「会社都合だから待期7日で即支給」「自己都合は1か月待たされる」
そんな“半分合って半分ズレている”うわさが、いまだにハローワーク窓口でも飛び交っています。
2025年4月の改正で給付制限は原則1か月→0か月へと大きく変わり、適用ラインは 離職理由コード で瞬時に判定されます。
本記事では最新の離職区分を網羅した早見表とともに、給付制限が“ゼロ”になる条件、レアケースで付く場合、窓口で訂正する裏ワザまでまとめました。
退職予定・離職票受取前のかたは必読です!
まず押さえたい「離職理由」と給付制限の基本
まずは前提となる離職理由と給付制限の話を見ていきましょう。
離職理由コードとは
離職理由については離職票の「離職理由コード」に付与される番号でハローワークは判断します。
ですから離職票をもらったらこの部分を確認することが必要です。
この部分に書いてある数字で給付制限が変わるんですよ。(間違いや思い違いがあれば異議を申し出れますが)
離職理由コードと給付制限の関係
離職理由コード | 区分 | 典型的な退職理由 | 給付制限 | 受給資格 |
---|---|---|---|---|
11・12 | 会社都合 | 倒産・解雇など | 待期7日+制限なし | 特定受給資格者 |
21・22 | 会社都合 | 契約期間満了・雇止めなど | 待期7日+制限なし | 特定受給資格者 |
25 | 自己都合 | 定年など | 待期7日+1か月 | 一般受給資格者 |
31 | 会社都合 | 退職勧奨に応じた合意退職 | 待期7日+制限なし | 特定受給資格者 |
32 | 自己都合(正当理由あり) | 事業所移転・通勤困難など | 待期7日+制限なし | 特定受給離職者 |
33 | 自己都合(正当理由あり) | 病気・介護・妊娠出産・家族の転勤など | 待期7日+制限なし | 特定理由離職者 |
45 | 自己都合 | 正当理由なしの転職等 | 待期7日+1か月 | 一般受給資格者 |
※2025年4月からの改正で自己都合の給付制限は「2か月→1か月」に短縮されています。

待期と給付制限のしくみ
待機と給付制限の仕組みは以下のとおり。
- 待期7日:離職票提出から7日間は“雇用保険の加入者”かどうかを判定する期間。
- 給付制限:待期満了後、自己都合等の場合に追加で給付が受けられない期間(2025年4月以降1か月)。
両方合わせると、給付制限がある方は実質的に最短で給付開始は離職票提出から約38日後となります。
特定受給資格者・特定理由離職者とは?
- 特定受給資格者:会社都合で離職した人。退職勧奨に応じた31もここに含まれる。
- 特定理由離職者:自己都合だがやむを得ない正当理由がある人(33)。
両者とも給付制限はかからず、待期7日後すぐに基本手当が支給されます。
詳しい条件等はこちらの記事でまとめております。

給付制限が付くレアケース3選
2025年改正後でも、次のような特殊ケースでは給付制限1か月が適用される、または支給開始が遅れることがあります。
早期退職優遇制度に“自主応募”
個別の退職勧奨ではなく、会社が募集する 早期退職プログラムに自ら応募 した場合、離職票は一般自己都合(45)となる可能性が高く、給付制限1か月となります。
高額特別退職金(平均賃金45日分超)
退職一時金が著しく高いと「賃金補填」と見なされ、日数調整や給付制限が付く場合がある(昭63.3.31職失51)。
離職後30日以内に日額×20%超の収入
待期期間後すぐにまとまったアルバイト収入があると、給付制限期間が就労調整日数として延長されることがある。
窓口で聞けない“裏ルール”3選
知っておきたい裏ルールについても解説しておきましょう。
離職理由は会社が先に書き、ハローワークは追認
会社誤記を防ぐには退職合意書などに「退職勧奨による退職」である旨を明記してもらうとよいでしょう。
会社が助成金などを受けようとしていると、退職勧奨などをやったと認めてくれないこともあるんですよ。
異議申立ては離職票交付から31日以内が勝負
証拠(勧奨メール・録音・医師診断書)を添え再審査請求すれば修正可です。
証拠を残しておくことがなにより大事。
手続き日により支給開始日が左右される
支給開始を少しでも早くしたい場合は手続きを早くすることです。
離職票が届いたら即日ハローワーク持参が鉄則ですね。
給付制限を回避・短縮する4ステップ
給付制限を回避するためのポイントを見ておきます。
退職前に区分を固める
退職勧奨ならその旨を書面化してもらう。
病気なら診断書を準備しておきましょう。
後で揉めたときのためですね。(必要のないケースがほとんどですが)
離職票‑2を即確認
もし、コード欄と理由欄が一致しない場合は会社へ訂正依頼しましょう。
単なる事務間違いの可能性もあります。
証拠持参で窓口へ
誤コードは窓口で“その場修正”がベストです。
難しければ再審査請求という手段があります。
認定日を逃さない
給付制限中でも認定日に行かないと支給日数が消滅してしまいます。
よくある質問(FAQ)
ここからはよくある質問を見ていきましょう。
退職勧奨だったのに会社がコード45で出してきた!
まず会社に訂正依頼をしましょう。
応じない場合は退職勧奨メール等を持参し異議申立てをしてください。
前述したように解雇や退職勧奨があると補助金や助成金等で不都合があるケースがあるので会社は普通の自己都合退職としたがるケースがあるんですよ。
病気退職だが診断書がないとコード45?
医師の診断書・意見書を提出すればコード33となり給付制限は外れます。
診断書を用意しておきましょう。
給付制限中に短期バイトはできる?
1日4h未満・週20h未満なら日額調整のみ。
4h以上×週4日超は就職扱いで受給終了となります。
ご注意ください。
まとめ
今回は「会社都合・正当理由の自己都合なら給付制限ゼロ! 離職理由コード徹底解説とハローワーク裏ルール」と題して給付制限の話をみてきました。
まとめと
給付制限が付くのは 一般自己都合
倒産・解雇・退職勧奨・通勤困難・病気介護等 と判断されると待期7日後すぐ支給。
離職票のコードを死守することが最大の攻略ポイント。
退職合意書や診断書などの“証拠武装”を事前に整え、ハローワークでの判定を味方につけましょう。
制度を正しく使えば、1か月分の手当=数十万円を失わずに済みます。
あなたの再スタートを公的保険でしっかり支えましょう!

にほんブログ村