株式投資をするならESG

株式投資をするならESGを知っておこう。厚生年金、国民年金を運用するGPIFへの影響も大

ここ数年、急にその言葉を聞くようになったESG投資

持続可能な開発目標(SDGs)と並んでブームに近いレベルになっています。

その影響は大きく、多くの会社の株価にも出てきているようです。

わかりやすい例だとタバコ産業です。

ESG投資の観点から資金を撤退させる投資機関が多くなり株価がかなり軟調ですね。

そしてみなさんが身近な年金もこのESG投資の影響を受け始めています。

今回はこのESG投資について見ていきましょう。

ESG投資とは

ESG投資とは
ESG投資とは

出典:年金積立金管理運用独立行政法人「2018年度ESG活動報告」より

ESGとは、Environment(環境)Social(社会)Governance(企業統治)の3つの言葉の頭文字から来た言葉です。

企業が長期的に安定して成長していくためには

CO2の排出量や水資源、生物多様性、環境汚染の回避などの環境に配慮しているかどうか

女性の社会進出や障害者雇用などのダイバーシティ、従業員の健康管理などの社会に配慮しているかどうか

社外取締役の採用や少数株主の保護、法令遵守、情報開示など企業等にを意識しているかどうか

なども考えることが必要であるという観点から世界的にこの考え方が浸透し始めています。

ESG投資とは簡単に言えば企業の財務面や事業内容だけでなく上記の3つの環境、社会、企業統治の観点を意識して投資を行うことです。

とくに年金基金など機関投資家を中心にその考え方が広まってきています。

その代表的な活動が「責任投資原則(PRI)」です。


責任投資原則(PRI)とは

PRIに署名したアセットオーナー数
PRIに署名したアセットオーナー数

出典:年金積立金管理運用独立行政法人「2018年度ESG活動報告」より

責任投資原則(PRI)とは機関投資家の意思決定プロセスにESG課題(環境、社会、企業統治)を受託者責任の範囲内では反映させるべきとした世界共通のガイドラインです。

国連関連の国連環境計画(UNEP)並びに国連グローバル・コンパクトが推進しています。

法的拘束力を持たない任意の原則ですが、多くの年金基金、企業が署名しています。

世界で見れば上記の図のように432機関の機関が署名していますね。

日本でも厚生年金、国民年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年に署名しています。

他にも米国最大の公的年金基金のカルパースなど多くの投資機関などが署名していますね。

責任投資原則(PRI)は下記6つの原則からなっています。

・私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます。
・私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。
・私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます。
・私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。
・私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
・私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します出典:ウィキペディア「責任投資原則」より

ESG投資の種類

ESG投資はいろいろなパターンがありえますが、GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)は7つの種類に分類して統計を発表しています。

ネガティブ・スクリーニング
ESGインテグレーション
国際規範スクリーニング
ポジティブ・スクリーニング/ベスト・イン・クラス
サステナビリティ・テーマ投資
インパクト・コミュニティ投資
エンゲージメント/議決権行使
簡単にそれぞれ説明しておきましょう。



ネガティブ・スクリーニング

まずは1つ目ネガティブ・スクリーニングです。

これは「罪ある株式(sin stocks)」を除外するという考えです。

具体的に言えば特定の業界の株式や債券を投資対象から除外する投資手法で、ESG投資の中で現在最も運用額が大きいのがこのネガティブ・スクリーニングとなっています。

例えば下記のようなものの取り扱いがある業界などが排除されます。

武器
ポルノ
ギャンブル
たばこ
アルコール
動物実験
原子力発電
化石燃料

私も過去にジュニアNISAで「日本たばこ産業(JT)」が買付1位となっていたことをこれはどうなんだ?と問題視したことがありますが、この考え方に当てはめるとJTは排除される銘柄なんですよね。

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日本タバコ産業駄目

ESGインテグレーション

ESGインテグレーションは財務情報だけでなくESG情報も取り入れて投資をする手法です。

つまり、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の部分も投資判断に加えるということです。

特徴としてはESGの観点で選抜もしませんし、除外もしません

あくまでも財務情報のプラス情報として利用するってことでしょうか。

どのくらい重要視するのか、どの項目を判断するのかは投資機関ごとに決められます。

GPIFがインデックス・ポスティングで情報収集をするとしている「外国株ESG総合指数」なんかもこれにあたりますね。

ちなみにESG投資の中で現在2番めに運用額が大きいのがこのESGインテグレーションです。

国際規範スクリーニング

次は国際規範スクリーニングです。

これは環境破壊や人権侵害などの国際的な規範に基づいて最低限の基準に満たしていない企業や業界を排除する方法です。

国際労働機関(ILO)が定める「児童労働」「強制労働」などの規範
経済協力開発機構(OECD)が定める規範
国際連合機関が定める環境ルール
などです。
例えば世界的に名の通った企業でも新興国では児童労働が問題となったりするケースがあります。
そのような企業もここに該当しスコアが低くされます。
特に北欧の投資家はこの部分を重要視しているそうです。

ポジティブ・スクリーニング/ベスト・ベスト・イン・クラス

ポジティブ・スクリーニング/ベスト・イン・クラスは上記2つの逆でESGに優れた銘柄のみを選抜する投資方法です。

人権
環境
従業員対応
ダイバーシティー
などが対象となり、テーマごとに基準を設け、スコアを元に高いものが選抜する仕組みとなっています。

サステナビリティ・テーマ投資

サステナビリティ・テーマ投資とは社会や環境に関する特定のテーマを設定してそれに関連する企業を対象とする方法です。

例えば以下のようなものがあります。

再生可能エネルギー
持続可能な農

わかりやすいことから日本ではメジャーですが、海外ではまだこれからの分野だそうです。

インパクト・コミュニティ投資

社会的、環境的なインパクトがある技術やサービスを提供する企業に対して行う投資です。

ただし、なかなかビジネスとしては成り立たないことから上場していない企業が多くはなっています。

そういった企業に投資をするという意味でグリーンボンドなどもこちらに位置づけられるケースが多いですね。

エンゲージメント/議決権行使

エンゲージメント/議決権行使は株主としての立場から、投資先の企業に対してESGに関する案件に積極的に働きかける方法ですね。

ある意味物を言う株主ってことでしょうか。

2019年10月からGPIFがインデックス・ポスティング開始

日本の厚生年金、国民年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も2019年10月を目処にインデックス・ポスティングを開始します。

その部分実施として

①外国株ESG総合指数(ESGの要素を総合的に構成銘柄選定やウエイト付けに反映した指数)
②外国株ダイバーシティ指数(女性活躍等に関する要素を構成銘柄選定やウエイト付けに反映した指数)
③国内債・外国債グリーンボンド指数

の3部門について、先行的に情報収集する方向で検討しているようです。

なお、全面実施については2020年度中とされています。

①の外国株ESG総合指数はESGの要素を総合的に構成銘柄選定やウエイト付けに反映した指数です。

つまり、ESG投資ですね。

これにより、みなさんの年金もこのESG投資が直接関係してくるようになる可能性があるのです。

ただし、後述するようにESG投資が必ず採用されるわけでもないと思われます。


インデックス・ポスティングとは

今回GPIFで2019年10月を目処に開始されるインデックス・ポスティングとはベンチマークとなり得るインデックスに関する情報収集のために、新たなインデックスのアイデアを常時受け付ける仕組みです。

インデックス・ポスティングで登録されたインデックスのなかで、GPIFの運用の高度化に資すると判断されたものについては、別途、採用の可否について審査を行います。

つまり、今回下記の3つが先行して情報収集されますが、審査の土台に乗るというだけでGPIFの運用対象として必ず採用されるわけではないということですね。

①外国株ESG総合指数(ESGの要素を総合的に構成銘柄選定やウエイト付けに反映した指数)
②外国株ダイバーシティ指数(女性活躍等に関する要素を構成銘柄選定やウエイト付けに反映した指数)
③国内債・外国債グリーンボンド指数

ESGの取り組みはGPIFですでに実施中

上記の外国株ESG総合指数が採用されなくても上記でGPIFは責任投資原則(PRI)に署名していますのですでにESG投資の取り組みは行われています。

例えばGPIFは2018年9月、グローバル環境株式指数を選定し、国内・海外合わせて約1.2兆円規模で運用を開始しています。

グローバル環境株式指数は同業種内で炭素効率が高い企業の投資ウエイトを増やすことで、ポートフォリオ全体の温室効果ガガス排出量を大幅に削減したほか、企業の情報開示を促す仕組みも取り入れています。

他にも下記のESG指数で約3.5兆円の規模で運用されています。

FTSE Blossom Japan Index
MSCIジャパン ESGセレクト・ リーダーズ指数
MSCI日本株 女性活躍指数 (愛称「WIN」)
S&P/JPX カーボン・ エフィシェント指数
S&Pグローバル 大中型株カーボン・ エフィシェント指数 (除く日本)

見慣れない指数が多いですが、FTSE Blossom Japan Indexは ESG評価の絶対評価 が高い銘柄をスクリー ニングし、最後に業種ウエイトを中立化した ESG総合型指数。

MSCIジャパンESGセレクト・ リーダーズ指数は世界で1,000社以上が利用するMSCIの ESGリサーチに基づいて構築し、様々なESGリスクを包括的に市場ポートフォリオに反映したESG総合型指数。

MSCI日本株 女性活躍指数は女性活躍推進法によ り開示される女性雇用に関するデータに 基づき、多面的に性別多様性スコアを算出、各業種から同スコアの高い企業を選別して指数を構築。

S&P/JPX カーボン・ エフィシェント指数S&Pグローバル 大中型株カーボン・ エフィシェント指数 (除く日本)は 同業種内で炭素効率性が高い(温室効果ガス排出 量/売上高が低い)企業、温室効果ガス排出に関する情報開示を行っている企業の投資ウエイト(比重) を高めた指数です。

また、運用会社の運用プロセス等の評価のなかでESGについても評価しているそうです。

つまり、間接的ではありますが、すでにGPIFもESG投資の影響がでてきているのです。

ESG投資まとめ

今回は「株式投資をするならESGを知っておこう。厚生年金、国民年金を運用するGPIFへの影響も大」と題してESG投資について見てきました。

今後この流れはより強く生じてくると予想されます。

株式投資で銘柄を選ぶ際にもESGの観点を意識してみてくださいね。

ESGがプラスに働く銘柄は機関投資家がより投資してくれやすくなりますし、逆にESGの観点でマイナスとなる銘柄は機関投資家が入りにくくなってくる可能性が高そうです。

投資の基本の一つが「長いものに巻かれろ」です。

機関投資家の動きは意識しておく必要があるでしょう。

ただ、ESG投資から除外された銘柄は逆に割安で放置される可能性もありますから、そのギャップを取りに行くというのも一つですね。

どちらにしても今後の株式投資を考える上でESGの観点は大変重要度を増していると言ってもよいでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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