医療費をたくさん払った方は確定申告をすると還付金がもらえるかも

医療費控除の手続き、申請方法、還付金額などをわかりやすく解説。医療費をたくさん払った方は確定申告をすると還付金がもらえるかも。

サラリーマンの方は基本的に年末調整をすることで所得税や住民税が確定します。

しかし、年末調整だけでは完結せず、確定申告が必要となる控除がいくつかあります。

これら控除は自己申告制ですから確定申告をしないとそこで終わり(税金納めすぎ)ということも・・・

その中でも特に該当者が多いのが医療費控除です。

医療費控除は対象なのに気づかず放置してしまっている方が結構多いんですよ。

まずは制度を理解して自分が対象となるのかを確認しておきたいところですね。

そこで今回は医療費控除とはなにか、医療費控除の手続き、申請方法、還付金額などをわかりやすく解説していきます。

医療費控除とは

医療費控除とは名前の通り、名前のとおり、医療費の1年間の支払額に応じて所得控除されるものです。

所得控除されれば所得税や住民税が安くなりますので節税につながる制度となります。

多くの控除は年末調整で完結します。

しかし、医療費はセンシティブな内容を含むため会社に申請したくないって人が多いことから年末調整の対象にされていないんですよ。

そのため、確定申告をしないと医療費控除が適用されないのです。

医療費控除の申請は義務でも強制でもありませんが、少しでも税金を減らしたいならやるべきでしょう。

ただし、医療費控除だけの確定申告でも結構面倒な部分もありますから還付金額を計算してそれに応じて検討してみてくださいね。


医療費控除の対象となる医療費の要件

医療費といっても支払ったものがすべて対象になるわけではありません。一定のルールがあるのです。

対象となる医療費は以下の要件を満たしたものです。

(1) 納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
(2) その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること(未払いの医療費は、現実に支払った年の医療費控除の対象となります。)

簡単に言えばその年に実際に払った医療費で自分か生計が同じ家族のために支払った医療費ってことですね。

ちょっと注意しなければならないのが実際にその1年間に支払った分だけということですね。

未払い分はその年の対象とはなりません。

クレジットカードで医療費を支払ったらどうなるのか?

最近、病院や薬局などでクレジットカードを使えるケースが増えています。

この場合の扱いはどうなるのでしょう?

結論を言えばクレジットカードで支払っても当然、医療費控除の対象となります。

なお、クレジットカードの場合は窓口でクレジットカードを決済した日が対象となります。

銀行口座からお金が落ちた日ではありませんのでご注意ください。

ポイントで医療費を支払っても医療費控除対象?

また、ドラックストアなどではポイントで支払えるケースもあります。

この場合はどうなるのでしょうか?

こちらもクレジットカードと同様です。医療費控除の対象となります。

私自身、ポイントで買うことが多かったので念の為、税務署に確認してみました(笑)

医療費控除の対象となる医療費の内容

また、上記の要件を満たした医療費がすべて対象となるわけではありません。

内容によっては対象外もあります。

国税庁のWEBページに掲載されているのは以下の項目です。

対象となる医療費の定義はかなりひろいんですよ。

○医師又は歯科医師による診療又は治療の対価
○治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価
○病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価
○あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価
○保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価
○助産師による分べんの介助の対価
○介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価
○介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
○医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの
○医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用
○身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師等の診療等の費用に相当するもの
○骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金
○日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金
○高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導

あまり知られていないのが医薬品の購入(ドラックストアなどで購入でも)や治療をうけるために利用した通院費(タクシー代、バス代、電車代など)も対象となるのです。

ただし、上記でも対象とならないものがあります。

○健康診断の費用
○医師や看護師に対する謝礼金
○付添をしてくれた家政婦さんなどへのお礼や心付け
○ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入
○疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないもの
○自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等
○美容目的の美容整形、歯科矯正
よく勘違いしている方が多いのが健康診断の費用ですね。
こちらは対象となりません。
また、薬でもビタミン剤など病気の予防や健康増進のために用いられるものは対象となりません。
あとは自家用車のガソリン代や駐車場代も不可ですのでお気をつけください。

医療費控除の対象となる金額

医療費控除の対象となる金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。

実際に1年間で支払った医療費ー保険金などで補填される金額ー10万円※

保険などで補てんされる金額とは生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などのことです。

※その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を引いた金額

具体的な例を用いてみていきましょう。


医療費控除計算例

例えば1年間で医療費として20万円払っていた方がいたとしましょう。

その方は保険から5万円還ってきたとします。

総所得金額が200万円以上の場合は以下の計算となります。

20万円-5万円-10万円=5万円

医療費控除の対象金額は5万円ということですね。

この計算が0やマイナスになるなら医療費控除は申請できない(しても意味がない)ということになります。

つまり、1年間に支払った医療費が10万円未満だった場合ははじめから対象外です。

また、支払った医療費は10万円を超えていても入った保険金を加味すれば自己負担が10万円未満の方も対象外となります。

医療費控除の手続き

医療費控除を適用するためにはは以下の流れで確定申告を行う必要があります。

難しくはありませんが、少々面倒ではあります。

医療費控除の明細書に記入

医療費控除を申請するにはまず以下の明細書を入手(ダウンロード)して記載をします。

※ダウンロードができない方は税務署でも配布しています。

また、e-Taxを行う方は国税庁のWEB上で明細書への入力が可能です。

>>医療費控除明細書

内容自体は難しくなく、医療費通知もしくは医療費の領収書を見ながら医療を受けた方の氏名、病院・薬局等の名前、医療費の区分、支払った医療費の額、保険で補填される金額を記入していき、それを合計するだけとなります。

確定申告書を記入し申請

そしてその計算結果を元に算出された医療費控除額を確定申告書に記入します。

なお、お勤めしていて給料をもらっている方は源泉徴収票という書類を会社からもらっていると思います。

その記載内容も確定申告書には記載をする必要があります。

そちらを記載後、税務署に提出。→還付を待つということになります。

なお、還付は早く申請すればするほど早くされます。

医療費控除の期限

確定申告は翌年の2月16日〜3月15日の間となっています。

ですから基本的にその期間にすればOKですが、還付の申請の場合は翌年の1月1日から受付をしています。

早くに申請をすればそれだけ早く還付されます。

特に混みだす2月16日よりも前に申請をするとかなり早く還付されますね。

また、過去の申請を忘れていた場合も5年以内なら申請が可能です。

レシートや領収書の扱い

昔は医療費のレシートや領収書の添付が義務付けれらていました。しかし、現在は医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して提出することとされました。

つまり、レシートや領収書の添付は不要です。ただし、5年間ご自宅等で保存する必要がありますのでご注意ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

医療費控除でいくら還付されるのか?

医療費控除でいくら戻ってくるのかの計算は簡単です。

下記の所得税率と医療費控除額を掛ければ計算できるのです。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

出所:国税庁「所得税の税率」より

医療費控除額×所得税率
つまり、医療費控除を受けることでそれだけ課税所得が少なくなり、所得税率分だけ税金が少なくなるってことですね。
上記のとおり、結構手間な部分もありますので還付される金額と手間の部分で申請するか否かを検討してみてください。

言葉だけだと少々わかりにくいところもありますので実際の例でどれだけ還付されるのかを見ていきましょう。

還付例

例えば上記表の695万円を超え 900万円以下に該当する方が10万円の医療費控除があるケースで見ていきましょう。

100,000円×23%=23,000円

このケースの場合には23,000円還付されるということですね。

家族の医療費はだれか一人にまとめた方が得

これはテクニック的な話ですが、医療費控除の対象となるのは自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費となります。

つまり、配偶者や家族の分も対象となるのです。

例えば共働きで複数の方が働いているようなケースは、それぞれ自分の医療費を申請することもできますし、家族分をまとめて申請することが可能です。

ですが、上記計算を考えると所得税率の高い方がまとめて申請したほうが家族全体の医療費控除による還付は高くなるのです。

ですから家族全員まとめて申請するのがおすすめですね。

まとめ

今回は「医療費控除の手続き、申請方法、還付金額などをわかりやすく解説。医療費をたくさん払った方は確定申告をすると還付金がもらえるかも。」と題して医療費控除についてみてきました。

医療費控除はわかりにくい制度のため、せったく対象なのに申請(確定申告)をしていない方が多いと言われています。

対象となる方は忘れずにやっておきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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