投資の世界には、「事故は買い、事件は売り」という相場格言があります。
今回はこの格言を念頭に置きながら、フジテレビの中居正広氏に関する一連の問題での株価への影響について考察してみましょう。
投資格言「事故は買い、事件は売り」
まずは前提となる投資の格言「事故は買い、事件は売り」についてみていきましょう。
事故が起きても、事件が起きても基本的に株価は大きく下がります。
しかし、事故は買っても良い。事件は売ったほうが良いという経験則に基づいて格言です。
簡単に解説をしていきましょう。
事故は買い
「事故は買い」は企業が自然災害や予期せぬ事故に見舞われた場合、一時的な株価下落はあるものの、業績への影響が限定的であるため、回復を見越して「買い」の好機と捉えるべきだという教えです。
例えば台風や地震などの防ぎようがない自然災害や突発的な事故などですね。
もちろんこれら事故は復旧などに費用が掛かりますから企業業績に大きな影響を与えます。
しかし、本質的な部分が毀損したわけではありませんから、復旧すれば業績も株価もいずれある程度までは戻るだろうという考えによるものです。
特に株は極端に動きますから売られすぎまで行っているようなケースでは「事故は買い」はかなり有効な戦術なんですよ。
事件は売り
逆に「事件は売り」は、企業の不祥事や法令違反といった「事件」の場合、企業体質や信頼性に深刻な問題があると判断され、株価の低迷が長期化する可能性が高いため、「売り」を推奨するものです。
例えば不正な経理処理(脱税・粉飾)、偽装、データ改ざん、私的流用、汚職、談合などなど。
事件の場合には事故と違い、根本の原因は会社の体質や幹部の考え方にある場合が多いです。
つまり、企業体質によるものです。
企業体質はそう簡単に変わりませんから今後も同じような事件を起こす可能性も大きく、そんな会社の株は買うなという考え方ですね。
どことは言いませんが、大手でも同じような事件を何度も起こしているところありますよね・・・
フジテレビの中居正広氏に関する一連の問題
それでは中居さんは、長年にわたりフジテレビの番組に出演し、高い視聴率を獲得してきた人気タレントです。
しかし、第三者委員会によればフジテレビのアナウンサーが業務の延長線上で中居氏の性暴力を受けたと認定されました。
清水氏は単独で登壇し、元同局アナが業務の延長線上で中居氏の性暴力を受けたと認定され、「大変厳しい指摘。認識がいかに甘かったか分かった。会社の責任を痛感している」と述べた。
サンスポ フジテレビ・清水社長「関係者を厳正に、速やかに処分する」 再生・改革ロードマップを公開
これらの情報が事実であれば、フジテレビの番組編成や視聴率、さらには広告収入に影響を及ぼす可能性があります。
事件なのか事故なのか
株のことを考えるとここで重要なのは、これらの出来事が「事故」なのか「事件」なのかを見極めることです。
中居さんのフジテレビのアナウンサーが業務の延長線上で中居氏の性暴力が個人間の間で発生したと捉えれば会社は直接は関係なく「事故」に分類されるでしょう。
一方、その問題が、もしフジテレビ側の不適切な対応や法令違反に起因するものであれば、これは「事件」と捉えることができます。
仮に今回の出来事が「事故」であると判断される場合、フジテレビの株価が一時的に下落しても、長期的には回復が期待できるかもしれません。
しかし、「事件」であると捉える場合、企業の信頼性やブランド価値の低下を招き、株価の低迷が続く可能性があります。
個人的には事件に近い話かな・・・って捉えております。
東芝の不適切会計問題
実際の投資判断においては、単なる格言に頼るのではなく、具体的な状況分析が不可欠です。
例えば、過去の事例として、2015年の東芝の不適切会計問題が挙げられます。
この事件では、企業体質の問題が浮き彫りになり、株価は大幅に下落し、その後は業績不振に陥り利益を上げていた部門であるキオクシアが売却されるなど厳しい状況が続いています。
一方、自然災害などの事故による一時的な株価下落は、迅速な復旧や支援策により、比較的早期に回復するケースが多いとされています。
投資家が考えるべきポイント
投資家としては、以下のポイントを考慮することが重要です。
情報の正確性と信頼性の確認
まず重要なのは報道内容が事実であるか、またその情報源が信頼できるかを確認することです。
最近は大手メディアでも虚偽の報道が目立ちます。
SNSは言わずもがなです。
そのあたりの取捨選択がより重要になりますね。
今回は第三者委員会が入って発表をしてくれていますので判断しやすいですが。
影響範囲の評価
次に今回の出来事がフジテレビの業績やブランドにどの程度の影響を及ぼすかを分析します。
なによりも大きいのはブランドの毀損がどのくらいあるかでしょうね。
市場の反応の観察
また、株価の動向や投資家の反応を注視し、市場心理を把握も重要です。
今回の件でフジテレビの株価は有名インフルエンサーが株主提案をするとの話があり、株主総会参加希望の人が多かったりしてあがったりしていますしね。
長期的視点の維持
短期的な株価変動に惑わされず、企業の長期的な成長性やビジョンを考慮した投資判断を心掛けましょう。
「事故は買い、事件は売り」という格言は、投資判断の一助となるものの、万能ではありません。
各事例の詳細な分析と、冷静な判断が求められます。
フジテレビの中居正広さんに関する報道についても、感情的な反応を避け、客観的な情報収集と分析を基にした投資判断を行うことが、賢明な投資家の姿勢と言えるでしょう。
まとめ
今回は「「事故は買い、事件は売り」フジテレビ中居問題から考える。株価への影響は?」と題して投資格言「事故は買い、事件は売り」をフジテレビの問題と絡めて見てきました。
フジテレビの株価は有名インフルエンサーが株主提案をするとの話があり、株主総会参加希望の人が多かったりしてあがったりしていますが、冷静な判断が必要な状況になっている感じですね。

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