先日、10年以上取引のない預金口座(休眠口座)は没収されるかもという記事を書きましたが、同様なものでもう一つ大きな問題がありますのでこちらもご紹介したいとおもいます。
それは郵政民営化前に預け入れた定額預金、定期預金・積立貯金の取扱です。
結論から先に言えば旧郵便貯金法では満期後20年と2か月を経過しても払い戻しの請求がない定額・定期・積立貯金は、利用者の権利が消滅すると決められていると決められているのです。
今回は郵政民営化前に預け入れた定額預金、定期預金・積立貯金の取扱いについてみていきましょう。
平成19年9月30日までに預けた郵便貯金に注意
最近こんな新聞広告を見たかたも多いでしょう。「平成19年9月30日までにお預入れいただいた郵便貯金はありませんか?」という広告です
なんかよくある広告だと思って読み飛ばした方が多いかもしれませんね。
最近はよく携帯電話の販売店なんかも何年以前に契約された○○を契約している人を探していますといいながら乗り換えさせる作戦を取っていたりしますのでそう思っても仕方ないかもしれません。
しかし、これかなり重要なアナウンスなのです。ちなみにこの新聞広告を出しているのは郵政民営化前(平成19年9月30日以前)にご契約された定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金、簡易生命保険を、それぞれ政府保証付で承継し、管理している「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構」という団体ででちゃんとしたアナウンスなんですが広告の仕方がイマイチでなんか伝わっていない気もします・・・
ちなみに契約時の住所が変わっていない方には、満期後10年経過時、満期後20年経過時などに案内を送付しているそうです。
ただ、引っ越し等をしていて転送も終わっていると届きませんのでご注意ください。
定期貯金は満期後20年と2ヶ月で権利が消滅
旧郵便貯金法では、満期後20年と2か月を経過しても払い戻しの請求がない定額・定期・積立貯金は、利用者の権利が消滅すると決められています。
郵政民営化したのが平成19年10月1日ですから平成19年9月30日以前までに預け入れた定期性の郵便貯金が対象となります。
まずは該当するものがないか確認しましょう。特におじいさんやおばあさんなど年老いた方と住まれている方はその方たちの分もかならず確認しましょうね。
対象となる口座
対象となるのは積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金となります。
満期の条件
それぞれ具体的に満期となるのは以下の条件です。そこから20年と2か月で消滅となります。
郵便貯金の種類 | 満期となる時期 |
積立郵便貯金 | 据置期間(積立期間)が経過したとき |
定額郵便貯金 | 預入日から起算して10年が経過したとき |
定期郵便貯金 | 預入期間が経過したとき(自動継続扱いのものは、民営化後に到来する継続日) |
住宅積立郵便貯金 | 据置期間(預入期間)の経過後2年が経過したとき |
教育積立郵便貯金 | 据置期間(預入期間)の経過後4年が経過したとき |
満期となっている郵便貯金の残高
今回のこの問題、かなりの金額が未だに残っているのです。
令和5年7月末現在で4,443億円が残高として残っています。
特に自動継続としていた定期郵便貯金は民営化以降については自動継続されず満期扱いとなっていますのでご注意ください。
出所:独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構「郵便貯金の残存状況のお知らせ」より
実際に権利が消滅した郵便貯金の金額
それでは実際に権利が消滅している郵便貯金はどれくらいあるのでしょうか?
直近で出ているデータだと令和4年度で197億円が消滅しています。
出所:独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構「郵便貯金の残存状況のお知らせ」より
郵便貯金の払い戻しの方法
それでは該当している方向けに郵便貯金の払い戻し方法もご紹介しておきましょう。
郵便貯金証書または通帳がある場合
郵便貯金証書や通帳がある場合には郵便局の貯金窓口又はゆうちょ銀行の店舗で手続きが可能です。
払い戻しに必要なもの
払い戻しに必要なものは以下の3点です。
(1) 払戻しのお手続をされる郵便貯金証書又は通帳
(2) お届け印
(3) 名義人さまご本人であることが確認できる公的機関が発行した証明書類 (ご住所・お名前・生年月日の入ったマイナンバーカードや運転免許証など)
郵便貯金証書または通帳が紛失等で無い場合
郵便貯金証書や通帳が紛失等で見つからない場合にも郵便局の貯金窓口又はゆうちょ銀行の店舗でご相談しましょう。
郵便局側で調べて郵便貯金をお持ちであることが確認できれば、紛失等により、郵便貯金証書又は通帳の所在がご不明な場合でも、払戻しの手続ができます。
また、郵便貯金をお持ちか どうか確認できない場合は、調査を行うこともできますのでご相談ください
払い戻しに必要なもの
向こう側の調査で確認できた場合の払い戻しに必要なものは以下の2点です。
(1) お届け印
(2) 名義人さまご本人であることが確認できる公的機関が発行した証明書類 (ご住所・お名前・生年月日の入ったマイナンバーカードや運転免許証など)
代理人の場合
御本人ではなく代理人が行く場合には上記の必要な物以外に名義人の証明書類に加え、代理人の方の証明書類及び名義人さまからの委任状が必要となります。
調査の手続にも代理人の方の証明書類及び名義人さまからの委任状が必要となります。
相続人の場合
すでに名義人がなくなっている場合はどうでしょう。
相続手続による払戻し等となりますので、お亡くなりになられた名義人さまと全ての相続人さまとの関係を確認することが必要になります。
郵便局の貯金窓口またはゆうちょ銀行の店舗で「相続確認表」を入手し、必要事項をご記入の上、ご提出ください。
詳しくは最寄りの郵便局にお問い合わせください。
まとめ
今回は「郵政民営化までに預けた定期貯金ありませんか?そのままだと払い戻し不可になりますよ」と題して満期後20年と2か月で権利が消滅してしまう定期性郵便貯金のお話を見てきました。
該当している郵便貯金がある方はもちろん、覚えがない方も家族を含めて確認してみてくださいね。まだまだかなりの金額が残っています。
また、合わせて休眠口座についても確認しておきましょうね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。