eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)となる新しい米国株式が対象の投資信託の情報がでてきました。
6月15日に提出された有価証券届出書(EDINET)によると7月3日付で、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が設定されます。
三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズはeMAXIS Slim先進国株をはじめ多数でていますが、信託報酬が最安値圏で他社が値下げしてもそれについていくことで人気になっているシリーズです。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も米国株式の本命となる存在になる可能性が高そうですね。
今回はその他の米国株式へ投資をする投資信託との比較を踏まえて検討してみたいと思います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の概要
まずは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の概要からみていきましょう。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の目的、性格
名前の通り、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざして運用を行う投資信託です。
つまり、ベンチマークはS&P500指数(配当込み、円換算ベース)となります。
運用は主にS&P500インデックスマザーファンドを通して行われます。
まだマザーファンドは大きくないと思われますのでどのくらい安定運用できるのかがポイントかも知れません。
出所:三菱UFJ国際投信 有価証券届出書 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の設定日、運用開始
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は下記から設定、運用が開始されます。
平成30年7月3日 設定日、信託契約締結、運用開始(予定)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の取扱証券会社
有価証券届出書に記載のある取扱の証券会社はSBI証券と楽天証券です。
定番ところのネット証券会社になります。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬等
信託報酬率は0.160%(税抜)です。
税込み換算すると0.1728%とかなり低コストの投資信託となります。
競合商品との比較(S&P500)
他のS&P500をベンチマークとする投資信託には「iFree S&P500インデックス」があります。
こちらは信託報酬0.225%(税抜)ですから、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はかなり信託報酬を押さえていると言えるでしょう。
ETFでは「iシェアーズS&P500米国株ETF」が0.15%(税抜)となっています。
ですからeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は少し負けていますね。
ただし、ETFより投資信託の方が1円単位で買えますし、買いやすいというメリットは大きいです。
競合商品との比較(米国株式全般)
S&P500を対象としてはいませんが、他にも米国株式を投資対象とする投資信託等があります。
まずは米国株全般を投資対象とする「楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VIT)」があります。
楽天VTIは名前のとおりVTI(VANGUARD TOTAL STOCK MARKET ETF)に投資をすることを通じて米国株全般を投資対象とします。
楽天VTIの信託報酬率0.157%程度(税抜)です。
税込み換算すると0.1696%とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)よりも少し安くなっていますね。
S&P500はアメリカを代表する500銘柄が対象。
楽天VTIは米国株全体で約3500銘柄が対象ですから好みが分かれるところではあります。
競合商品との比較(ダウ平均)
また、ダウ平均をベンチマークとした米国株式を投資対象とする投資信託もあります。
前述のようにS&P500はアメリカを代表する500銘柄が対象です。
対してダウ平均(ダウ工業株30種)はアップルやボーイングなど米国経済を代表する超大企業を対象とした指標で30銘柄で構成されています。
より範囲が狭まった感じですね。銘柄数で言えばこんな感じです。
ダウ 30銘柄
S&P500 500銘柄
VTI 3588銘柄
ダウをベンチマークとした投資信託は「iFree NYダウ・インデックス」と「eMAXIS NYダウインデックス」があります。
iFree NYダウ・インデックスは信託報酬率0.225%(税抜)
税込み換算で0.243%となります。
eMAXIS NYダウインデックス信託報酬率0.6%(税抜)
税込み換算で0.648%となります。
こちらと比較するとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は低いですね。
S&P500、VTI、ダウ平均のどれがよいのか?比較してみる
前述したように米国株へ投資する対象として今回ご紹介してるアメリカを代表する500銘柄を対象とするS&P500。
米国株全体に投資をするVTI
アメリカを代表する超大型株30銘柄を対象をするダウ平均とあります。
どれを選ぶのかは好みの部分が大きいのですがでは過去の成績はどうでしょうか?
比較してみたいと思います。
S&P500、VTI、ダウ平均を投資対象とした投資信託の比較
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はまだ成績がでていませんので今回は前述の「iFree S&P500インデックス」、「楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VIT)」、「iFree NYダウ・インデックス」で比較してみたいと思います。
3つの投資信託のトータル・リターン(5月31日現在)は下記の通りです。
iFree S&P500インデックス | 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VIT) | iFree NYダウ・インデックス | |
1ヶ月 | 1.72% | 2.11% | 1.11% |
6ヶ月 | 1.34% | 1.72% | 0.80% |
1年 | – | – | 16.93% |
3年(1年辺り) | – | – | – |
まだどの投資信託もできてそれほどたっていませんのであれですが、楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VIT)が1ヶ月、6ヶ月とも一番高くなっていますね。
投資信託の比較だとちょっと期間が短いのでもう少し長い期間で見てみたいと思います。
楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VIT)の方は元のVTI(VANGUARD TOTAL STOCK MARKET ETF)での比較です。
ダウとS&P500の10年チャート
出所:SBI証券 チャート
2009年〜2014年初頭まではダウが強かったですね。
2014年後半から2017年まではS&P500が強い感じです。
VTIとS&P500の10年チャート
出所:SBI証券 チャート
VTIが全般的に強い感じですね。
VTIとダウの10年チャート
出所:SBI証券 チャート
こちらも2014年後半からVTIの強さが目立ちます。
それぞれ波がありますので時期によってどれがよいのかは変わってきますが、方向性は同じ米国株式を投資対象としているので同じことがわかると思います。
細かくみるとダウは30銘柄しかないので波が大きい感じがありますね。
逆にVTIは銘柄数が圧倒的に多いので波は少な目な感じ。
S&P500はその間といった感じでしょうか。
しかし、方向性は概ね同じですし、時期によってどれが強いのかは変わりますのでどれを選ぶかは好みの問題と捉えても問題ないでしょう。
S&P500と日経平均の10年チャート
ちなみに日経平均とS&P500の比較だとこんな感じです。
この期間は日経平均もアベノミクスでかなりあがったのですが、実はそれと比べてもアメリカ株の方が強かったんですよ。
これはダウ平均、VTIとくらべても傾向は同じになります。
出所:SBI証券 チャート
まとめ
今回は新登場するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)について他の米国株式投信との比較を中心に見てきました。
S&P500を投資対象とする投資信託はあまりでていませんでしたので今後に期待したいところですね。
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ダウ、VTIとの比較では対象となる銘柄数が大幅に違いますから好みがわかれそうなところではあります。
過去のデータだとVTIが一番安定していますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。