軽減税率の穴埋めが株式の配当や売却益への課税強化へという話の妥当性について考えてみる

軽減税率の財源は株式の配当や売却益への課税強化?


2019年から消費税が10%に増税されることに絡んで導入が決まっている軽減税率。

これによる減税は1兆円になるとのこと。

しかし未だその財源は4割しか埋まっておらず残りの6割にあたる6000億円の財源として色々検討されています。

その候補の中には株式の配当や売却益への課税強化もあります。

2019年度の税制改正に向けては、株式の配当売却益など金融所得への課税を強化するかどうかが焦点の一つとなる見通し

NHKニュース 軽減税率の穴埋め 6000億円財源確保を本格議論へ より

今回はこの件を考えて見たいと思います。

そもそも軽減税率とは

軽減税率とは、政策的な理由により税金を軽減する措置の話です。

平成25年末までは株の売却益についても軽減税率が導入されており10%とされていましたね。

(それが廃止されるかわりにNISAが導入されました・・・)

今回導入される軽減税率は消費税が10%に増税するにあたり消費税の弱点と言われる逆進性を緩和するために一部対象品目について税率を据え置きする制度です。

逆進性とは消費税率が上がると低所得者ほど収入に対する食料品などの生活必需品購入費の割合が高いため、高所得者よりも税負担割合が大きくなってしまうということです。

具体的には以下の品目が軽減税率の対象となります。

軽減税率の対象品目

◯酒類、外食など一部例外を除いた飲食料品全般
◯週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)

となっています。

小泉進次郎さんも吠えてましたが新聞が入っているあたりなんだが嫌な感じですね・・・

そもそも逆進性で言われている低所得者は新聞取ってないと思うんですよ。


軽減税率の効果

軽減税率導入による消費税の軽減効果は一人あたり年間1000円だと言われており逆進性の緩和には雀の涙ほどの効果しかありません(笑)

なんでも公明党が選挙対策に言っちゃったから後にも引けず導入せざる得なくて無理やり導入したとのことがよく言われていますね。

(本当かどうかはしりませんが・・)

それにしてもひどい話です・・・

軽減税率の逆効果

逆に軽減税率を導入することによる逆効果はかなり大きいものがあります。

それは小売店や飲食店のレジです。

軽減税率が始まるとレジを変えないと行けない企業がほとんどになるのです。

これについて補助金がでていて(軽減税率対策補助金)購入代金などの3分の2が補填されます。

これが年間1000億円あります。

国も補助金で出費が増え、企業も3分の1ではありますがレジ購入の自己負担がかかってくるというほんと無駄な話なのです。

レジ業者やシステム開発会社が儲かるだけという・・・

レジ業者やシステム開発会社と関係性の深い議員とか調べたらおもしろいかもしれません(笑)

また、プライスやPOP、看板の変更などにかかるお金やそれに伴う人件費などもあるでしょう。

それらを勘案すると企業の法人税の減少や個人事業主の所得税軽減もあるでしょうからもっともっと悪影響が大きいはずです。

株式の配当や譲渡益についての課税強化した場合の影響

まず考えられるのが株式相場への影響でしょう。

現在かなり上がっていますしその反動となるきっかけとなりえる話です。

今のところ5%あげる予定のようですから25.0315%となります(復興特別所得税、住民税含む)

それならばと株式投資を控える人もでるでしょうしね。

また、株式投資を控えないまでもとりあえず税金が高くなる前に利益確定する人が多くなるでしょう。

おそらく私もそうします(笑)

そうなれば資金調達を含め企業にも影響を与えるでしょうし、結局税金が減ってしまうなんてこともありえます。

社会保険への大きな影響が・・・

もしこれが実行されて株価が下がればもう一つ大きな影響を与えるものがあります。

それが社会保険への影響です。

国民年金を運用している年金積立金管運用独立行政法人(GPIF)の運用は現在下記の通りの比率になっています。

国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%

つまり、現在の年金は債権50%、株式50%となっており、国内比率高めの4資産分散ファンド買ってるみたいな感じとなっています。

GPIFポートフォリオ

2010年ころには国内株式の割合は11%、外国株式の割合も11%(合計22%)でした。

それが少しずつ増えて現在は国内株式、外国株式とも25%です。(合計50%)

倍くらいに株式の割合を増やしています。

日本の株だけでも4分の1ですから日本の株価が下がれば大きな影響を与えるでしょう。

実際少し前の記事ででてましたが日本企業のうち121社は年金積立金管運用独立行政法人(GPIF)が筆頭株主になっているという異常な状態なのに。

つまり、株価が下がれば税金面だけでなく少子高齢化でさらに厳しくなることが予想されている国民年金がさらに厳しくなってしまうという・・・

まとめ

今回は軽減税率の財源に株式の配当や売却益への課税強化をした際の影響を見てきました。

株式の配当や売却益への課税強化することで株が下がれば結局税金が減るかもしれませんし、

なにより社会保険(年金)が大ダメージを受けますよって話です。

そもそも軽減税率なんてほとんど効果ないだけで負担が増えるだけです。

財源ないなら軽減税率なんて無駄なことするな!!ってことに尽きます。

こんなブログ読んでないでしょうがぜひ政治家の皆さん考え直していただけないでしょうか・・・

読んでいただきありがとうございました。

軽減税率について詳しくはこちらの記事を御覧ください。

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