みずほ銀行が2026年9月7日、ポイント制度の刷新を発表。
みずほ楽天カードが2%還元とかなりの大盤振る舞いになっています。
年会費無料で2%還元と聞くと、カードを替えたくなりますね。
でも、公共料金や投信積立まで一律2%になるわけではありません。
今回はみずほ楽天カードについて詳しく見ていきます。
資金を動かす前に、年間いくら得するかを整理しましょう。
2%還元は「残高を持っていない人」に向けた逆転オファーです
金利のある世界になり、各行が預金集めの策を続々打ってきています。
すでに三菱UFJと三井住友は預金を集めるための新しいサービスを発表しているんですよ。
今回のみずほ楽天カードの2%還元は、メガバンク3行のなかで唯一「あなたがいくら預けているか」を問わない高還元です。
いま起きていることを並べると、構図がはっきりします。
三菱UFJ銀行:エムット Excellent Club
三菱UFJ銀行は2026年8月、富裕層向け会員組織「エムット Excellent Club」を発表しました。
会員限定のプラチナカードは年会費永年無料ですが、ポイント還元率は預かり金融資産残高に連動します。
残高3,000万円以上で1.0%、上限で1.6%。
クラブの開始は2027年3月、カードは2027年度上期の予定です。
富裕層向け会員組織というだけあり、お金を三菱UFJ銀行にたくさん入れている方を優遇する仕組みってことです。
三井住友銀行:Olive Infinite
三井住友銀行は2026年5月26日、Oliveの最上位「Olive Infinite」を開始しました。
通常年会費は99,000円(税込)。
基本還元率は1.0%です。
年間400万円利用で4万ポイント、年間700万円の対象利用で継続特典11万ポイント。
たくさん決済をする人にはかなり高い還元となるクレジットカードです。
円普通預金500万円以上、SBI証券残高500万円以上、両者合計5,000万円で年会費無料となります。
こちらも三井住友及びSBI証券に残高をたくさん入れてくれている人を優遇する仕組みってことですね。
みずほ銀行:ナットク!みずほ
そしてみずほ銀行は2026年9月7日、個人向けの新戦略「ナットク!みずほ」を開始し、第1弾としてみずほ楽天カードのポイント制度を刷新しました。
年会費永年無料のまま、最大合計2%還元を恒久化とのこと。
この時点で、エムット Excellent Clubの最上位還元1.6%を超えています。
また、Olive Infiniteの場合、2%を超えようとしたら年間400万以上決済して、年会費無料条件をクリアする必要あります。
数字だけ見れば、一気に一番お得な条件となり得るのです。
もちろん、この2%には受け取りの条件があります。
無条件で2%が降ってくるわけではありません。
ただし条件の中身は「資産額」ではなく「手続き」です。
ここが決定的な違いになります。資産は一朝一夕に作れませんが、手続きは今日終わらせられるからです。
つまりこのカードは、資産形成の途中にいる20代から50代にとって、メガバンクから最も多くを引き出せる入口になり得ます。
逆に言えば、みずほ銀行は資産の多寡で線を引かない道を選んだ、ということでもあります。
以下、何が変わったのか、実際いくら残るのか、誰に向かないのかを順に見ていきましょう。
みずほ楽天カードの何が変わったのか
制度改定の中身は、驚くほどシンプルです。
これまでのみずほ楽天カードにも「Wポイントプラン」という上乗せはありました。
ただし、みずほポイントの上乗せは最大1万ポイントまで、または最長1年間まで。
期間か上限のどちらかに達すれば終わる、実質的なキャンペーンでした。
新しい「ダブルポイント」は、この2つの制限を外しています。
対象となるカード利用を続ける限り、上乗せが続く設計に変わりました。
2%の内訳も確認しておきます。
100円につき楽天ポイント1%、これに同数のみずほポイント1%が加わる合算です。
楽天市場での買い物なら、SPUの特典分を含めて最大合計4%還元になります。
既存会員が置いていかれない点も見逃せません。
2025年6月29日以前に契約した人、および2025年6月30日以降の契約でWポイントプランの上限1万円または最長1年間に達した人は、2026年9月1日の利用分から新制度の計算が始まります
基本スペック
基本スペックを一覧にしておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年会費 | 永年無料 |
| ポイント還元率 | 最大合計2%(楽天ポイント1%+みずほポイント1%) |
| 楽天市場 | 最大合計4% |
| 利用可能枠 | 最高100万円 |
| 国際ブランド | Visaのみ |
| 引落口座 | みずほ銀行の普通預金のみ |
| キャッシュカード機能 | 付帯なし |
| 付帯保険 | カード盗難保険、海外旅行傷害保険(適用条件あり) |
| ETCカード | 楽天会員ランクがダイヤモンド・プラチナなら無料、他は年550円(税込) |
| 申込資格 | 日本国内在住、18歳以上90歳未満 |
(出典:みずほ銀行「みずほ楽天カード」基本情報、2026年9月7日現在)
新規口座開設とカードの作成・利用等で、みずほポイント10,000ポイントと楽天ポイント最大5,000ポイント、合計最大15,000円相当を受け取れるキャンペーンも動いています。
注意ポイント
ここで注意したいのは、みずほポイントの受け取りに期限付きの条件が付いている点です。
楽天カードの案内では、2026年11月30日時点でみずほマイレージクラブ入会、みずほダイレクト契約・初回登録、みずほポイントモールの規約同意が完了していることが必要とされています。
「あとでやろう」が通用しない設計になっているんですよ。
メガバンク3行を並べて分かった目的の違い
ここからが本題です。
私は今回の発表を受けて、三菱UFJのエムット Excellent Club、三井住友のOlive Infinite、そしてみずほ楽天カードの3つを、同じ表に並べて比較してみました。
比較して最初に気づいたのは、還元率の高さではありません。
3行が還元の見返りとして「何を差し出させようとしているか」がバラバラだ、という点でした。
| 比較項目 | みずほ | 三菱UFJ | 三井住友 |
|---|---|---|---|
| 主な施策 | みずほ楽天カード ダブルポイント | エムット Excellent Club カード プラチナ | Olive Infinite |
| 開始時期 | 2026年9月7日(提供中) | クラブ2027年3月、カード2027年度上期予定 | 2026年5月26日(提供中) |
| 年会費 | 永年無料 | 会員なら永年無料 | 99,000円(税込)。資産条件で無料 |
| 基本還元率 | 最大合計2% | 残高3,000万円以上で1.0%、最大1.6% | 基本還元1.0%+年間400万円利用で4万ポイント、700万円利用で11万ポイント還元 |
| 還元率を決めるもの | 手続きの完了 | 銀行の預かり残高 | 多くの決済 |
| 求められる資産 | 指定なし | 預かり金融資産3,000万円以上など | 年会費無料化にOlive残高5,000万円以上など |
| 差し出すもの | 決済と口座振替 | 資産の滞留 | 年会費、資産の滞留、決済 |
三菱UFJは、残高がカードの還元率を動かす仕組みを「本邦初の本格的な銀行預り残高連動型クレジットカード」と表現し、特許を出願中としています。
三井住友は、年会費という入場料を資産で免除する形。
どちらも、銀行に置いてある金額が起点です。
みずほだけ決済と口座振替で優遇
みずほだけが違います。
起点は決済と口座振替の設定であって、残高ではありません。
なぜみずほだけが違う道を選んだのか。
個人預金残高を見ると背景が見えます。
2026年3月末時点で、三菱UFJ銀行が約87兆円でメガバンク最多、三井住友銀行が前年比2.42%増の約62兆円、みずほは同0.48%増の約48兆円にとどまっていました。
残高で勝負すれば、いま残高の多い銀行が勝ちます。
持たざる側が同じ土俵に乗る理由はありません。
だからみずほは、残高ではなく手続きを条件にした。
カード代金の引き落としをみずほ銀行の口座に指定しないと還元されない仕組みにして、預金獲得につなげる狙いです。
資産を持つ人ほど有利な設計が並ぶなかで、みずほだけが「これから貯める人」に向けて席を用意した。
この構図は、覚えておいて損はありません。
みずほ楽天カードと楽天カードは2枚持ちできる?
すでに楽天カード1枚目を持っている場合、みずほ楽天カードを2枚目として申し込めます。
ただし、楽天銀行カード、楽天ANAマイレージクラブカード、楽天カード アカデミーの保有者や、すでに楽天カードを2枚持っている人は、そのまま追加できません。
また、当然ながら発行には審査もあります。
2枚持ちなら、役割を決める
楽天カードは、1枚目と2枚目で引落口座を分けられます。
ただし、みずほ楽天カードの引落先はみずほ銀行です。
使い分けは、自分が残したい機能を起点に考えると整理しやすくなります。
| 用途 | 配置の考え方 |
|---|---|
| 通常の対象となる日常決済 | みずほ楽天カードの2%を候補にする |
| 既存カードのブランド・独自特典 | 利用価値があるものを残す |
| 投信積立 | 保有カードと対象銘柄の実際の還元率を比較 |
| 公共料金や税金 | 支払先の還元率と決済手数料で別途判断 |
みずほ楽天カードの国際ブランドはVisaです。
既存カードの別ブランドを残したい人には、2枚持ちで選択肢を維持できる場合があります。
「全部を新カードへ移す」と考えると、手続きも比較も重くなりますね。
役割のある支払いだけを移すなら、判断はずっと小さくできます。
ただし、既存カードに年間利用額に応じた特典がある場合は、その条件も確認します。
支払いを分けて達成できなくなるなら、みずほで増えるポイントから失う特典を差し引く必要があるからです。
2枚持ちの目的はカードの枚数を増やすことではなく、今ある支払いを無理なく配分することにあります。
利用枠と支払設定は、別途確認する
2枚の利用可能枠は単純に足し算されません。楽天カードでは、2枚のうち大きい方の利用可能枠が会員全体の枠となります。
また、新カードを作っても、通販サイトや継続払いの登録を自分で変更する場面があります。
切替先、変更日、最初の請求月を控えると確認しやすいでしょう。
2枚目の作成特典と、初めて楽天カードを作る人の入会特典も同じ扱いではありません。
申込時の自分の保有状況に合う条件を読む必要があります。
特に、すでに2枚持っている人は、解約を急がない方が無難です。
継続払いと付帯サービスを確認してから、必要な手続きを判断してください。
還元を増やすための変更で、支払管理を崩してしまってはもったいないですから。
5つのデメリットと、向かない人
発表直後の反応は好意的なものが多いのですが、実務面の制約は別に見ておく必要があります。
キャッシュカード機能なし
1つ目。キャッシュカード機能は付いていません。
Oliveのようにキャッシュカードと1枚で完結するイメージで申し込むと、財布のカードの中身は減らないことになります。
引き落とし口座の制限
2つ目。引落口座に指定できるのは、みずほ銀行の普通預金のみです。
また、営業性の個人口座も使えません。
給与振込が他行の人は、資金移動の手間が毎月発生します。
個人的にはこれが一番大きなデメリットになりますね。
利用可能枠が少ない
3つ目。利用可能枠は最高100万円です。
高額決済や事業用の支払いを一本化したい人には、枠が足りない場面が出てくるのではないでしょうか。
VISAのみ
4つ目。国際ブランドはVisaのみ。
すでにVisaカードをメインにしている人は、ブランドが偏ります。
スマフォアプリ限定
5つ目。みずほポイントの確認がスマートフォンアプリに限定され、パソコンのブラウザでは扱えません。
交換もみずほギフト経由の二段階です。
この手間を「毎月やる作業」として引き受けられるかどうかが、実効還元率を分けます。
向いている人
向いているのは、次のような人でしょう。
- みずほ銀行にすでに給与振込口座がある
- 楽天市場や楽天ペイを日常的に使っている
- 月の決済がおおむね10万円以下で、利用枠100万円に不安がない
- ポイント交換のひと手間を年に数回なら引き受けられる
向いていない人
反対に、向かない人もはっきりしています。
- 公共料金と税金の支払いが決済額の大半を占める
- 電子マネーへのチャージが決済の中心になっている
- 年間200万円超をカードに載せており、枠と付帯サービスを重視する
- ポイントを取りに行く作業そのものが負担で、失効させる自信がある
- 特典のために生活費の決済先を無理に変えようとしている
最後の項目には、少しだけ強めに触れておきます。
還元率のために支出を増やせば、2%の還元は簡単に消えます。
1万円多く使って200円戻る取引は、家計にとって9,800円の支出です。
すでにある支出の置き場所を変えるだけなら得ですが、支出そのものを作りにいくと逆になります。
よくある質問
- すでにみずほ楽天カードを持っています。2%還元の対象ですか?
-
既存会員も対象です。旧Wポイントプランの上限・期間に達した人なども、2026年9月1日利用分から対象になります。
ただし、みずほポイントモールへの初回アクセスなどの条件が必要です。
通常の楽天カードには適用されません。
- みずほ楽天カードを作ると、NISAの積立も2%になりますか?
-
一律2%ではありません。
楽天証券の投信クレカ積立に対応しますが、代行手数料が年率0.4%未満の銘柄では合計最大1%です。
NISAでも利用でき、月額上限は10万円。ポイントのために積立商品を替える必要はありません。
- 普通の楽天カードを残したまま、2枚持ちできますか?
-
対象となる楽天カードを1枚持っていれば、2枚目として申し込めます。
楽天銀行カードなど一部の券種や、すでに2枚保有している場合は対象外です。
引落口座は分けられますが、みずほ楽天カードの引落先はみずほ銀行に限られます。
- みずほポイントはどうやって使いますか。
-
みずほ銀行アプリ内の「みずほポイントモール」で確認し、いったん「みずほギフト」にチャージしてから、楽天ポイントやPayPayポイント、dポイント、Amazonギフトカードなどへ1ポイント=1円相当で交換します。
直接交換はできません。
有効期限は付与月の24か月後の月末までの2年です。
- 公共料金の支払いも2%還元になりますか。
-
なりません。楽天カードでは電気・ガス・水道料金や税金が500円につき1ポイント、つまり0.2%です。
みずほポイントは楽天カードの還元率に準じるため、合計でも0.4%となります。
口座振替割引がある事業者なら、そちらのほうが有利な場合があります。
まとめ
私がこの記事で伝えたかったのは、2%が高いか低いかではありません。
銀行が用意する条件から自分の行動を決めるのではなく、自分の決済と資産の形に合う条件を選ぶ。
その順番を守ってほしい、ということです。
還元率は銀行が決めますが、実効還元率を決めるのはあなたの生活です。
資産形成の土台になるのは、無理なく残るお金を増やす習慣だと考えています。
カードの特典も、その習慣を助けてくれる範囲で使っていきたいですね。
メガバンク3行がなぜ2026年に一斉に動いたのか、その背景をもう少し知りたい方は、先に書いた記事もあわせてどうぞ。

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