最近、株高の影響もあるのか投資に興味を持つ方が増えています。
私のもとにもはじめて投資をする人からいろいろな質問が・・・
その中で特に多いのがどの投資商品から始めたらいいんだろ?ってことです。
投資とひとくくりに言っても株式投資、投資信託、債券、REITなどいろいろな種類があります。
さらにそれぞれ国内、海外の投資先もあります。
各資産クラスの中でもいろいろな投資先がありますよね。
さらに暗号資産など投機的なものも人気があります。
こんなにも選択肢があると迷ってしまいますよね。
そこで今回は投資を始める前に知っておきたい投資先の種類別のリスクとリターンを解説していきます。
まず知っておきたいリスクとリターンの関係
投資をはじめる前提として知っておきたいのがリスクとリターンの関係です。
簡単に言えばリターンとリスクは表裏一体の関係ということです。
リターンを大きく狙えばリスクが大きくなる(ハイリスク・ハイリターン)
リスクが小さいものはリターンも小さい(ローリスク・ローリターン)となります。
出所:日本証券業協会 投資の時間「リスクとリターンの関係」より
リターンが高ければリスクが高く。逆にリターンが低ければリスクが低いと言うのが基本になります。
この点を押さえておきましょう。
よく、詐欺集団などがリスク無しで高配当であるということを売りに勧誘します。
しかし、この関係を知っておけばそのような商品は存在しないはずと分かるはずなんですね。
ノーリスク・ハイリターンやローリスク・ハイリターンなんて金融商品を勧められたらまず怪しいと思うべきです。
また、絶対値上がりするとかもインサイダー取引など犯罪に手を染めない限りは存在しないことを知っておきましょう。
リターンとは
リターンとは、投資によって得られるであろう結果の平均予想利回りのことです。
当然大きい方が良いですね。
ただし、リターンが高いということはそれだけリスクが高くなるということも知っておきましょう。
リスクとは
リスクとは投資のリターンのばらつきの大きさのことです。
標準偏差で求められます。
当然リスクは低いほうが良いですね。
ただし、前述のようにリターンが高いものはリスクが高くなりますし、リスクが低いものはリターンも低くなります。
国内株のリターンのばらつき
例えば下記は過去10年の国内株式の年毎のリターンです。(出典:モーニングスター)
- 2011年:-18.9%
- 2012年:18%
- 2013年:51.5%
- 2014年:8.1%
- 2015年:9.9%
- 2016年:-1.9%
- 2017年:19.7%
- 2018年:-17.8%
- 2019年:15.2%
- 2020年:4.8%
かなり年ごとのリターンがばらついているのがわかると思います。
最も成績が良いのは2013年で51.5%、最も悪い時は2011年で-18.9%となっています。
国内債券のリターンのばらつき
同じ期間の国内債券のリターンは以下のとおりです。(出典:モーニングスター)
- 2011年:-1.8%
- 2012年:0.6%
- 2013年:1%
- 2014年:3.4%
- 2015年:0.1%
- 2016年:2.2%
- 2017年:-0.8%
- 2018年:0.1%
- 2019年:-
- 2020年:-
こちらは最も成績が良い年は2014年で3.4%でした。
最も悪い年は2011年で-1.8%
国内株と比べてリターンも少ないですが、リターンのばらつきはかなり少ないということがわかるでしょう。
シャープレシオを知っておこう
リスクとリターンの関係を考える上で知っておきたいのが「シャープレシオ」です。
投資信託の情報なんかには記載されていますね。
シャープレシオとはリスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターンのことです。
つまり、取ったリスクに対してどれだけ無リスク資産よりリターンが得られるかを示します。
この数値が高いとリスクを取ったことで得られる超過リターンが高くなるということですから、リスクの割にリターンが高い優れた投資商品であるということを示します。
計算式は以下の通り
シャープレシオを見る場合の注意点
シャープレシオは意味のある指標ですが、算出するタイミングによってかなり数字がぶれます。
ですからできるだけ長期で見るのをオススメします。
もう一つ注意したいのがシャープレシオを比較する場合はできるだけ同じ期間のデータを使うべきであるという点です。
シャープレシオは相場の変動の影響を大きく受けますので異なる期間で比較してもあまり意味がないんですよ。
また、シャープレシオはあくまで過去の成績に過ぎません。
将来同じ数字になるとか限らないということも知っておきたいところですね。
投資先の種類別リスクとリターン
資産運用をする際には様々な投資先があります。
主な投資先は以下のものがあります。
- 株式投資
- 投資信託
- 債券
- 金
- 商品先物
- 不動産投資(REIT含む)
- 為替(FX含む)
- 仮想通貨(暗号資産)
- 預貯金
それぞれ期待できるリターンとリスクはかなり違うんですよ。
投資を始める前にそれぞれのリスクとリターンを把握して自分にあった投資先を決めるのがとても重要なのです。
それぞれの投資先の一般的に言われるリスクとリターンの関係をまとめると以下のとおりです。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
ハイリスク・ハイリターン | 商品先物、FX、仮想通貨(暗号資産) |
ミドルリスク・ミドルリターン | 株式投資、金、不動産投資 |
ローリスク・ローリターン | 債券 |
ほぼ無リスク資産 | 預貯金 |
上記はあくまで一般論の話で、株式投資でもどこの国のどの株を買うかによってリスクとリターンは大きく変わります。
ローリスク・ローリターンにいれている債券でも種類にのってはリスクが高めのものも・・・
なお、投資信託は上記の表に入れていませんが、投資対象によってハイリスク・ハイリターンにもローリスク・ローリターンにもなるためです。
例えばレバレッジ型の投資信託ならハイリスク・ハイリターンですし、債券ガチガチのタイプならローリスク・ローリターンですね。
投資信託ってなんだっけ?って方はこちらの記事を御覧ください。
各資産のリターン予想
ちなみに長期的なリターン予想はいろいろな機関が発表していますのでそういうのを参考にするのもよいでしょう。
下記はJPモルガンの今後10~15年のマクロ経済の見通しに基づき、60の資産クラスや投資戦略について期待リターン、想定ボラティリティ、相関係数を算出した年次レポートです。
私がおすすめするはじめての投資
はじめて投資をする人がなにから手を付けるのが正解というのありません。
その人によって正解は異なるためです。
個人的にはiDeCoやつみたてNISAなど税制優遇が受けられる仕組みから検討するのが良いと考えていますね。
ただし、自分がどこまでリスクを許容できるのかは実際に相場の世界に身をおいてみないとわからないんですよ。
ですから税制優遇されたiDeCoやつみたてNISAでまずはご自身のリスク許容度を測る意味でも少額ではじめてみるのをオススメしますね。
まとめ
今回は「投資を始める前に知っておきたい投資先の種類別のリスクとリターンの関係」と題してリスクとリターンについて見てきました。
まとめると以下のとおりです。
- リスクとリターンはトレードオフの関係
- シャープレシオでリスクとリターンの効率が高い商品がわかる
- 投資先によってリスクもリターンも違う
- 自身の許容できるリターンで最適な投資先が変わる
自分がどこまでリスクを許容できるのかは実際に相場の世界に身をおいてみないとわかりません。
ですからまずはご自身のリスク許容度を測る意味でも少額ではじめてみるのをオススメしますね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。