全世界株(オールカントリー)の直近1年の成績が米国株(S&P500)を上回っている件

モーニングスターに興味深い記事が出ていました。

過去1年間のパフォーマンスで「オール・カントリー」が「S&P500」を上回った傾向は、まだ続く可能性がある。

出典:モーニングスター 過去1年では「S&P500」を上回る「eMAXIS Slim全世界株式」が残高1兆円にカウントダウン

全世界株(オールカントリー)の過去一年の成績がS&P500を上回っていて今後も続く可能性に言及しているのです。

今回はこの件について考えて見たいと思います。

オールカントリーとS&P500の成績比較

まずは今回の話の前提となる全世界株(オールカントリー)とS&P500の成績を比較してみましょう。

わかりやすいようにそれぞれの代表的な投資信託である 「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を1月31日時点のトータルリターンで比較してみます。

トータルリターン6ヶ月

まずは6ヶ月リターンです。

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eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
6ヶ月トータルリターン-0.37%-3.64%

どちらもマイナスとなっていますが、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の方がマイナス幅が小さくなっています。

トータルリターン1年

次は1年リターンです。

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eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
1年トータルリターン5.01%3.83%

どちらも大きくプラスとなっています。

記事にあるようにeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の方が成績良くなっていますね。

ここ半年の差が大きかったのでしょう。

トータルリターン3年

最後は3年リターンです。

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eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
3年トータルリターン12.69%14.92%

3年リターンでみるとまだeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が成績が良くなっていますね。

※eMAXIS Slimシリーズはまだできてそれほど経っていませんのでトータル3年リターンまでしか比較できません。

2011年からの比較

ただし、それ以前もふくめててみても過去のデータでは米国株(S&P500)の方が成績は良くなっていますね。

下記は2011年10月末から2021年10月までの比較です。

全世界VSS&P500

出典:楽天証券 全世界株vs米国株~S&P500指数に死角はあるか?~より




今後は全世界株(オールカントリー)を買ったほうが良いのか?

今回のような話が出るともう全世界株(オールカントリー)を買ったほうがよいのか?みたいな話がでてきます。

これは考え方次第なんですよ。

そもそも全世界株(オールカントリー)には米国株(S&P500)がかなり含まれていますのでそれなりに連動してきますしね。

全世界株(オールカントリー)と米国株(S&P500)の国別構成比率

それでは投資先を見てみましょう。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は以下のような構成比率になっています。

オールカンパニー投資対象

出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書 2022年9月末時点

名前の通り、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は全世界に分散投資しているんですよ。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)がベンチマークとしているMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)は先進国23ケ国、新興国24ケ国の約47か国を対象としており、各国市場の時価総額上位約85%をカバーする広範なインデックスとなっています。

大型・中型の約3,000銘柄から構成されています。

ただし、上記のグラフに有るように62%はアメリカなんですよ。

アメリカの企業の時価総額が大きいのでどうしてもそうなってしまうのです。

一方、米国株(S&P500)はアメリカを代表する500社が対象となっています。

当然にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)にはアメリカを代表する500社も含まれています。

つまり、米国株(S&P500)だけに投資をするか米国株(S&P500)も含めて投資をするかってところになっているということです。

全世界株(オールカントリー)と米国株(S&P500)の上位銘柄

それでは投資先の銘柄はどうなっているのでしょう。

こちらも比較してみます。

どちらも2023年1月31日時点で以下のとおりとなっています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

まずはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)です。

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銘柄名比率
Appleアメリカ3.7%
マイクロソフトアメリカ2.8
Amazonアメリカ1.5%
アルファベットA(グーグル)アメリカ1.2%
NVIDIAアメリカ0.8%
エクソンモービルアメリカ0.8%
ユナイテッド・ヘルスアメリカ0.7%
テスラアメリカ0.7%
TSMC台湾0.7%
ジョンソンアンドジョンソンアメリカ0.7%

なんと全世界株なんですが、上位10銘柄のうち9銘柄がアメリカの企業なんですよ。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

次はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)です。

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銘柄名比率
Appleアメリカ6.3%
マイクロソフトアメリカ5.3%
Amazonアメリカ2.6%
アルファベットA(グーグル)アメリカ1.9%
バークシャハサウェイアメリカ1.6%
NVIDIAアメリカ1.4%
エクソンモービルアメリカ1.4%
ユナイテッド・ヘルスアメリカ1.3%
テスラアメリカ1.3%
アルファベットC(グーグル)アメリカ1.3%

上位の顔ぶれはほとんどeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と同じですね。

それだけ時価総額上位の銘柄はアメリカ企業が多いってことですね。

ただし、それぞれの企業への投資比率はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が高くなっています。

考え方次第

つまり、どちらも今の時点ではアメリカ株が中心の投資信託であることに変わりは無いんですよ。

ですから考え方しだいかなってところ。

成績もそこまで大きな差にはならないのです。

広く世界に分散していきたいって方はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が良いでしょう。

今後もアメリカ1強時代が続くと考えればeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が良いでしょうね。

インデックス投資の王道は広く分散されるeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の方ですけどね。

参考:SBIラップの投資比率

ちなみに情勢に合わせてAIが投資比率を変更するSBIラップは米国株の比率をかなり落としていってますね。

例えば2023年1月末の投資比率は以下の通り(私の口座の場合)
2023年1月末SBIラップ投資比率

アメリカ株の比率は16.4%となっています。

11月末の時点では下記の通り43.3%あったことを考えればかなり減らしているんですよ。

代わりに増えているのは新興国株ですね。

11月の時点では1.9%だったのが29.7%まで比率を増やしています。

最近はインド株が人気となっていますしね。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はインド株など新興国株も含まれてきます。

そういった部分をどう考えるかでしょう。
SBIラップ11月末投資比率



まとめ

今回は「全世界株(オールカントリー)の直近1年の成績がS&P500を上回っている件」と題して全世界株(オールカントリー)の成績がS&P500を超えたという話を見てきました。

インデックス投資をしている方は長期的な目で見ているでしょうから目先の成績に捕らわれること無く淡々と投資をすることをおすすめします。

アメリカが・・・インドが・・・って考えたくない人は全世界株(オールカントリー)の方が良いかもしれませんね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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