2020年は要注意!ふるさと納税の控除上限額オーバーの落とし穴

地方自治体に寄付をすると寄付した金額だけ税金が安くなりさらにお礼のお品(返礼品)がもらえるという大変お得な制度であるふるさと納税。

しかし、2020年のふるさと納税をするときはちょっと慎重にしたほうが良いかもしれません。

新型コロナウィルス感染症の影響で所得が大きく変わってくる可能性が大きいためです。

ふるさと納税は厄介なことにその年の収入にふるさと納税の控除上限額が紐付いて来るんですよ。

せっかくふるさと納税しても所得が減ったことにより控除額の上限以上寄付してしまってはお得感は激減です。(はじめから寄付するつもりなら問題ないでしょうが)

今回は2020年のふるさと納税について考えてみます。

ふるさと納税制度とは

まずは今回の話の大前提となりますふるさとの納税について簡単におさらいしておきましょう。

ふるさと納税を簡単に説明すると自分の好きな自治体を選んで寄附すると、税金の控除があったり、返戻品がもらえたりする制度です。

税金の使いみちなども選べますので、自分の信念にあったところや自分の故郷などに寄附をするというのが本来の目的です。

しかし、ふるさと納税がお得と言われているのは以下の二つがあるからです。

税金の控除
返礼品

税金の控除は下記のような仕組みになっています。

イメージとしては1万円を地方自治体に寄付をしたら税金が8,000円安くなり、さらに地方の特産品の返礼品がもらえるといった感じですね。

自己負担2,000円で返礼品がもらえるためその返礼品が2,000円を超えていればお得となります。

ふるさと納税
出所:総務省  ふるさと納税ポータルサイト

例えば返戻率3割の返礼品ならば10,000円を寄附をして3000円分の返礼品がもらえます。

寄付した10,000円のうち8,000円は所得税や住民税から控除されますから2,000円の自己負担で3,000円分のお品がもらえたので1,000円得したということになります。

ふるさと納税の控除上限額

ふるさと納税の控除上限額は以下のルールで定められています。

計算はかなりややこしいんですよ。

所得税の還付金 (ふるさと納税額-2,000)×所得税率×復興税率
控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限
住民税の控除額(基本分) (ふるさと納税額-2,000)×10%
控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限
住民税の控除額(特例分) (ふるさと納税額-2,000)×(100%-10%(基本分)ー所得税率×復興税率)

個人住民税特例分の金額が住民税所得割額の20%を超えない場合は、控除される個人住民税特例分の金額はそのまま据え置きですが、個人住民税特例分の金額が住民税所得割額の20%を超える場合は、控除の対象となる特例分は住民税所得割×20%が上限です

まとめると以下の計算式となります。

(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率×復興税率)<住民税所得割×20%

計算はかなりややこしいですね・・・

控除上限額を簡単に調べる方法

ふるさと納税の控除上限額の計算はかなりややこしい計算となっていますが簡単に調べる方法もあります。

それは控除の上限額が住民税所得割×20%までってことを利用するのです。

住民税所得割とは、所得に応じて支払う必要がある住民税(所得割)のことで自分で計算するのはややこしいですが勤務先や自治体から5月〜6月くらいに送れてくる「市町村民税・県民税特別徴収税額通知書(住民税決定通知書)」という書類の市民税の所得割額という欄に書かれています。

ですから住民税決定通知書さえ入手できれば簡単にふるさと納税の控除上限額の計算は簡単にできるわけです。

ただし、そこで分かるのはあくまで昨年分ですけどね。

なお、住民税決定通知書の詳しい見方はこちらの記事を御覧ください。

ふるさと納税したら住民税決定通知書をチェック

また、ふるさと納税をしたら住民税決定通知書を必ずチェックするようにしましょう。

私がやらかしてしまったことですが、確定申告時の処理ミスでふるさと納税分が住民税に反映されていなかったことがあったんですよ。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

ふるさと納税の控除上限額 オーバーの落とし穴
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