児童手当が「大人のお小遣い」で見直し要請。それならジュニアNISAは「大人の遊び場」で問題でないか?

財務省が2020年度当初予算案の編成で児童手当を「大人の小遣い」にしている人が多いということで必要な人だけに絞るべきだとの要請を出しました。(財務省が根拠として利用しているデータが間違っているという話もでていますが・・・)

個人的にはお金に色があるわけでもありませんからなんだかな・・・って思うのですが、この理屈が通るなら同じく問題となりそうなのがジュニアNISAです。

今回はジュニアNISAの問題について考えて見たいと思います。

ジュニアNISAとは

まずは、今回の話の前提となるジュニアNISAとはどういった制度なのかから見ていきましょう。

ジュニアNISAとは2016年度から始まった未成年者(0~19歳)を対象とした少額投資非課税制度です。

通常、株や投資信託の売却益や配当には約20%の所得税・住民税が掛かります。

しかし、この枠内であればそれらを非課税としますよって制度です。

年間80万円分の非課税投資枠が設定され、購入できるのは通常のNISAと同じ上場株式、株式投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります

非課税期間も通常のNISAと同じく最長5年間となります。

枠は通常NISAが120万であるのに対して80万円と少し少なくなっています。

ジュニアNISA概要
出所:金融庁「ジュニアNISAの概要」より

つまり、未成年者の将来のために長期投資を行う制度です。

基本的には資金は親や祖父母等が出して、運用は親権者(運用管理者)が子供や孫のために代理で行います。

ジュニアNISAとNISA、つみたてNISAとの違い

同じNISAの言葉がついていますが、通常のNISAとつみたてNISAとは少し制度が違います。

それぞれの概要は以下のとおりです。

少しずつ違いがありますね。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

ジュニアNISANISAつみたてNISA
対象者日本に居住する0歳から19歳までの未成年者日本にお住まいの20歳以上の方日本にお住まいの20歳以上の方
非課税枠年間80万円まで
(5年間で最大400万円)
年間120万円まで
(5年間で最大600万円)
年間40万円まで
(20年間で最大800万円)
非課税期間最長5年間最長5年間最長20年間
対象商品上場株式・公募株式投資信託等上場株式・公募株式投資信託等厳選された投資信託、ETF
運用者親権者本人本人

また、もう一つ大きな違いがあります。

18歳まで払出し制限

NISAやつみたてNISAが途中で払い出しが自由であるのに対して(枠は消費していますが)ジュニアNISAは払い出し制限があり、子供が18歳になるまで、口座からの資金の払い出しが行うことができない点です。

もし途中で払い出した場合は非課税ではなくなってしまうのです。(過去の収益も含めて課税)

また、20歳以降は自動的にNISA口座が開設されます。

払い出し制限をつけることで児童手当のように大人の小遣いとせず「子供のための学費などの資金に使ってね」としているんですね。

制度的にはその辺りまで考えられているのです。

ジュニアNISAの問題とは?

それではジュニアNISAにはどのような問題があるのでしょう?

それはジュニアNISAのランキングを見れば一目瞭然です。

ジュニアNISAは大人の遊び場

かなり短期思考の売買となっているのです。

2019/11/4 ~ 2019/11/8のSBI証券のジュニアNISA週間買付金額ランキングを例に見ていきましょう。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

オリックス
ソフトバンクグループ
日産自動車
ANAホールディングス
ソフトバンク
日本たばこ産業
ウエルス・マネジメント
メディキット
10日本航空

注目すべきは2位の「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」です。

あまり聞き慣れない商品かもしれません。

これは日経平均株価の騰落率の-2倍として計算される株価指数に連動する上場投信です。

例えば日経平均が1%あがると日経平均ダブルインバース・インデックスは2%の下落となります

逆に日経平均が1%下がると日経平均ダブルインバース・インデックスは2%上がります。

つまり、日経平均が下がると予想した人向けのちょっとしたレバレッジがついたような商品なのです。

日経平均の逆の倍の動きですからかなり値動きが大きいものとなり、基本的にはかなりの短期思考の商品なんですよ。

そのような商品が2位となっているのです。

また、ウエルス・マネジメントやメディキットなどあまり知名度がない株が上位になるのも気になる方が見えるでしょう。

この2つはこの期間にかなり値が動いていた株です。

他の銘柄も決算発表だったりがあったり、間近に迫ったことで売買が大きくなった銘柄たちです。

つまり、ジュニアNISAは短期売買の場として利用されてしまっているのです。

別に児童手当のように大人の小遣いとなっているわけではありませんが、そのような実際の利用状況ですからジュニアNISAが大人の遊び場となっていると言われても不思議ではないでしょう。

実際に、NISA枠を超えて売買をしたい方のもう一つのNISA枠として利用されているというのが現状でしょう。

ジュニアNISAで日本たばこ産業も疑問

また、以前も問題じゃないか?との記事を書いたことがありますが、ジュニアNISAでずっと人気がある株があります。

日本たばこ産業(JT)です。

以前の記事はこちら

前述のランキングでも7位に位置していますね。

保有残高ランキングでも4位にランクインしています。

つまり、多くの方がジュニアNISA口座で日本たばこ産業(JT)を買っているのです。

高配当で日本政府が筆頭株主ですから長期投資として買っているのだと思われます。

別にお金に色はついていませんし、どこに投資をしても儲かればよいではないか?と考える方もおみえでしょう。

しかし、個人的にはあまり勧めたくないたばこというものに若い頃から接したり、親近感を覚える可能性が高い子供の証券口座に日本たばこ産業(JT)を入れるのにとても疑問を感じます。

ジュニアNISAは運用するのは親権者ですがあくまでも未成年の口座ですし、たばこ産業は最近大きな流れとなっているESG投資の観点からは除外されている業界ですからね・・・

ジュニアNISAの改正提言

子供の学費などを投資で応援しようってジュニアNISAの考え方はよいと思うのです。

ただし、今のルールだとどうしても上記のような問題が発生してしまうのです。

ですからそのような問題点を是正するために私がジュニアNISAの改正を行うならば以下のようにします。

投資対象は厳選された投資信託のみ
非課税期間は20歳まで(早くに始めたほうが得)
非課税枠年間40万円まで

非課税期間以外はつみたてNISAとほぼ同じルールですね。

ジュニアNISA本来の目的を考えるならつみたてNISA的に毎月積立てをして長期投資をするという方が適していると考えます。

ぜひ制度改正を検討してほしいところです。

まとめ

今回は「児童手当が「大人のお小遣い」で見直し要請。それならジュニアNISAは「大人の遊び場」で問題でないか?」と題してジュニアNISAの問題について考えてみました。

ぜひジュニアNISAは制度改革も含めて検討していただきたいな・・・って思います。

ちなみにジュニアNISAは他のNISA口座やつみたてNISA口座と違い取扱する証券会社や銀行を一度決めると変更できませんので慎重に決めたいところですね。

おすすめはSBI証券のようなネット証券会社ですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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