ひふみ投信に学ぶ「新型コロナウィルス」暴落相場の戦い方

新型コロナウィルスに端を発して世界的に株が乱高下。

先月には24,000円前後あった日経平均が19,000円割れ、1ドル110円前後だった為替も1ドル101円前後とかなり一気に相場が動きました。

そこから日経平均20,000円近くまで戻し、為替も1ドル105円前後で推移しています。

私も相場を20年近く見てきていますが、これだけ株も為替も一気に動くのは滅多にないレベルです。

それだけ難しい時期に来ているとも言えます。

そこで今回はアクティブファンドとして人気の高い「レオスのひふみ投信」から新型コロナウィルスでの暴落相場の戦い方を学んでいきましょう。

ひふみ投信とは

ひふみ投信とは日本の成長企業に投資をするファンド(アクティブファンド)です。

一時期は一番人気と言っても過言ではないレベルで各社の投資信託購入金額ランキングで一位となっていましたね。


顔出し、名前だし運用

ひふみの最大の特徴は代表の藤野英人さんをはじめファンドマネージャーが顔及び名前を出し責任もって運用してくれることでしょう。

最近は他でもひふみと同じように顔を出しをするファンドマネージャーがでてきていますが、その走りといってよいのがひふみなのです。

これは運用に自信がないと勇気がいることですよね。

投資する側だと安心感が違います。

また、代表の藤野英人さん自身はカリスマファンドマネージャーとしてかなり前から有名な存在でした。

私も下記の本の文庫になる前の版を今から16年前の2004年に買っています(笑)

現金比率を変動

また、守りながら増やす運用として現金比率を相場の状況で変動させるのも特徴ですね。

最大で50%まで現金にすることができるのです。

さらに日本のみならず、世界の株式を投資対象とし、業種や企業規模にとらわれることなく、常に変化する株式市場に応じて柔軟な運用することで国内相場が悪い際にも対応できるようにどんどん進化しています。

最近は成績が奮わず

そんなひふみ投信(ひふみプラス、ひふみ年金)は成績の良さから人気の投資信託となっていきました。

しかし、最近ではカンブリア宮殿で紹介されたことなどで人気にさらに火が付き資金が集まりすぎて小型株中心だったひふみは資金効率が落ちてしまい成績はあまりふるっていません。

海外株にも投資するようになったり、ひふみワールドという新しいファンドを立ち上げたりして頑張ってはいますけどね。

下げ相場ではさすが

しかし、下げ相場ではさすがという部分がでています。

先日も記事にしましたが、今回の新型コロナウィルスに端を発した暴落相場では他のアクティブファンドよりも好成績(マイナスが少なめ)となっているのです。

特徴で挙げた現金比率を変動させることも効いているのでしょう。

ひふみ投信の新型コロナウィルス暴落相場への戦い方

それではひふみ投信は今回の新型コロナウィルス騒動についてどのように戦うつもりなのでしょうか?

ヒントになるのはひふみ投信の出しているメッセージ及び実際の投資銘柄です。


ひふみ投信の最高投資責任者「藤野英人氏」からのメッセージ

まずは新型コロナウィルスの問題で株が下げだした2月25日に出された下記のひふみ投信の最高投資責任者「藤野英人氏」のコメントからポイントとなる部分を抜粋して見てみましょう。

元のメッセージはこちら>>新型コロナウイルスの広がりとひふみの運用について最高投資責任者からのメッセージ

現金の比率を過去の運用の中でも最大規模に高めています

まずは現金比率を高めた話です。

ひふみの純資産総額における現金の比率を過去の運用の中でも最大規模に高めています(2/25現在)

1月末の段階では現金比率は0.7%だったそうです。

それがファンド全体の30%弱の2000億円まで高めています。

10日以上かけて少しずつ現金化したとのことですね。

ひふみ投信の投資対象としている銘柄は比較的小型株が多いので影響があったかもしれません。

流石だな・・・ってタイミングですね。

暴落が来たら投資をしたい銘柄をリストアップ

その高めた現金を使って買いを目指すことも書いてありますね。

ひふみではこれからは方向性としては買いを目指していこうと考えています。
2,000億円程度ある現金はそれなりの迫力をもって下げ相場に買い向かうことができるでしょう。

急速に問題が収束して株式市場が一気に反発することも考えられます。そのときは7割くらいの株式の部分の上昇と機動的な買い出動によって、市場の上昇に置いていかれないように準備をしておきます。

パニックのような下げ相場がくれば、それこそバーゲンセールでお買い得銘柄をたっぷりと仕込むことができます。当社のアナリストも全力で暴落が来たら投資をしたい銘柄をリストアップしています。

つまり、買いを前提に動いているということです。

このあたり特に暴落が来たら投資をしたい銘柄をリストアップというあたりは個人投資家もやるべきことでしょうね。

ひふみ投信の2月末の投資銘柄から見えてくるもの

ひふみ投信の月次報告書によると2月末の組入比率の高い上位10銘柄は以下のとおりです。

銘柄名上場市場組入比率
DOMINO’S PIZZA, INC.NYSE3.1%
ZOOM VIDEO COMMUNICATIONSNASDAQ2.6%
東京センチュリー東証一部1.9%
ショーボンドホールディングス東証一部1.8%
NEW ORIENTAL ADRNYSE1.7%
アマノ東証一部1.5%
協和エクシオ東証一部1.5%
ジャフコ東証一部1.4%
ミライト・ホールディングス東証一部1.2%
九電工東証一部1.2%

渋いな・・・ってのが正直な感想です(笑)

特に着目すべきは1位と2位、4位です。

ド直球で新型コロナウィルスに関連してそうな銘柄に投資しているんですよ。

ついつい、こんなド直球はだれでも注目してるだろ?とニッチな関連企業を探してしまう方が多いと思います。

しかし、じつはひふみ投信もこんな王道で勝負しているんですね。

ドミノ・ピザ

1位のDOMINO’S PIZZA, INC.は宅配ピザ会社の「ドミノ・ピザ」といえばわかる方も多いでしょう。

11月末のひふみの投資銘柄には上位30位にも入っていません。

おそらくですが、今回の「新型コロナウィルス」騒動で宅配ピザを頼む人が増えると予想したのでしょう。

実際、私も偶然ですが先日「ドミノ・ピザ」を持ち帰りで利用しています。その際の込具合は今まで見たことがないレベルでしたからひふみの読みもあたっているのかもしれません。

いつ買ったのかはわかりませんが2月18日ころの時点では300ドル程度の株価は今回の騒動で一時期380ドル程度まで急上昇しています。

現在も343ドル(3月10日)と他の銘柄と比べるとかなり高い水準を維持していますね。

ZOOM

2位のZOOM VIDEO COMMUNICATIONSはビデオ会議の「ZOOM」といえば使ったことがある方も多いかもしれません。

こちらも11月末の銘柄には上位30位にも入っていません。

今回の「新型コロナウィルス」でテレワークの需要が高まると予想したのかもしれません。

実際、GMOなどは早い段階からテレワークにしましたし、今回の騒動でテレワークがより一般的になるのは確実でしょう。

こちらも100ドル程度の株価は3月5日で130ドルと大きく値を上げています。

現在は108.49ドル(3月10日)と他の銘柄と比べるとかなり高い水準を維持していますね。

NEW ORIENTAL ADR

4位のNEW ORIENTAL ADRは聞いたことがない方も多いでしょうが、英語教室やK12(大学入学前までの教育)向け学習センター、オ ンライン教育で中国最大手の会社です。

こちらも11月末の銘柄には上位30位にも入っていません。

中国では新型コロナウィルスで学校が休みになっていましたのでこの企業の需要が高まると予想したのでしょう。

こちらは1月下旬くらいに120ドルくらいだったものが140ドル程度まであがり、現在は128.31ドル(3月10日)と他の銘柄と比べるとこちらもかなり高い水準を維持していますね。

まとめ

今回は「ひふみ投信に学ぶ「新型コロナウィルス」暴落相場の戦い方」と題して「新型コロナウィルス」暴落相場の戦い方をひふみ投信を通じてみてきました。

ひふみ投信の「新型コロナウィルス」への戦い方をまとめると以下の通りです。

●かなり現金比率を高めている
●暴落が来たら買いたい銘柄をリストアップして準備
●新型コロナウィルス関連銘柄は王道を買っている

今回の新型コロナウィルス騒動はどこまで広がるが不透明でなかなか動きにくいですが、ひふみ投信の戦い方もぜひ参考にしてみてくださいね。

私もひふみ投信にならい過去最高に現金比率は高くして観察している段階です。

ひふみ投信について詳しくはこちらを御覧ください。

ひふみ投信
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