10月5日に東証マザーズに新規上場しますウェルビーの財務分析をしてみたいと思います。
ウェルビーが10月5日上場
ウェルビーが上場する10月5日は大阪油化工業、MS&Consultingの2社も同日上場となります。
そのためある程度、資金が分散してしまうリスクがあります。
また、北朝鮮問題やトランプ関連、安倍政権の忖度問題、衆議院選挙などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいますので注意が必要です。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
ウェルビーのビジネスモデル
ウェルビーの事業内容は就労移行支援、児童発達支援、放課後等デイサービス等の障害福祉サービス事業となっています。
ウェルビーのビジネスモデル
ウェルビーは創業当初から障害者向けの福祉サービスを一貫して行っている企業となります。
少しややこしいですが障害者に福祉サービスの提供を行い、利用者からは自己負担を徴収し、差額を健康保険や行政機関から徴収する形のビジネスとなります。
医療機関と近い感じですね。
出所:ウェルビー目論見書より
ウェルビーの拠点
ウェルビーは全国で69箇所の事業所を持って運営しています。
関東が中心な感じですね。
出所:ウェルビー目論見書より
ウェルビーの収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度31.15%
28年度38.83%
と大きく良化しています。
固定費(設備や人件費)が大きいビジネスの性質からして売上げが伸びることで収益性も向上していきます。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度8.17%
28年度18.96%
こちらも前年より大きく良化しています。
こちらも売上総利益率と同様に固定費が大きく変動費が少ないビジネスであるため売上げが改善したことによる影響が大きいと思われます。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度8.22%
28年度18.78%
こちらも売上高営業利益率と同様になっています。
支払利息もそれなりにありますが同額程度の助成金収入があるため売上高営業利益率と大差がありません。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
27年度+105.93%
28年度 +60.97%
とかなり大きく伸びています。
創業してまだ6期しかたっていない企業なのもありますが大きく成長過程にありますね。
収益性まとめ
売上げの伸びは大きく、収益性もかなり高い
ウェルビーの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年300.33%
28年251.48%
と低下しているもののかなりのレベルとなっています、
売掛金もそれなりにありますがそれらを省いてもかなりの水準で資金繰り面では当面問題になることはないでしょう。
逆にその資金をもっと上手く使ったほうが・・・って思えてしまうレベルです。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
27年21.7%
28年31.2%
と大きく良化しています。
これは利益が大きく上がっていることが大きいでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュフローは28年度をみると
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がマイナス
となっています。
また、フリーキャッシュフローもプラスです。
つまり、本業で稼いだお金を投資や財務活動(借入金の返済など)にまわしてもプラスであるという理想的な感じです。
安全性まとめ
安全性は高めです。
特にこちらの面で問題はないですね。
逆に余剰資金の活用を検討してほしいレベルです。
バリュー投資としてみればその点が改善されれば面白いのでしょうが・・・
ウェルビーの株価
PER、PBR
PER、PBRをみると割安感はありません。
しかし、成長が著しく、収益性も伸びてい固定費が中心の企業であることからまだまだ余地はあると考えられます。
この成長がどこまで続くと見るかが鍵となる感じですかね。
既存株主
ベンチャーキャピタルなどは見当たらないため上場後の大きな売り上玉はそれほどないと思われます。
しかし、ストックオプションもあるためこのあたりは売り玉となる感はあります。
まとめ
今回はウェルビーの財務を中心に分析してみました。
業績面をみると結構魅力的な銘柄ですね。
あまり初値が飛ばないようならば長期投資目的で買うのもおもしろい銘柄かもしれません。
ただ、目論見書をみても同業種企業との差別化要因というか強みがあまり感じられなかったのは残念。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
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