それでは高配当かつ、政府が保有していることから人気の高いJT株(日本たばこ産業)への影響はどうなのでしょうか。
当然、上記のように喫煙できる場所が減ればそもそものタバコの消費量が減る可能性が高いですから業績への影響は避けれれないと思われますが・・・
国内タバコ比率は意外?に高くない
日本たばこ業(JT)は実はそれほど国内タバコの比率は高くないのです。
下記のように約3割です。
ですから受動喫煙防止法に影響があるのはその部分だけということになります。
海外タバコの部分がかなり大きいんですよ。
出所:日本タバコ産業「アニュアルレポート」より
ある程度は織り込んでいるか?
また、今回の件はある程度織り込んでいる部分もある程度はあると思われます。
下記は日経平均とJT株(日本たばこ産業)の1年チャートです。赤が日経平均で青がJT株です。
日経平均と比較してかなり劣後しているのがわかると思います。日経平均が年初と比較して10%以上上げているのに対して、JT株は10%以上下げてしまっているという・・・
個人投資家を中心に購入ランキングは上位に来ているのに株価は奮っていないんですよ。
これは世界的なSDGsやESG投資の風潮で機関投資家が投資しづらくなったのもあるでしょうし、今回の受動喫煙防止法での業績の落ち込み予想を織り込んでいるのもあるでしょうね。
出所:ヤフーファイナンス 日本たばこ産業と日経平均 1年チャート
今後のたばこ産業
次に今後のたばこ産業について考えてみましょう。
下記は日本の性別・年代別喫煙率の推移です。年々低下しているのがわかると思います。
昭和40年には男性の82.3%、女性の15.7%が喫煙者でした。
しかし、平成30年の現在では男性27.8%、女性8.7%まで低下しています。
つまり、たばこ産業自体が大幅に縮小しているのがわかるとおもいます。
そこに加えて今回の受動喫煙防止法ですからかなりの向かい風が吹いているといってもよいでしょうね。
よく言われる外部環境が向かい風の業界に投資をすると失敗するという典型例となっています。
出所:厚生労働省「最新たばこ情報」より
世界的な喫煙者数
先進国を中心に喫煙率は下がっています。(日本は高めの国)
ですので全体を見ると今後も微減の予想がされています。
ただし、中国などの新興国を中心に急激にタバコの消費が増えています。
新興国でどれだけシェアを取れるのかがJTの今後に掛かっていると言っても過言ではないでしょう。
出所:tobaccoatlas.org
まとめ
今回は「2020年4月から受動喫煙防止法が全面施行へ。JT(日本たばこ産業)株はどうなる?」と題して受動喫煙防止法についての解説とそれによりJT株の影響を見てきました。
個人的には大賛成の法律施行ですが、JT株については向かい風ですね。
JT株は配当が高く政府が3分の1を持っているという潰れにくいという安心感があることから個人の人気が非常に高いです。
しかし、世界的なSDGsやESGの流れは今後もより強くなるでしょうし、そもそものタバコ利用者が減少傾向で業績の伸びは期待しにくいでしょう、(国内は元より世界的にたばこの需要も・・・)、さらに利益の8割を配当に回して将来の投資を行いにくい仕組みも考えて投資対象としてよく考える必要があるのではないか?と個人的は思いますね。
目先の配当だけを考えるのはやめましょうね。
いくら配当を5%もらっても株価が5%以上下がったら意味がない話ですからね・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
フェイスブックページ、ツイッターはじめました。
「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです
- 1
- 2