楽天投信信託顧問が2017年9月29日付けでタイトルの2本のインデックスファンドを設定しました。
楽天よりおもしろいインデックスファンドが発表されました
こちらが非常にユニークな商品なのでちょっと検証してみたいと思います。
概要
まずは今回発表されたインデックスファンドの概要を見ていきましょう。
名称 | ベンチマーク | 信託報酬率 |
---|---|---|
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算) | 0.222 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算) | 0.157 |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンドがベンチマークとしているFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の株式市場の動向を表す株価指数は先進国と新興国の合計約50ヵ国の大中小型株で構成される指数で全世界の株式市場の動向を示している株価指数です。
つまり、これ1本で世界株式への分散投資が可能となるわけです。
世界の株式に1本で投資できることで人気の高い、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)というETFがありますが、楽天・全世界株式インデックス・ファンドはこのVTを投資対象とすることでそれを実現しています。
信託報酬が安い
信託報酬は0.222%とかなり低くなっております。
全世界株式への分散投資商品としてはeMAXIS 全世界株式インデックス (信託報酬0.65%)、三井住友・DC全海外株式インデックスファンド(信託報酬0.25%)がありますがそちらよりもかなり安く設定されています。
(ベンチマークとする指数は違いますが・・・)
楽天・全米株式インデックス・ファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンドがベンチマークとしてるCRSP USトータルマーケット・インデックスは、米国経済の動向を表す代表的な株価指数です。
米国株式市場に上場する大・中・小型株式、約4,000銘柄から構成される時価総額加重平均型の株価指数です。米国株式時価総額の約100%をカバーしています。
つまりアメリカの株式市場に連動する指数なのです。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドはバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)というETFに投資をすることでこれを実現しています。
信託報酬は0.157%とかなり安くなっています。
つまり、他の投資信託と比べればかなりお得な商品と言えるでしょう。
海外ETFと比べると・・・
単純に投資信託の中でみればかなりお得な商品にあたります。
しかし、海外ETFと比べるとどうでしょうか?
今回発表された両ファンドともETFを買うファンドです。
しかもこの両方のETFとも一般販売されております。
つまり、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)とバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)は海外株が買える口座があれば直接購入できるのです。
直接購入した場合の経費率(ETFの場合の信託報酬みたいなもの)は
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)0.14%
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)0.05%
です。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは0.222%ですから0.082%
楽天・全米株式インデックス・ファンドは0.157%ですから0.107%
直接購入するのに比べて高くなるのです。
これはずっとかかってくる経費ですから長期投資なら結構大きいともいえます。
メリットもある
しかし、投資信託で買うメリットもあります。
海外ETFの場合は株式のように単価があります。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)は本日現在で70.63ドル
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)は本日現在で128.6ドル
です。
つまり、70ドルや128ドル単位でしか買えないのです。
一方、投資信託は100円以上1円単位で買えますので注文しやすいです。
また、海外ETFは投資信託と違って積み立て購入などもできません。
このあたりの取り回しは投資信託の方が高いですね。
後は税金の問題もあります。
海外ETFは分配金をもらうときにアメリカでは10%、国内では20.315%ずつ課税されます。分配金が所有している証券口座に振り込まれる時点で、米国側で既に10%差し引かれており、さらにそこから日本側の税金として20.315%の源泉分離課税が課せられます。
確定申告をすればもどってくるのですが大変面倒ですね・・・
面倒ですが申告すれば戻ってくるのです。
しかし、投資信託の場合には内部で処理されているため戻ってくることはありません。
まとめ
楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドは信託報酬も安くおすすめできる商品です。
しかし、基本的には直接バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)とバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を買ったほうが得です。
つまり、前述の取り回し部分で
楽天・全世界株式インデックス・ファンドならば0.082%
楽天・全米株式インデックス・ファンドならば0.107%
の価値を感じれば買ってもよい。
そうでないならば直接海外ETFで買うのがお得です。
ただし、個人型確定拠出年金(iDeC/イデコ)ではバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)とバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を買えません。
そのためiDeCo商品としてでてくるなら購入候補にしてもよいかもしれませんね。
海外ETFを買う方法
海外ETFはSBI証券やマネックス証券など一部証券会社で扱っております。特にSBI証券は系列の銀行を使うと為替手数料も安いためおすすめです。
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