISAやつみたてNISAとの大きな違いに非課税枠が復活するという仕組みがあります。
枠の再利用ってことですね。
この点を勘違いしている方が多いようです。
ちょっとわかりにくい仕組みですが、金融庁では「簿価残高方式」と呼んでいるようです。
つまり、購入した時の買値(簿価)で非課税枠を管理してくれるってことですね。
そして売却したら買値に相当する金額が「売却した翌年」に復活します。
非課税枠復活(枠の再利用)の意味が出るのは最速で5年目以降
前述のように売却した翌年に枠が復活するとの部分だけを捉えている方が多く勘違いしてしまっています。
この仕組みの意味が生じるのは最速で5年目以降なんですよ。
つまり、意味が生じるのは非課税枠の上限が埋まった後の話ということです。
ちょっとわかりにくいので例でご説明しましょう。
枠の再利用が意味ないデイトレードの例
例えば2024年にすでに短期売買(デイトレードなど)で成長投資枠の240万円を消化したとします。(その年内に売却)
この場合の非課税枠は翌年に復活します。
といっても翌年の成長投資枠の上限も240万円なんですよ。
翌年480万円使えるわけではないのです。
非課税枠の復活と言っても非課税保有限度枠(合計1,800万円)の空きがでるというだけの話なのです。
つまり、そこまで行っていないと意味はほとんどないってことです。
ですから単にデイトレードやスイングトレードを新NISAでやるだけだったら非課税枠の復活の意味は生じないですよ。
この点を勘違いしている方が多いようです。
意味のある非課税枠の再利用の例
逆に意味のあるパターンもご紹介しましょう。
まず、非課税保有限度枠(合計1,800万円)を埋めます。
年間の上限が360万円ですから最速で5年かかりますね。
その年以降に240万円分の買値(簿価)分を売却。
すると翌年再度240万円分(成長投資枠)の非課税枠が空きますので新NISAで投資ができるようになるということです。
ですから非課税枠の再利用として意味のがあるのは、非課税保有限度額もしくは近くまで投資をした後ということなんですよ。
その240万円はあくまで買値(簿価)で判定されますから500万円位になって売却すれば260万円分の利益が非課税。
翌年また240万円を新たに投資。
みたいな繰り返しが理論的には可能です。
インデックスファンドでも非課税枠の再利用
ちなみにこれインデックスファンドでも非課税枠の再利用のやり方は可能なんですよ。
同じインデックスファンドだと購入単価が平均化してしまうので、あえて違うファンドを年ごとに買えば、5年ごとに売却して利益分を非課税で利確
また新たな枠で購入し直しってことも理論的には可能ですね。
まとめ
今回は「新NISAで短期売買をした場合に非課税枠はいつ復活するのか?」と題して新NISAの非課税枠の復活についてみてきました。
つまり、今回の結論としては
意味が生じるのは
非課税保有限度枠を埋めた後
ってことですね。
基本的に新NISAは長期、分散、積立投資向けの制度です。
ですから短期売買にはあまり適していないということは知っておきたいところですね。
個人的な見解としてはインデックスファンドを長く持つということをおすすめしております。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。