金利と株の関係はかなり深いものになります。
実際株式市場で大きな暴落があった時期には金利の上げの影響であったことも大きいですね。
直近だと2018年2月の暴落はそこが大きかったと言われています。
そこで気になるのが金利が上がるとなぜ株が下がるのか?ということです。
また、同じく債券も金利と逆相関にあると言われています。
今回はなぜ金利があがると株や債券が下がるのかを見ていきましょう。
※一部加筆修正いたしました。
逆に利下げした場合の株や為替、債券への影響ついてはこちらの記事をごらんください。
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金利と株価の関係
まずは金利が上がるとなぜ株価が下がるのかを考えていきましょう。
大きな理由としては企業要因と投資家要因があります。
2つの理由に分けて考えてみましょう
企業要因
まず企業側の話です。
これは簡単です。
会社は新規事業に必要な資金のために借入などを行いますが、その際に金利が上昇すればそれだけ利息を支払う必要がありますからその影響で業績が悪化します。
また、業績の悪化や利息が高いとなれば会社はそもそもの設備投資を抑制するようになったり、消費者も金利が上がればローンを組んだりすることを抑制するようになりますから家や車などが売れにくくなるのです。
そうなれば社会全体としての経済活動が停滞する懸念があるのです。
つまり、金利が高くなると将来の企業業績が悪化する可能性があるから株が下がるのです。
逆に金利が下がれば将来的に企業の業績が良くなる可能性があるため株価が上がるのです。(今の日本ですね)
投資家要因
次に投資側の話です。
投資家はより有利なところに投資をしたいと考えます。
金利が上がれば相対的に預金や債券の魅力があがりますので株への投資を控えてそちらにお金が流れるようになるのです。
つまり、金利があがることで資金が株から他へ流れるために株が下がるのです。
逆に金利が下がれば預金や債券の魅力が下がりますので相対的に株へ資金が流れて来ます。(今の日本ですね)
金利と債券の関係
それでは債券は金利があがるとさがるのでしょうか?
金利があがると債券の金利もあがるからプラスに働きそうな気がするかたもいるでしょう。
簡単な流れを紹介しましょう。
例えば元本が100円の債券年利率2%を買っていたとしましょう。
償還は5年後です。
つまり、5年後には100円返ってきますし、利率は年2%もらえるということです。
しかし、お金が急に入用になってこの債券を売却することを検討したとしましょう。
しかし、その時には金利が急上昇して債券の年利率3%になったとします。
その場合、新しい債券を買えば年利率3%もらえるのに、わざわざ年利率2%の債券を買う人はいないでしょう。
せめて同じ条件にしないとだれも買いません。
利率は上げれないとすると価格を下げるしかないですよね。
新しい3%の債券は5年間でもらえる金額は115円です。
2%の債券の場合は5年間でもらえる金額は110円です。
差が5円ありますのでその分を値引きをした95円にしないとだれも買いません。
つまり、金利が上がったことで債券の価格は下がるのです。
例外もある
これは例外もあります。
例えば変動金利の個人向け国債です。
これの場合には金利が上昇すればもらえる金額も大きいため価値が下がりません。
ですのでアセットアロケーションを考えるときに債券部分を変動金利の個人向け国債にする方が多いのです。
詳しくは下記記事をご覧ください
債券のアセットクラスをどうするか・・・iDeCoやつみたてNISAなど長期的な投資を応援する仕組みが充実してきたこともあり、長期投資を始める方が増えています。長期投資を考える上で外せないのが債券です。しかし、[…]
毎月分配型には気をつけよう
債券を買う方の中には毎月分配型の債券へ投資をする投資信託を購入される方が多いです。
しかし、毎月分配型はかなり地雷が多いですからお気をつけくださいね。
簡単に言えば自分の足を食べているタコみたいなものです。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
先日もブログに書きましたが森信親金融庁長官が積立NISAの対象になれるような投資信託は本当に少ないと発言されています。そして名指しで指摘されたのが毎月分配型投資信託です。しかし、この毎月分配型投資信託大変人気もあり、お金の専[…]
債券の投資信託
今まで見てきたように金利と債券は逆相関の関係にあります。
そのため債券の投資信託などは金利が上がると下がる傾向にありますのでお気をつけください。
特にイデコなどで債券を組み込まれている方も多いでしょうが、アメリカを中心に金利が上がる方向になりそうですから注意が必要です。
おすすめはイデコなどでは債券を買わず、アセットアロケーションで入れたい債券分は前述の金利が上がっても問題のない変動金利の個人向け国債を買うことです。
また、加入できる条件をみたす方は債券部分を小規模企業共済で考えるのもおすすめです。
他にも特定口座などで格付けの高い海外債券を直接買うという方法もあります。
仮に金利が上がったとしても決まった金額はもらえるわけですからね。
その際、もちろん為替リスクはありますが、長期でみればそこまで気にすることはないのかなって思います。
まとめ
今回は金利の上昇すると株価、債券がなぜ下がるのかを見てきました。
金利と株価、債券は本当に大きな関係がありますので、金利の動きは常にチェックしておきたいところですね。
そのためある程度の分野を分散することも必要ってこともいえると思います。
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