ふるさと納税後の引っ越し、結婚、離婚など手続きが必要なケースまとめ

4月から転勤や転職などで新しい地でお仕事をスタートしている方も多いでしょう。

そこでちょっと考えおかなければならないのがふるさと納税の扱いです。

条件を満たした引っ越し等行っていればふるさと納税の手続きが必要になる場合があるのです。

今回は引っ越しをした場合のふるさと納税の手続きについて見ていきます。

引っ越し等でふるさと納税の手続きが必要なケースと不要なケース

引っ越しによりふるさと納税の手続きが必要となる場合とならない場合はいろいろなパターンが存在します。順番に確認していきましょう。

ふるさと納税の仕組み

まずはふるさと納税の仕組みについて押さえておきましょう。ふるさと納税とは好きな自治体や応援したい自治体に寄附をすると自己負担額(2,000円)を引いた金額が住民税などから控除される制度です。

自治体は少しでもたくさんの寄附を集めるために工夫を凝らした特産品などの御礼の品(返礼品)を用意しています。中にはかなり良い返礼品もあり還元率が高いと話題になるケースもありますね。つまり、2,000円の自己負担で返礼品を貰えるのでお得!というのがふるさと納税です。

ただし、6月からはふるさと納税の対象となる自治体を総務省が指定する形に変更になるため、総務省が指定するルール内での返礼品競争となりますから少しスケールダウンするかもしれません。ちなみに総務省が指定するルールは返礼品の還元率3割以内、地場産品とされています。

最近では、泉佐野市が閉店セールを実施するなど総務省と戦う姿勢を示していますね。

確定申告を行う場合→手続き不要

まず、ふるさと納税の処理をワンストップ特例制度で行わず確定申告で行う場合から見ていきましょう。結論から言えば確定申告をする場合にはどのタイミングでふるさと納税しようが住所変更等の手続きは不要です。

確定申告時に引越し後の住所を記入してふるさと納税の内容を記載するだけでOKとなります。他に特になにも手続きは必要がありません。新住所で課税と控除の処理がそのまま行われます。ただし、後述する名字が変わったときなどはちょっと必要な手続きが発生します。

ワンストップ特例制度を利用する場合

ワンストップ特例制度を利用する場合に引っ越しがあれば手続きが必要となります。ワンストップ特例とはふるさと納税時に書類を自治体に提出すれば確定申告の必要がなく寄附の処理がされる制度です。

ただし、引っ越しをしたタイミングなどによっては不要なケースもあります。これはちょっとややこしいです。

ふるさと納税を行うと、住民税が控除されます。そのうち住民税はふるさと納税を行った年の翌年1月1日時点の住民票の所在地(市区町村)に納められます。翌年1月1日時点の住所地というのがみそなのです。

翌年引っ越し→手続き不要

まずは翌年の1月1日以降に引っ越しをする場合です。この場合には特に手続きは必要ありません

例えばA市に住んでいて2018年中にふるさと納税を行ったとしましょう。そして2019年3月にB市に引っ越しを行ったとします。

この場合には手続きは不要です。これは住民税は1月1日時点での住所で課税されるためです。そのためこの方はもともと住んでいたA市に住民税を納めることになるのです。

ですから住所変更の手続はいらないんですね。

年内引っ越し→手続き必要

次は年内引っ越しです。この場合には寄附先の自治体に住所変更の手続きが必要となります。

一方、A市に住んでいて2018年中にふるさと納税を行ったとしましょう。そして2018年12月にB市に引っ越しを行ったとしましょう。

この場合には住所変更の手続が必要となります。こちらのケースでは1月1日時点がすでにB市です。そのためB市に住民税を納めることになります。

このため住所変更を行わないとうまく処理されないんですね。(住民税控除が受けられない)

同一市内に引っ越す→手続き不要

同一市内に引っ越す場合も手続きは特に不要です。住民税は1月1日の住民票の住所地で課税されますが、同一市内ならば問題なく処理されます。

海外に引っ越す

ちょっとややこしいのが年内に海外に引っ越す場合です。この場合、1月1日の住所地が海外のため住民税は0円です。

ですから住民税が発生せず控除も受けることはできません。この場合、ちょっとふるさと納税をしたことがもったいないことになってしまいますね。仕方ない部分もありますが

必要な手続き

ワンストップ特例制度を利用して、上記の変更が必要なパターンに当てはまる場合には手続きが必要です。

手続きは「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」を寄附したそれぞれの自治体に提出する必要があります。

1箇所だけでなく寄付したすべての自治体に提出をしないと適切に処理されない可能性が高いです。

ちょっと面倒ですが自治体ごとに処理していますから仕方ないですね。。。

なお、「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」は各自治体のサイトや下記の総務省のサイトなどからもダウンロードが可能です。

フォーマットは基本的にどこでも同じですからプリントアウトして記入し郵送します。

書き方自体は旧住所と新しい住所、氏名、生年月日等を書くだけですから問題ないでしょう。

>>総務省「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書

ふるさと納税後に結婚、離婚した場合

ふるさと納税後に結婚や離婚をした場合も基本的には特に手続きは不要です。

ただし、引っ越しを伴う場合や名字が変わった場合には手続きが必要となります。

なお、引っ越しを伴う場合は上記と同じルールですからここでは説明を割愛します。

名字が変わる場合には以下の手続きが必要となります。

確定申告をする場合

確定申告は申請時の氏名で行います。新しい名字になっていればそちらを確定申告書に記載しなければなりません。

また、確定申告でふるさと納税をした証明となる「寄附金受領証明書」の名前を変える必要があります。

つまり、寄附金受領証明書を名前を変えて再発行してもらうのです。

この手続は自治体によってやり方が違いますから、詳しくは各自治体にお問い合わせください。

こちらも寄附したすべての自治体から変更を受ける必要があります。

電子申告(e-TaX)を利用しており、寄附金受領証明書の添付が必要のない方も同様にこの手続は行う必要があります。

ワンストップ特例制度を利用する場合

ワンストップ特例制度を利用する場合にも名字が変われば手続きは必要となります。こちらも提出書類は住所変更時と同じく「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」です。

寄附したすべての自治体に提出する必要があります。

手続きしないとどうなるのか?

それでは手続きしないとどうなるのでしょうか?簡単に言えば損する可能性が高いってことです。

自治体側で引っ越し先の住所や名字が変わっていればその人を把握できなくなってしまう事になりかねません。そうなれば個人情報の紐づけを行えず、控除対象なのに控除されずそのまま住民税が課税されてしまうと可能性が高いでしょう。

つまり、損してしまう可能性があるってことですね。

ですからそうならないように手続きはしっかりしておきたいところですね。

マイナンバーでなんとか紐づけしてくれるとよいのですが・・・

返礼品がまだ届いていない・定期便を利用している場合は要注意

もう一つ要注意なのがふるさと納税をしているけどまだ返礼品が届いていない場合や定期便を予約していて引っ越した場合です。

人気の返礼品だとかなり発送まで時間が掛かるものもありますからね。

私も年末に泉佐野市にお願いした返礼品がまだ届いてないんですよ。。。引っ越しする予定はないので問題ありませんが。

この場合も自治体に連絡をしておきましょう。なお、前述の寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書の送付とは別に考えておいたほうが良いかもしれせん。

それは返礼品の発送は自治体が企業に丸投げしているケースがほとんどだからです。

寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書の提出で住民税の控除の手続きはしっかり行えても、肝心な返礼品が届かないなんてことにもなりかねません。

電話等で自治体に確認しておくのが無難でしょうね。



まとめ

今回は「ふるさと納税後の引っ越し、結婚、離婚など手続きが必要なケースまとめ」と題してふるさと納税後の引っ越しなどの手続きについて見てきました。

今回の件は意外な盲点となっている方も多いと思います。ふるさと納税後に引っ越しをしたり名字が変わった場合は手続きが必要であるということを覚えておきましょう。

また、ふるさと納税の限度額を超えてしまった場合などはこちらの記事を御覧ください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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