2人に1人はガンになるってほんと?がん保険に入る必要性について考える

保険会社が二人に一人はガンになる時代と大々的にCMしてがん保険への加入を誘っています。

これは本当なのでしょうか?

またがん保険に入る必要は本当にあるのでしょうか?

今回は二人に一人はガンになるって本当なのか、また、がん保険に入る必要性について考えていきます。

保険全般の考え方についてはこちらの記事をご覧ください。

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2人に1人はガンになるって本当なのか?

まずは二人に一人はガンになるって本当なのかについて見ていきましょう。

国立ガン研究センターの統計資料によると

生涯でがんになる確率は男性62%女性47%

となっています。

実際の統計データでも2人に1人がガンになるとのデータとなっているんですね。

つまり、二人に一人はガンになるって話は本当なのです。

それならガン保険にはいった方が得じゃんと思う方もいるかもしれません。

しかし、そんな簡単なものではないのです。

そもそも保険とは

保険は将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度です。

予測される事故発生の確率が半分なら保険料をかなり高額とするか給付を少なくするなどしないと保険として成立しないのです。

しかしがん保険は各社売っています。

どういうことなのでしょうか?

実は2人に1人がガンになるという話は嘘ではありませんが、ある意味統計のトリック的な見せ方なんですよ。

本当に何もトリックもなく2人に1人がガンになるならばがん保険は保険商品として成立しません

統計資料って見せ方によって捉え方が大きく変わってしまうんですよね。

下記は日本人の金融資産の統計資料の見せ方について言及したものですが参考にどうぞ。

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統計に騙される



年齢別のガンになる確率

それではトリックについて見て見ましょう。

まず一つ目が年齢別にどれくらいの確率でガンになるかです。

ガン保険に入るならこちらが大事な情報となります。

現在の年齢別がん罹患リスク:男性

それぞれの年齢別のガンになる確率は以下の通りとなります。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

現在の年齢10年後20年後30年後40年後50年後60年後70年後80年後生涯
0歳0.1%0.3%0.5%1%2%7%21%41%62%
10歳0.1%0.4%0.9%2%7%20%41%62%
20歳0.2%0.8%2%7%20%41%62%
30歳0.6%2%7%20%41%62%
40歳1%7%20%41%63%
50歳5%19%40%63%
60歳15%38%63%
70歳29%60%
80歳53%

出典:国立ガン研究センター「最新ガン統計」より

30歳男性の例

30歳男性が60歳になる30年後までにガンになる確率は7%となっています。

50歳になる20年後までにガンになる確率は2%しかないんですね。

40歳男性の例

例えば40歳男性が60歳になる20年後までにガンになる確率は7%です。

50歳になる10年後までにガンになる確率は1%しかないんですね。

どちらのデータも意外と少ないと感じた方が多いでしょう。

つまり、ガンになる確率は高齢者になってから急激にあがるんですよ。

現在の年齢別がん罹患リスク:女性

次は女性です。同じような確率になっていますね。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

現在の年齢10年後20年後30年後40年後50年後60年後70年後80年後生涯
0歳0.1%0.2%0.6%2%5%11%18%29%47%
10歳0.1%0.5%2%5%11%18%29%47%
20歳0.3%2%5%10%18%29%47%
30歳1%5%10%18%29%47%
40歳3%9%17%28%46%
50歳6%14%25%44%
60歳9%21%41%
70歳14%36%
80歳28%

出典:国立ガン研究センター「最新ガン統計」より

30歳女性の例

例えば30歳女性が60歳になる30年後までにガンになる確率は10%です。

50歳になる20年後までにガンになる確率は5%しかないんですね。

40歳女性の例

40歳女性が60歳になる20年後までにガンになる確率は同じく9%となっています。

50歳になる10年後までにガンになる確率は3%しかないんですね。

女性は若くても乳がんになる可能性があるため男性と比較すると少し高めにはなっています。

それでも方向性は同じですね。

ガンになる確率は高齢者になってから急激にあがるってことです。

ガンで死亡する確率は・・・

それではガンで死亡する人はどれくらいいるのでしょうか?

国立ガン研究センターのデータによると生涯でがんで死亡する確率は、男性25%(4人に1人)、女性15%(7人に1人)となっています。

現在の年齢別がん死亡リスク:男性

それぞれの年齢別のガンで死亡する確率は以下の通りとなります。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

現在の年齢10年後20年後30年後40年後50年後60年後70年後80年後生涯
0歳0.0%0.0%0.1%0.2%0.5%2%6%14%25%
10歳0.0%0.1%0.2%0.5%2%6%14%25%
20歳0.0%0.1%0.5%2%6%14%25%
30歳0.1%0.4%2%6%14%25%
40歳0.3%2%6%14%25%
50歳1%6%14%25%
60歳5%13%24%
70歳10%22%
80歳16%

出典:国立ガン研究センター「最新ガン統計」より

30歳男性の例

30歳男性が60歳になる30年後までにガンで死亡する確率は2%となっています。

50歳になる20年後までにガンで死亡する確率は0.4%しかないんですね。

40歳男性の例

例えば40歳男性が60歳になる20年後までにガンで死亡する確率は2%です。

50歳になる10年後までにガンで死亡する確率は0.3%しかないんですね。

どちらのデータも意外と少ないと感じた方が多いでしょう。

現在の年齢別がん死亡リスク:女性

次に女性の年齢別のガンで死亡する確率は以下の通りとなります。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

現在の年齢10年後20年後30年後40年後50年後60年後70年後80年後生涯
0歳0.0%0.0%0.1%0.2%0.7%2%4%8%15%
10歳0.0%0.1%0.2%0.7%2%4%8%15%
20歳0.0%0.2%0.6%2%4%8%15%
30歳0.1%0.6%2%4%8%15%
40歳0.5%2%4%8%15%
50歳1%4%8%15%
60歳2%7%14%
70歳4%12%
80歳9%

出典:国立ガン研究センター「最新ガン統計」より

30歳女性の例

30歳女性が60歳になる30年後までにガンで死亡する確率は2%となっています。

50歳になる20年後までにガンで死亡する確率は0.6%しかないんですね。

40歳女性の例

例えば40歳女性が60歳になる20年後までにガンで死亡する確率は2%です。

50歳になる10年後までにガンで死亡する確率は0.5%しかないんですね。

どちらのデータも意外と少ないと感じた方が多いでしょう。

つまり、ガンで死亡する方も多くは高齢者になってからということになります。



がん保険に入る必要はあるのか?

今まで見てきたように2人に1人はガンになる、4人に1人はガンで死亡するという謳い文句は本当です。

しかし、若い時点でガンになる方は意外に少なく、実際にガンになる方の多くが高齢者であることがわかっていただけたと思います。

また、若い時点でガンで死亡する方はかなり少ないのです。

それではこの話を踏まえてガン保険には入った方が良いのでしょうか?

私なりの保険への答えとしては自分でヘッジ(回避)できる程度のリスクなら保険不要としています。

つまり、自分でガンに備えられるかどうかでがん保険が必要かどうかが決まります。

がん保険とは

がん保険とはガンになった時に給付を受けられる保険です。

給付は保険会社や保険の種類により様々となっています。

一時金で100万円程度もらえるものもあれば、入院でいくらといったもの、手術でいくら、抗がん剤でいくらといったものなんかがあります。

また、健康保険の対象外となる先進医療が保険給付の対象となるものもあります。

実際にがん保険の試算して見た

実際にある会社のがん保険で試算して見ました。

30歳男性が保険料払込期間が終身の定額タイプ(入院給付金日額10,000円)に加入すると月額約3,400円です。

60歳まで掛ければ1,224,000円の掛け金となります。

ガンにかかった時にもらえる給付は

一時金50万円
入院や通院1日1万円
手術20万円
先進医療は自己負担額全額

などになります。

治療内容や入院期間によりますが、60歳でガンと診断されても給付金と掛け金はこの時点でトントンくらいだと思われます。

30歳男性が60歳になる30年後までにガンになる確率は7%です。

もちろん60歳以降にガンになる可能性はどんどん上がっていきますが、それだけ掛け金がかかってきてしまうんですね。

つまり、確率論や期待値だけで考えればがん保険を掛けるよりもその分を貯めておいたり、運用に回した方が得になる可能性が高くなりますね。

その辺りを考えると経済的な損得を考えるとマイナスとなる可能性は高い商品と言えるでしょう。

そのためガンになってしまった時に必要な費用を後述する高額療養費を含めて自己負担で賄えるならばがん保険は不要という選択は妥当なのです。

先進医療を考えると・・・

ただし、ガンの研究はどんどん進み、医療技術もどんどん進化しています。

そのためがんの治る確率は格段に上がっています。

しかし、それらの新しい医療技術は健康保険の適用に時間がかかることも多く先進医療として自己負担になってしまいます。

また、先進医療はかなり高額となるケースが多いです。

そのためこの辺りの先進医療を積極的に気兼ねなく利用したいと考えるなら先進医療に対応できるがん保険に加入するのもありな選択肢です。

私もがん保険は入っていますが、この目的となります。

がん保険に死亡保険の特約は不要か

ちなみに前述のようにガンで若いうちに死ぬ可能性はかなり少ないです。

がん保険に死亡保険の特約を付けるのは期待値を考えるとあまりオススメしません。

高額療養費制度

日本には公的な医療保険があります。

また、手術や入院などで高額な医療費が掛かったとしても高額療養費制度という制度があり自己負担もそれほどになりません

がん保険の必要性を考える場合はこの辺りも加味して検討したいところです。

高額療養費制度の内容について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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団信保険のがん特約

住宅ローンを組むときに加入する保険の団信保険にがん特約なるものが多く出回っています。

団信は基本的に住宅ローン加入者がそのローンを全額返済できないうちに死亡もしくは所定の高度障害になった場合に支給されます。

がん団信はさらに「がん」と診断確定した場合に支給されることになります。

つまり、「もしも」のときの範囲を「がん」の診断まで広げてくれたタイプってことですね。

がんになるといろいろお金も掛かるでしょうし、仕事もできなくなる可能性もありますからメリットが大きくありがたい仕組みですね。

多くの場合はこの特約に入ると利率が少し高くなります。(込みのタイプもありますが、内部的にはその分上乗せされているのでしょう)

例えば年0.1%とかですね。

ですからこの負担をどう考えるかということですね。

これもある意味統計をうまく利用した商品で2人に1人はガンになると言われれば入ったほうが得な気がしますが、実は多くの方が住宅ローンを借りる年齢の場合は返し終わるまでにがんになる確率の方がかなり少ないんですよ。

もしものときという意味で入るなら良いのでしょうが、得する可能性が高いと言われると違うのでお気をつけください。




まとめ

今回は「2人に1人はガンになるってほんと?がん保険に入る必要性について考える」と題してがん保険について見てきました。

まとめると以下の通りです。

2人に1人はガンになるってほんとである。
しかし、多くは高齢になってからであることはがん保険に入る前に知っておく必要がある。
がん保険は損得だけ考えるならマイナスとなる可能性が高い。
そのため、がんになってしまった時の費用を自己負担で賄えるならば入らないという選択肢が妥当である。
しかし、先進医療などを気兼ねなく使いたいと考えるならがん保険に入るという選択肢もありである。

二人に一人はガンになるのに保険として成立しているのはこういうカラクリがあるんですよね。

加入するにしてもこの辺りを理解して掛けたいところですね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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