確定申告でよくある困ることが必要書類がないというケースです。その中でも特に紛失してしまう人が多いと言われるのが源泉徴収票です。紙ベースで確定申告をする際に給料所得がある場合に源泉徴収票の添付が必要※となるのです。
(※2019年4月から確定申告での源泉徴収票の提出は不要となりました)
電子申告(e-Tax)の場合は源泉徴収票の添付は不要ですが、源泉徴収票がないと確定申告に必要な金額を自分で給料明細などから集計しなくてはならなくなり面倒だったりします。
源泉徴収票は確定申告をする際に重要な書類なんですが、たいていの会社は年末の給料明細を渡すときに一緒に配布していますので気づかなかったり、紛失してしまいがちな書類でもあります。普通はあまり使わない書類ですしね。
また、ひどい会社だとそもそも源泉徴収票を出してくれないなんてことも・・・
今回は確定申告の時期でもありますので源泉徴収票を紛失したり、発行してもらえなかった場合に再発行、発行してもらう方法をご紹介します。
※加筆修正を加えました。
源泉徴収票とは
源泉徴収票とは簡単に言えば給料をもらっている方の一年間の所得や税金をまとめてくれたものと言えばよいでしょう。
会社員の場合、年末調整が行いますがその結果の控えと考えてもいいかもしれません。
ちなみに年末調整のときに同じものが税務署等に会社から提出されています。
源泉徴収票を見れば一年間の給料の金額、納めた所得税の金額、納めた社会保険の金額、その他控除の金額など一目瞭然でわかります。
確定申告をしない場合は、この源泉徴収票がその一年間の所得や所得税の最終結果となりますね。
源泉徴収票はどんなときに必要なのか
源泉徴収票はそれを見れば一年間の所得や税金が分かる有用な資料ではありますが、ほとんどの方は使う機会はありません。
しかし、いくつかのケースには源泉徴収票の提出が必要となります。
確定申告をする
まずは前述したように確定申告のときですね。紙ベースで提出するときは添付が必要ですし、電子申告をする場合でも確定申告書類を作るためには源泉徴収票のデータが必要となります。
会社員の方でも副業をしていたり、ふるさと納税でワンストップ特例が使えない場合、医療費が10万円を超えている、住宅ローン控除を受ける初回などは確定申告が基本的に必要となります。
※2019年4月からは紙ベースでの確定申告でも源泉徴収票の添付は不要となりました
マイナンバーの効果だとのことです。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
2019年(平成31年)4月1日以降の確定申告から「源泉徴収票」の添付が不要となりました。源泉徴収票はかなり無くしてしまう方が多い書類でしたし嬉しい変更ですね。ようやくマイナンバーの効果が出てきた感じ。ただし、勘違い[…]
転職をした
転職をした場合も前職の源泉徴収票が必要となるケースがあります。転職先で年末調整を行うときに前職分の金額を加算して計算するために必要となるからです。
また、転職先にもよりますが、給料を決める際に前職の給料を前提として算定する場合に源泉徴収票を提出を要求されるケースもありますね。
私はヘッドハンティング会社から源泉徴収票を要求されたことがあります。
その条件を元に交渉するとのことでした。前職の給料等を嘘ついて交渉する方もいるからなんでしょうね。
お金を借りる
また、住宅ローンなどでお金を借りるときにも源泉徴収票の提出を要求されるケースが多いです。
源泉徴収票をみればその人の所得など一発でわかりますからね。
お金を貸す審査の証拠となります。お金を借りる場合でも金額が少ない時は源泉徴収票の提出までは要しないこともありますけどね。
大きな金額の借入の場合には過去3年分の源泉徴収票をもってきてくださいと言われるようなこともありますので用意が必要となります。
家を借りる
こちらも大家さん次第ですが賃貸マンション等の申し込みをする際に源泉徴収票を要求されることがあります。
これはその人が家賃を払ってくれるのか、払えるのか、本当にその会社に勤めているのかを検証するために使っています。
所得制限のある補助金、助成金、手当を申請
所得制限のある補助金や助成金、各種手当てなどをもらうときに源泉徴収票を添付しないと行けないときもあります。
最近は自治体などマイナンバーで確認できるようになっていますので、源泉徴収票や所得証明の提出は不要としているケースもありますけどね。
源泉徴収票を発行、再発行してもらう方法
源泉徴収票は前述のように年末調整の結果の意味を持つ書類です。
ですから会社は発行しなければならない交付義務があります。
ただし、平成19年1月1日以後については一定の条件をクリアした場合には電子交付も可能となっており、紙ベースでなくても構わないとされています。
源泉徴収票はいつもらえるのか
多くの場合には、年末の給料明細と一緒に源泉徴収票を配布されるケースが多いでしょう。
年末調整が遅い会社の場合には1月の給料と一緒というケースもあります。
給料明細と一緒で配布されるケースが多いため紛失も多く発生してしまっているのが現状ですね。
退職した場合は1ヶ月以内に発行
ちなみに会社を退職をした場合も1ヶ月以内に源泉徴収票を発行しないといけないというルールがあります。
郵便の事情などを加味しても1ヶ月ちょっとでは源泉徴収票が届くはずです。
源泉徴収票の発行、再発行は勤務先に依頼
源泉徴収票の再発行や発行は勤務先(発行元)に依頼してください。
パート・アルバイトの方などで複数の会社で働いている方はそれぞれの勤務先から源泉徴収票が発行されているはずですからそれぞれに依頼しましょう。
派遣社員の場合は働いている派遣先ではなく派遣元(派遣会社)に依頼してください。
また、転職している場合には前職の源泉徴収票が必要になる場合もありますのでそちらは前職の会社に発行を依頼します。
書類の提出が必要な場合も
勤務先によっては源泉徴収票の再発行のための申請書などが用意されているケースもあります。
それを記入して提出すればOKです。
また過去(1年前、2年前)などの源泉徴収票が必要な場合も対応してくれますので何年の源泉徴収票がほしいのか依頼をしてください。
ちなみに会社側は源泉徴収票を7年間は保管する義務がありますので控え等は残っているはずです。
発行までどれくらい掛かるのか
再発行までの期間は勤務先によってマチマチです。
年末調整のデータさえ消えてないなら再発行自体はそれほど大変な作業ではありませんからそれほど時間をかけずに再発行してくれるはずです。
ただし、給料計算を外部の会社や社会保険労務士事務所、税理士事務所などが行っているような場合は多少時間が掛かることもあります。
税務署や市役所では基本的にもらえない
ちなみに勤務先にお願いしにくいからといって税務署や市役所の税務課にお願いしても基本的には出してくれないと思いますのでお気をつけください。(税務署や市役所にも提出はされていますが)ちなみに震災でデータが飛んでしまったなど特殊なケースの場合は発行してくれることもあるそうです。
手数料は無料
源泉徴収票の再発行は手数料は無料です。
ただし、会社によっては別途料金を徴収しているケースもあります。
個人的には源泉徴収票の再発行で料金を徴収するのはどうかとは思いますが・・・
源泉徴収票を発行、再発行を拒否された場合
源泉徴収票については基本的に発行は義務ですがそれを知らない担当者が発行や再発行を拒否するなんてこともあります。
私も転職後に再発行を要求したらすでに一度出したとか言われて拒否されたことがあります。(もらってなかったんですけどね・・・)
このようなケースの場合は対策がありますのでご紹介しましょう。
源泉徴収票不交付の届出書を税務署へ出す
それは源泉徴収票不交付の届出書という書類を提出することです。
これは源泉徴収票が支払者から交付されない場合に税務署に提出をします。
すると税務署側で勤務先に発行するように指導してくれるのです。私の場合はこれを税務署に提出したらすんなり再発行してくれましたね。
税務署から言われると怖いのかも知れません(笑)
会社がすでに倒産していたりして誰に連絡したらよいのかわからないようなケースのこちらの書類で税務署にお願いすると良いでしょう。
まとめ
今回は「源泉徴収票をもらえなかったり、紛失したらどうすればよいのか?発行、再発行してもらう方法をご紹介」と題して源泉徴収票について見てきました。
まとめるとこんな感じです。
再発行が必要な場合は、勤務先(発行元)へ
発行を拒否されたら源泉徴収票不交付の届出書を税務署へ提出
読んでいただきありがとうございました。
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