日本の投資信託の99%はダメ【積立NISAに不適格】

日本の投資信託の99%はダメとはショッキングな内容ですが
日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナー「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における
森信親金融庁長官が基調講演で述べた内容です。
今回はこの日本の投資信託の99%はダメという話を見ていきたいと思います。

日本とアメリカの比較


森信親氏は講演で「積立 NISA の対象となりうる投信は、インデックス投信とアクティブ型投信あわせて約 50 本と、公募株式投信 5406 本の1%以下となりました。 ところが、同じ基準を米国に当てはめてみると、全く異なる結果となります。米国で残高の大きい株式投信については、上位10本のうち8本がこの積立 NISA の基準を満たしています。一方、我が国の残高上位 30本の株式投信の中で、この基準を満たしているのは 29 位に一本あるだけ」と語っています。

日本の投資信託は積立NISAに適しているのが1%しかない、つまり99%はダメだと言っているのです。逆にアメリカは大半がその条件を満たしているとのこと。実際アメリカのETFは優秀なのが多いのは事実です。私も長期投資として定期的に買っていたりします。

海外ETFとは(メリット・デメリット)

積立NISAに適した投資信託とは


積立NISAはバートン・マルキールやチャールズ・エリス考えに沿った制度のようです。バートン・マルキールやチャールズ・エリスの代表的な著書は下記です。

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

敗者のゲーム〈原著第6版〉

森信親氏は講演の中でバートン・マルキールやチャールズ・エリスの名前をだして個人が投資で成功するための秘訣として下記の4つをあげています。これを実践することができるのが森信親氏の考える積立NISAに適した投資信託のようです。

  • ゆっくりと、しかし確実にお金を貯める秘訣は再投資(複利)にあることを認識すること、
  • 市場の値上がり、値下がりを気にかけず、一定額をこつこつと投資すること、
  • 資産タイプの分散を出来るだけ図ること、
  • 市場全体に投資するコストの低い「インデックスファンド」を選ぶこと、

 

日本の投資信託のダメな点1「信託報酬が高い」


まず、日本の投資信託は信託報酬がとても高いです。最近でこそインデックス型の投資信託はかなり定率なものが出てきていますがアクティブ系などは1%を超えるものがざらでノーロード(買い付け手数料なし)でないものも多数あります。信託報酬が高いとそれだけリターンも大きいのか?というのが問題です。信託報酬が高くてもリターンさえ高ければなんの問題もないのです。しかし、実際はそうではありません。

10 年以上存続している日本の株式アクティブ型投信281本の過去10年間の平均リターンは信託報酬 控除後で年率 1.4%であり、全体の約三分の一が信託報酬控除後のリターンがマイナス となっていました。ちなみに、この 10 年間で日経平均株価は年率約3%上昇しており

日経平均が3%上昇しているのに日本のアクティブ型の投資信託(信託報酬が高いやつ)は平均1.4%しか増えていない。しかも1/3ha

マイナスとひどい結果だったというのです。日経平均を買っていた方がよかったのです・・・。これはウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理でバートン・マルキールがだいぶ昔から訴えてきた内容とも合致します。

つまり、信託報酬が高いだけのほとんどの投資信託なんてクソ!!!そこが儲けるだけなんだよってことなんです。(もちろんちゃんと平均より上回っているものも一部ありますが・・・)

ちなみに日本ではノーロードで資金が増えているなどの条件を追加して見てみると5本しか対象がなかったそうです。つまり、その5本以外は買うだけ無駄といってもいいかもしれませんね・・・。

 

日本の投資信託のダメな点2「分配金」


もう一つダメなのが分配金の存在です。アメリカのETFなどでも分配金がありますが大きく違う点はその原資です。アメリカのETFなどは利益が出たものから分配します(当然ですよね)しかし、日本の一部投資信託は利益でようがでまいが分配します。つまり、投資元本も配分しちゃうってことなのです。長期投資のメリットの一番大きな点として複利でどんどん増えていくというのがありますが、(闇金ウシジマ君の原理と思えばわかりやすいです)それを自ら捨ててしまっているのです。しかも不思議なことに投資信託売れ行き上位をみるとそういう投資信託がたくさんランキングされているんですよね・・・これは毎月分配型とかの方がわかりやすいといのと投資知識がない人が多いというのもあると思います。

 

日本の投資信託のダメな点3「売る側視点」


上の二つの根本的な原因はこれです。売る側の視点しかないのです。信託報酬が高いものの方が儲かるでしょう。そのため買う側の将来のこととかは二の次で目の前の利益を得るために売りつける。そういう姿勢が証券会社、銀行にあるように思います。私も某銀行で信託報酬2%超の投資信託勧められて論破したことがあります。そのとき思ったのはその銀行員は悪気があるわけではなくノルマがあり、売らざる得ないということ、また、知識が壊滅的にないってことでした。まずは消費者目線で考えてほしいものです。

 

まとめ


来年から始まる積立NISAはもうそういう売る側視点の商品は扱わないようなのでとても期待できる制度です。特にとても初心者に優しいなって思います。担当の森信親金融庁長官がバートン・マルキールやチャールズ・エリスの名前を出したのも驚きましたがそのあたりまで知ってらっしゃる方が制度を決めるなら安心できますね。

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