SBI証券が国内初の個人投資家向け「暗号資産ファンド」の取り扱いを開始

SBI証券が興味深い商品の取り扱いを開始します。

国内初となる個人投資家向け暗号資産(仮想通貨)ファンドとなる「SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)」です。

今回はSBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)について詳しく見ていきましょう。

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の概要

まずは「SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)」の概要から見ていきましょう。

なお、下記情報はSBIホールディングス株式会社が発表したIRがソースとなっています。

ファンドの名称SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)
運用会社SBIオルタナティブ・ファンド合同会社
ベンチマークなし
投資対象暗号資産7種
申込期間 2021年12月17日〜2022年1月31日
運用開始日 2022年2月1日
契約期間2022年2月1日(火)~2023年1月31日(火)までの1年間
中途解約中途解約はできません。

7種類の暗号資産に分散投資をするファンドとなります。

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の手数料

次に手数料を見てみましょう。

運用管理手数料

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の運用管理手数料は

年率0.66%(税込)
となっています。

インデックスの投資信託と比べると高めですが、アクティブと比べると平均もしくは少し安めの感じですね。

国内初の暗号資産ファンドと考えれば妥当かもしれません。

購入時手数料

購入時手数料は

3.30%

となっています。
こちらは高いですが、後述するように対面での説明、納得した上での販売と考えれば仕方ないのかもしれません。

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の取り扱い金融機関

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の取り扱い金融機関は2社です。

  • SBI証券
  • SBIマネープラザ

ただし、後述するようにリスクが高い商品であることから、ネット上での注文ではなくSBIマネープラザの販売員が対面で説明した上で販売するとのこと。

ちなみにSBIマネープラザは以下の拠点があります。

函館支店、酒田支店、会津支店、宇都宮中央支店、熊谷中央支店、新宿中央支店、松本支店、伊那支店、名古屋支店、大阪支店、福岡中央支店、鹿児島中央支店




SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の投資対象、運用方針

ここからはSBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の投資先、運用方針などについて見ていきましょう。

投資対象

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の投資対象は以下の通り、7つの暗号資産(ビットコイン、XRP、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、チェーンリンク、ポルカドット)となります。

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)投資対象

出典:SBIホールディングス 国内初の個人投資家向け「暗号資産ファンド」の設定に関するお知らせ より

1暗号資産あたりの組み入れ上限比率20%とし、時価総額比率に応じた投資配分を行われます。

個人で7つの暗号資産に分散投資をする場合との違いは時価総額比率に自動的に配分されていくことでしょうね。

運用方針

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の運用方針は以下の通り

運用期間は1年間で投資/売却タイミングのリスクを軽減するために、ファンド設定時および償還時に時間分散(3か月ずつ)を図る投資手法となります。

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)運用方針

出典:SBIホールディングス 国内初の個人投資家向け「暗号資産ファンド」の設定に関するお知らせ より

ファンドのスキーム

スキームは以下の通りとなっております。

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)スキーム

出典:SBIホールディングス 国内初の個人投資家向け「暗号資産ファンド」の設定に関するお知らせ より



SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)の特殊性

SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)は普通の投資信託やETFと大きく違う点がいくつかあります。

投資をする前にそのあたりも知っておきましょう。

利益は雑所得

まずファンドへの投資と言っても暗号資産への投資となります。

そのため、税金の扱いは通常の暗号資産と同じく「雑所得」となります。

ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
出典:国税庁 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係

この雑所得というのはかなり厄介なんですよ。

確定申告が必要

雑所得の場合は株や投資信託のような自動で税金が計算されるような特定口座制度はありません。

そのため、確定申告が必要となります。

個別で暗号資産に投資をするよりは計算はかなり簡単そうではありますが・・・

総合課税

雑所得が厄介な理由は総合課税となるということです。

つまり、給与所得などの他の所得の金額と合算して総所得金額を求めた後で納める税額を計算することになります。

所得税は、累進課税で、所得が高いほど税率が高く設定されています。

所得金額に応じて、税率が5%から45%まで7段階あります。

以下が所得金額による、税額表です。

所得金額に対して税率をかけ、控除額を差し引いて税額を算出します。

①195万円以下:所得金額x5%
②195万円超330万円以下:所得金額x10% – 97,500円
③330万円超695万円以下:所得金額x20%- 427,500円
④695万円超900万円以下:所得金額x23% – 636,000円
⑤900万円を超1,800万円以下:所得金額x33% – 1,536,000円
⑥1,800万円超4,000万円以下:所得金額x40% – 2,796,000円
⑦4,000万円超:所得金額x45% – 4,796,000円

損益通算できない

また、雑所得は損益通算ができません。

損益通算とは他の所得との相殺のことです。

例えば暗号資産で大きな利益がでて、事業で大きな損失がでたとしましょう。

しかし、損益通算できませんので暗号資産の利益分の税金そのまま支払う必要があるのです。

ちなみに雑所得どうしの損益通算はできます。

いくつかの暗号資産取引所でそれぞれ利益と損失が出ていた場合などは合算して考えることができます。

繰越控除もできない

また、雑所得は損失の繰越控除もできません。

繰越控除とは今年損失がでたので来年の利益以降の利益と相殺しようという考え方です。

今年の損失はそこで終わり。来年利益がでたらその分の税金を払ってくださいとなります。

株などは繰越控除が可能となっていますが、雑所得はそれができないんですよ。

2017年ころには仮想通貨で億り人が大量に発生しましたが、翌年に大暴落したなんてこともありました。

年度毎の波は大きいですから繰越控除ができないのは大きいですね。

投資できる人に制限あり

暗号資産投資に伴う固有のリスクが存在するため、SBI暗号資産ファンド(匿名組合1号)はSBI証券が定める一定の基準を満たす顧客のみが購入できる商品となります。

具体的には以下のとおりです。

  • 職業区分に応じて金融資産3,000万円以上または5,000万円以上。
  • SBIマネープラザの販売員による対面での説明を受け、内容を十分に理解。

なお、購入できるのは499名。

金額は1口当たり100万円で5口以上1口単位となっています。

つまり、最低500万円〜ということですね。



まとめ

今回は「SBI証券が国内初の個人投資家向け「暗号資産ファンド」の取り扱いを開始」と題して一般向けの国内初の暗号資産ファンドについてご紹介しました。

購入できる人の金融資産に制限があり、かつ最低購入金額が500万円からさらに中途解約もできないとかなりハードルが高い商品となりますので慎重にご検討ください。

個人的には暗号資産は釣られて一方向に動くケースが多いことからあまり暗号資産間の分散投資に意味はあるとは思えないんですよね・・・

とはいえこういった新しいタイプの商品がでることは選択の幅が広がり良いことですね。

SBI証券
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